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THE SANDPIPER(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1965年の映画「いそしぎ」である。マーティン・ランソホフの原作を映画化したメロ・ドラマである。また、本作は主題歌とカリフォルニアの風景の両方が美しく、印象に残る作品である。(主題歌の方は、スタンダード・ナンバーになっています。)

作品データを記しておくと、時間は116分、原作はマーティン・ランソホフ、製作はベン・カディッシュ、監督はヴィンセント・ミネリ、脚本はダルトン・トランボとマイケル・ウィルソンの2人、撮影はミルトン・クラスナー、音楽はジョニー・マンデルである。そして出演は、エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、エヴァ・マリー・セイント、チャールズ・ブロンソン、モーガン・メイソン、マルティーヌ・ベズウィック、たちである。尚、主題歌の『Shadow Of Your Smile』はアカデミー主題歌賞を獲得し、多くのアーティストたち、特にイージー・リスニングの楽団が取り上げたこともあって、あまりにも有名な曲となった。(タイトルは知らなくても、このメロディは誰でも耳にしたことがあるでしょう。)

物語は、エリザベス・テイラー演じる画家のローラと、リチャード・バートン演じる私立学校の校長エドワードの道ならぬ恋と苦悩を描いたものである。

カリフォルニアのある海岸にの一軒家に、無名の画家・ローラと9歳の息子・ダニーが自由奔放な生活をしていた。ある日、ダニーはミッション・スクールに入れられることになる。宗教家の校長・エドワードと彼の妻・クレアーは、世間知らずの母・ローラも教育をする必要があると感じる。そしてローラと接触するようになったエドワードは、ローラに対して魅力を感じるようになる...

メロ・ドラマとしたら、特にこれというものは無いが、美しい風景と音楽が素晴らしく、心を洗ってくれる。いそしぎが飛んでいる所などは、この部分だけで、映画の物語から独立して、環境ビデオにもなりそうである。

ということで、こういう作品はサントラ盤にも必然的に注目することになる。で、そのサントラ盤の収録曲は以下の全11曲である。『Shadow Of Your Smile』『Main Title』『Desire』『Seduction』『San Simeon』『Weekend Montage』『Baby Sandpiper』『Art Gallery』『End Title』『Bird Bath』『Weekend Montage [Unedited Version]』。

この中では、やはりアカデミー主題歌賞を受賞して、スタンダード・ナンバーとなっている『Shadow Of Your Smile』である。この曲は色んな所で耳にすることができるが、やはりオリジナルとなるサントラ盤はしっかりと抑えておきたい所である。その他の曲も、メロ・ドラマの音楽としてではもったいないぐらいの良いメロディに満ちあふれている。映画本編も捨てがたい所があるが、サントラ盤だけでも接しておきたいところである。

 

The Sandpiper: The Original Motion Picture Sound Track

The Sandpiper: The Original Motion Picture Sound Track

  • アーティスト: Johnny Mandel
  • 出版社/メーカー: Polygram
  • 発売日: 1996/04/23
  • メディア: CD

↓DVD化されていません。(ビデオです)

いそしぎ

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 1986/03/05
  • メディア: ビデオ


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「多羅尾伴内」(その4) [映画(邦画)]

 今回は、前作から5年のブランクがあって復活したシリーズ第5作から第7作についてです。今回取り上げる第5作からタイトルに「多羅尾伴内シリーズ」という文字が含まれることになった。また、今回の3作は全て「○○の魔王」というタイトルとなっているが、連続した物語ではなくて独立した物語である。(のは言うまでもない。)

シリーズ第5作多羅尾伴内シリーズ 片目の魔王」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の東映京都の作品で、時間は100分の白黒作品である。監督は佐々木康、脚本は比佐芳武、撮影は杉田正二、美術は角井平吉、音楽は吉村正志である。そして出演は、片岡千恵蔵、原健策、加賀邦男、千原しのぶ、花柳小菊、清水一郎、徳大寺伸、進藤英太郎、三浦光子、植木千恵、時田一男、山室耕、織井茂子、山口勇、コロンビア・ローズ、島田照夫、たちである。

