IRON MAIDEN『THE NUMBER OF THE BEAST』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年にリリースされたものであり、彼らの3rd.アルバムである。本作からリード・ボーカルがブルース・ディッキンソンに交代することになり、ここから彼らはメジャーな存在へとなっていく。彼らのアルバムの中では、翌1983年に発表した『PIECE OF MIND』、1984年の『POWERSLAVE』と共に、定番の曲を収録しており、彼らの名前をメジャーなものにした記念碑的なアルバムでもあり、人気の高い一枚である。また、本作は1982年のBillboard年間アルバム・チャートの93位にランクインしており、レギュラー・チャートでも最高位33位を記録するヒットとなった。
本アルバムに収録されているのは全9曲であり、ツインギターが冴え、パワフルにかつエネルギッシュに展開される。曲は順に、『Invaders』『Children Of The Damned』『The Prisoner』『22 Acacia Avenue』『The Number Of The Beast』『Run To The Hills』『Gangland』『Total Eclipse』『Hallowed Be Thy Name』であるが、本アルバムでは何と言っても『Total Eclipse』である。この曲のスピード感、それでいて高域まで伸びたスケールの大きなボーカルにはドラマを感じ、彼らの最高傑作と言っても過言ではない一曲であり、すっかりお馴染みの一曲である。ハード・ロックがお好きな方であれば、この曲は一度は耳にされたことがあるだろうが、もしも聴いたことがないと言うのであれば、とにかくこの一曲のために本アルバムを購入するだけの価値がある。それだけ素晴らしい一曲である。その他のお薦め曲としたら、お馴染みの曲である『The Number Of The Beast』『Run To The Hills』と言いたい所であるが、筆者はあえてそれらを外すこととして『Children Of The Damned』と『Gangland』を挙げることにする。(とにかく、エネルギッシュであり、聴かせてくれるハード・チューンでもある。)
ただ、筆者が本アルバムに付けるたった一つのケチは、本アルバムの邦題である。「魔力の刻印」という邦題が付けられているが、いまだにこの邦題だけは好きになれないでいる。(とにかく、ハード系のアルバムと言ったら、決まって「悪魔」とか「魔力」とか「地獄」と言った言葉が安易に使われていて、収録されている曲のことを全く考えていないものが多すぎる。)→これはあくまでも日本でのマーケットのことであり、彼らの奏でる演奏に影響を与えるものではない。いずれにしても、本アルバムからのIRON MAIDENは"Good Job!"です。
SAZER X #37 [特撮]
次回は最終回、ということで、最終決戦も敵の懐に突入。軽い復習のつもりで16日のBS JAPANで36話をと思ったら、35話と36話の連続放送(35話が「ドラえもん」と重なったため、まとめて再チェックしました)が行われ、その流れからやはりTV大阪のON AIRも追いました。(来週は23日にBS JAPANで37話(この物語)を再チェックし、24日にTV大阪で最終回に浸ろうと思います。)物語はクライマックスということで、シリアル路線を突き進む。また、「王道」という部分が次々と出てくるわ、ウルウルと来る台詞は飛び出すわで、いよいよ、ということを強く感じさせてくれる。こういう場合のBGMは迷うことなく本作のTVサントラ盤「超星艦隊セイザーX 音楽集(上)」です。(下巻は6/23発売ということなので、次回最終回に辛うじて間に合ってくれますが、現時点ではこれは無いので、仕方ありません。)
ネオデスカル艦に潜入した拓人はネオデスカルと対決。バレーダが戻って来るも、レミーが「あなたの相手は私よ!」とカッコイイ。で、拓人はネオデスカルと、レミーはバレーダと剣を交える。