密輸船の乗組員が殺されるという事件が発生した。更に、第二の殺人予告があり、2人目の犠牲者が出る。警察は捜査を開始し、容疑者を断定するが、既に得意の変装を駆使して調査を開始していた伴内は、警察の見解を否定する。やがて、調査を続けている内に、これらの事件は「片目の魔王」という大きなダイヤに関係がある事が判る。そして事件は、「片目の魔王」というダイヤを巡っての争奪戦へとなっていく...

今までの作品よりも時間が長くなったということもあって、(バレバレの)伴内の変装をはじめ、たっぷりと見せてくれる娯楽作品となっている。展開の方もなかなか面白い。

シリーズ第6作多羅尾伴内シリーズ 曲馬団の魔王」(1954年)
作品データを記しておくと、1954年の東映京都の作品で、時間は84分の白黒作品である。監督は佐々木康、脚本は比佐芳武、撮影は三木滋人、音楽は吉村正志である。そして出演は、片岡千恵蔵、轟夕起子、宇佐美諄、三宅邦子、西条鮎子、原健策、深見泰三、石黒達也、山口勇、加賀邦男、たちである。

あるサーカスで連続殺人事件が起こる。その前に子供の血液型が違うことを理由離婚された女性について調査をしていた多羅尾伴内は、変装してサーカスに潜り込んで調査を開始する。やがて、子供のすり替えにより、富豪の財産を巡る争いがあることが判り...

お馴染みの変装の方はツッコミ所満載であるものの、殺人事件の裏に隠された陰謀が明るみになっていく所はなかなかスリリングなところがある。展開はちょっとゆっくりしているが、娯楽作品としたら十分楽しむことが出来る。

シリーズ第7作多羅尾伴内シリーズ 隼の魔王」(1955年)
作品データを記しておくと、1955年の東映京都の作品で、時間は80分の白黒作品である。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は川崎新太郎、美術は森幹男、音楽は深井史郎である。そして出演は、片岡千恵蔵、波島進、加東大介、喜多川千鶴、田代百合子、天野脩次郎、清水将夫、日高澄子、立松晃、三島雅夫、山本麟一、たちである。

野球・日本シリーズの試合中にホームランを打ったレッドソックスの強打者・高塚が突如原因不明の死を遂げた。多羅尾伴内は事件の究明に乗出し、何者かが背後から猛毒の針をうちこんで殺したことが分かる。更に、次の試合の後、試合を勝利に導いた青池も高塚と同じ毒針で殺された。そして、事件の背後に野球賭博が絡んでいることを突き止めた伴内は...

お約束の変装もさることながら、事件の手口がちょっとユニークであり、またスリリングなところがある。(この手口、「銭形海・3rd.2話」で松山さんが口にした珍推理に似ている所があって、ちょっと面白い。→こういう所まで「ケータイ刑事」は参考にしているとしたら、凄いことになります。)また、本作では、伴内に対抗するようなライバルの女探偵が登場するなど、娯楽作品として楽しめる所が増えているのもまた嬉しい所である。

今回の3本は、制作から50年ちょっとという作品であり、社会インフラが現在と大きく違っているのは仕方がないところである。が、昭和20年代前半のシリーズ第4作までと5年の間に、戦後日本の復興のスピードが如何に速かった、というようなことも感じさせていて、前4作とも少し違う世界になっているということも感じさせてくれる。(多羅尾伴内の活躍は同じですけど...)

ところで、今回の3本はソフトの方でも殆ど目にする機会が無い。色んな事情があることは分かるが、何とかソフト化(DVD化)してもらいたいのですけど...