ダークゲランの相手をしている漫才トリオ(ドリルアングラー)にアドとケインが参戦。一方、ダメージを追ったシャークリーガーは闇に侵蝕され始めていたことからみんなは脱出をと告げ、「後は俺たちがやります」「シャーク隊長は休んでいてください」と、みんなも頼もしい。3対1で攻めるが、ブレちゃんが「そらそらそりゃ~」って、勢いだけは凄い。(だけど、この掛声が良い味を出してくれる。→やっぱりブレちゃんは裏の主役ですね。)
ネオデスカル艦内、レミーはバレーダの攻撃をかわすものの、押されている。「負けるわけにはいかないのよ」と戦うヒロインの王道を行ってくれるが、これもまた王道をいく負傷。拓人がそれに気づき庇おうとするが、そこにネオデスカルの攻撃。「俺の前で隙を見せるとはな...」で追い込まれてしまう。(やはり、王道のヒーロー&ヒロインのピンチへ突入。)で、「トドメだ」とネオデスカル。
が、そこに「取った!」とパトラさんがコスモカプセルを奪取。(それにしても、いつも神出鬼没のパトラさんです。)が「そうはさせるか」とバレーダは羽交い締めにしていたレミーをそっちのけでパトラに向かってくる。で、「やっぱりまずかった。本当にすいません、返します」って、何だかんだで良いキャラのパトラさん。で「返しま~す」でコスモカプセルをレミーにパス。レミーに気を取られたバレーダを羽交い締めにするパトラさん、結構冷静です。ネオデスカルはコスモカプセルに気が向いていて、「ここから生きて帰れると思うか」でレミーに攻撃しようとするが、拓人が割って入る。で、今度は拓人が「俺の前で隙を見せるとはな」で、形勢逆転。で、レミーにコスモカプセルをG2に転送するように指示するが、レミーはシャーク隊長のことが頭をよぎり、躊躇してしまう。で、コスモカプセルはまたまたネオデスカルの手に。
シャークリーガーから退避したシャーク隊長が見守る中、ブレちゃんたちはダークゲランを粉砕し、ダークゲランは飛散する。それの報告をするバレーダ。拓人は「後はお前たちだけだぜ」と、形成は一気にセイザー・チームに傾く。また、闇も止まっていることから「おしまいです、ネオデスカル様」とバレーダは一気に弱気になるが、ネオデスカルが「お前の役目はここまでだ」ということで、バレーダを始末してしまい、バレーダは消えてしまう。(意外とあっけない最期でした。でも、最期も棒読み...)が「本当の戦いはこれからだ」とネオデスカルは自らをダークゲランの残骸に転送する。すると飛散したダークゲランの残骸が集まり、復活する。しかも、その大きさも先ほどよりも数倍大きい巨大なものとなっている。で、闇も再び動き出し、形成はまたも逆転。そして、アド(ウインドイーグル)がやられてしまう。
シャーク隊長からの通信で「私が躊躇したばっかりに...」と言うレミーを「起こってしまったことはしょうがないよ」と庇う拓人。そして、「この転送機、まだ使えそうだなぁ」ということで、恐獣の体内に転送することを決意する。そしてウルウルとくる台詞の連発となる拓人。(やっぱり主役、持って行く所はしっかりと持って行ってくれる。)
ダークゲランの体内に自らを転送した拓人。で、セイザー・チームの攻撃が再び開始される。シャーク隊長の下に合流したアドとゴルドに「任せるしかない、残った奴らに」とシャーク隊長。
ネオデスカル艦が墜落し爆発。レミーとパトラも無事に戻ってくるが、レミーは責任を感じている。「今度は必ず奴らを倒します」と、悲壮感を漂わせるレミー。ますます戦うヒロインの王道を突っ走ってくれる。
ダークゲランの体内の拓人。目の前に現れたのは胸にコスモカプセルが埋め込まれているブラックライオ(実体を失ったネオデスカル)だった。で、この対決は、最初はそれぞれの主張がぶつかり合う「思想の対決」で始まる。(こういうことが出来るようになるまでに拓人は成長しました。)
一方、ダークゲラン本体とセイザー・チームの対決は、図体の大きさもあって、ダークゲランが押しまくる。そしてケイン(マグナビート)もやられてしまう。それを見たブレちゃんは「俺は恐獣の体内に入って、自ら爆発する」と、'70'sヒーローに多く見られた「自己犠牲による戦いの集結」を口にするが、サイクリードは「そんなことしたら、痛くて死んじゃうぞ」と、やっぱり漫才の方に持って行こうとするが、ブレちゃんがかっこいいことを口にする。が、レミーが「これ以上の哀しみはたくさんよ」とそれを止めさせて、「タックンを信じて...」(こちらも怒濤のヒロインの王道路線を突き進む!)
拓人とブラックライオの「思想の対決」は結局決裂し、拓人は装着。そして第二ラウンドの武力対決へ。でも、銃器を使わないアクションということで、たっぷりと見せてくれます。
ダークゲランはブレちゃんたちドリルアングラーを襲う。で、機能停止してしまうドリルアングラー。それを見たレミーは「あとは任せて」と、一段と格好良い台詞を口にする。(ブレちゃんたちから主役の座を奪回してくれる。)
アドはダークゲランを倒す手段を方法を掴む。それはダークゲランの体内と体外からの同時攻撃であったが、それも確証のないものである。また、ウインドイーグルのコアブレーバー・コクピットはまだ侵蝕されていないということで、今度はアインとツバインの活躍の場に。(何だかんだでセイザー・チームの全員に見せ場がありますね。)コクピットにはパトラさんがいつの間にかゴルドと共に先にいた。で、ゴルド夫妻としての活躍もあり、コアブレーバーは無事に回収される。で、アドとケインが行こうとするが、ブレちゃんも加わる。が、「それは俺が」とシャーク隊長。そこに安藤家の3人(宗二郎、春子さん、由衣ちゃん)が姿を見せ、「未来を作っていく者たちに任せるんだ」と宗二郎。で、アド、ケイン、ブレちゃんに託す。
レミーも最終決戦では絶対に躊躇しないことを誓い、拓人も決意に満ちて「未来は俺たちが作るんだ!」ということで、いよいよ最終回へ。(楽しみです。)
テレビ東京系特撮ヒーロードラマ 超星艦隊セイザーX 音楽集(上)
- アーティスト: TVサントラ, 高木洋, 高橋洋樹, 山田ひろし, 矢野立美
- 出版社/メーカー: マーベラスエンターテイメント
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: CD
テレビ東京系特撮ヒーロードラマ 超星艦隊セイザーX 音楽集(下)
- アーティスト: TVサントラ
- 出版社/メーカー: マーベラスエンターテイメント
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: CD
HOWARD JONES『HUMAN'S LIB』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年にリリースされたものであり、彼の1st.アルバムである。シンセサイザーを多用した所謂「エレ・ポップ」路線の楽しい曲と、今風に言えばイケメンの甘いマスクとルックスで一躍人気を得ることになった。サウンドの方は一人で全てをこなすという器用なところを見せ、「音の魔術師」と言われた様に、全編を通してシンセサイザーを巧みに使ったポップ路線であり、楽しくなるものである。これが'80'sサウンドと言ってしまえばそれまでだが、このサウンドを一人で書き、一人で奏でて作り上げた所は、ライターとして、またプレイヤーとしても一流であることを証明している。まさに、珠玉の芸術品である。また、本人も本アルバム以上に素晴らしいアルバムは作ることが出来ない、と言うほど力の入った力作であり、'80'sの音楽シーンの行方に多大な影響を与えることにもなった傑作である。
収録されている曲は以下の全11曲である。『Conditioning』『What Is Love?』『Pearl In The Shell』『Hide And Seek』『Hunt The Self』『New Song』『Don't Always Look At The Rain』『Equality』『Natural』『Human's Lib』『China Dance』。この中からは『New Song』や『What Is Love?』がシングル・ヒットを記録している。お薦めは、シングル・ヒットを記録し、ミディアム・テンポで繰り広げられるメロディ・ラインが印象的な『What Is Love?』、冒頭でサックスが冴え渡り、軽快なテンポで繰り広げられる『Pearl In The Shell』、とにかく軽快なテンポで弾けるかのようなメロディ・ラインが印象的で、ノリの良いヒット・ソングの『New Song』、シンセのテクニックが冴える中、じっくりと聴かせてくれるアルバム・タイトル・ナンバーの『Human's Lib』といった辺りを挙げておく。
'80's後半になると、本アルバムに収録されているシンセサイザーによるエレ・ポップが氾濫したこともあり、飽きられてしまったサウンドでもあるが、'80's中盤から後半にかけてのサウンドをリードするものである。発表から20年以上が経過し、シンセサイザーの方も技術の進歩により更により魅惑的なサウンドを奏でるようになっているが、決して色褪せることのない魅惑のサウンドの詰まったアルバムである。'80'sサウンドを聴くならば、忘れてはならない一枚である。また、シンセサイザーを使った所謂「エレ・ポップ」を楽しむ方は一度は聴いて欲しいアルバムでもある。