 

 

片目の魔王

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/09/21
  • メディア: ビデオ

多羅尾伴内 隼の魔王

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/09/21
  • メディア: ビデオ

↓参考まで

多羅尾伴内 [少年向け:コミックセット]

  • 作者: 石森章太郎・小池一夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 新書

多羅尾伴内―七つの顔の男

多羅尾伴内―七つの顔の男

  • 作者: 関 貞三
  • 出版社/メーカー: ワイズ出版
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本


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T-REX『ELECTRIC WARRIOR』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1971年に発表したT-REX名義では2枚目の(通算では6枚目となる)アルバムである。邦題は「電気の武者」である。また、彼らのアルバムとしたら初めて全英No.1となったアルバムでもある。また、彼らの代表曲でもある『Bang A Gong (Get It On)』が収録されているアルバムでもある。ということで、'60's終盤から'70'sのブリティッシュ・グラム・ロックを語る上では書かすことの出来ないアルバムである。尚、アメリカでは、Billboardのアルバム・チャートで最高位32位を記録、1972年の年間アルバム・チャートでは75位にランクインしている。

収録曲は、オリジナル盤では全11曲である。それらの曲は以下の通りである。『Mambo Sun』『Cosmic Dancer』『Jeepster』『Monolith』『Lean Woman Blues』『Bang A Gong (Get It On)』『Planet Queen』『Girl』『Motivator』『Life's A Gas』『Rip Off』。

また、2003年にリマスタリングされて再リリースされたが、その時には以下の6曲がボーナス・トラックとして追加収録されていて、最後にはインタヴューが収録されている。(よって、ボーナス・トラックは7つということになる。→これは実に貴重なものであって、このためだけに買い直しても、十分に価値のあるものである。)『There Was A Time』『Raw Ramp』『Planet Queen [Acoustic Version]』『Hot Love』『Woodland Rock』『King Of The Mountain Cometh』、「T. Rex Electric Warrior Interview」。

本アルバムからシングル・カットされたのは2曲である。イギリスでは共に大ヒットを記録している。まずは彼らの代表曲でもある『Bang A Gong (Get It On)』であり、全英No.1になっているのは当然である。また、アメリカでも最高位10位、1972年のBillboard年間シングル・チャートでは57位にランクインしている。そして『Jeepster』であるが、イギリスでは最高位2位を記録している。

本アルバムは4人組になってから初めてのアルバムと言うことになる。「T-REX」に名前を変えて(縮めて)からはマーク・ボランの色彩がドンドン強くなっていくことになるのだが、本アルバムではまだ全てを支配している、という所まではいっていない。とは言っても、やはり、マーク・ボランの存在を抜きにして「T-REX」は語れないのは言うまでもないですが...

本アルバムからのお薦め曲は、10人いたら10人全員が真っ先に『Bang A Gong (Get It On)』だと言うのは疑う所がないであろう。それだけのインパクトの強いこの曲は、グラム・ロックの代表曲と言っても良い曲である。(この曲を聴かなければ、T-REXを聴いたと言うことは出来ませんし...)筆者も当然のことながらこの曲を真っ先にピックアップする。それ以外では、やはり(イギリスで)シングル・ヒットを記録している『Jeepster』も外すことは出来ない。で、ボラン・ブギが冴え渡っているあの曲とこの曲を、と記していったら、間違いなく全部の曲をお薦め曲として記してしまいそうなので、あえてこの2曲で止めておくことにする。

本アルバムは、'70'sのロック史に残る名盤であり、あまりにも有名な曲が収録されているので、誰もが(一部は)耳にした事があるアルバムであろう。が、そういうアルバムに限って、全曲をじっくりと聴いたことがない、という人が多い。じっくりと聴いてみてください。それだけ価値のあるアルバムである。(マーク・ボランと言えばビジュアルのことも忘れることは出来ませんが、やはりアルバムの方はじっくりと聴きましょう。)

 

Electric Warrior

Electric Warrior

  • アーティスト: Marc Bolan / T. Rex
  • 出版社/メーカー: Universal/A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

Electric Warrior

Electric Warrior

  • アーティスト: T. Rex
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 2003/02/25
  • メディア: CD


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