篤姫#21 [ドラマ]
大奥編となって、一段とコミカル色が強くなった物語。今回はいつもより1時間早く17時スタートのBS-hiでの放送だったが、こういう内容になったら、時間を早めて放送して、この路線を突き進んだ方が面白いかも...
今回は本寿院たちまでもが井戸端会議をする何処にでもいそうなおばちゃんに成り下がってしまい、本当にこれって「大河ドラマ」なんでしょうか???どこまでもコミカル路線で突っ走ってくれます。前回の終わりの「謎は解けたよ、ワトソンくん」から、今回は証拠を掴もうとして孤軍奮闘する愛ちゃん、もとい篤姫。が、ここは家定の方が一枚も二枚も上手でした。が、少なくとも家定は篤姫のことを意識し始めているのは確かでしたね。
家定がうつけのふりをしていると感じ取った篤姫は、本人に問い糾すことを思うが、おわたりが無く、その機会がない。そんな中、本寿院が幾島を呼び、手を打とうとする。滝山と歌橋を加えた4人が、家定の気を引こうと相談し、髪型だと言ってその髪型を想像する所は、完全にコントになっている。完全に井戸端会議という雰囲気で、「大奥」という雰囲気が全くないですし...(流石にアフロヘアーとか、坊主頭、金髪などは出てこなかったが、一つぐらいこれらが出て欲しかったところでもありました。)
で、簪をたくさん用意して、それを付けさせたが、数を付ければいいと言うものではない。やっぱり近所のセンスのないおばちゃんたちの感覚でした。(「少々付けすぎでは」と言った滝山が多少まともという所でした。)→何か、花魁の出来損ないみたいになっちゃった篤姫でしたね。これならアフロヘアーでも良かったかも...(この時代の日本にはあり得ないですが...)とは言え、自ら(「夜のこと」と)願い出るというような現代っ子・篤姫だったら、違和感ないかも...
で、その願いが叶って、おわたりがあった。篤姫は早速、何故うつけのふりをしているかと尋ねる。矢継ぎ早に家定を問い詰めていく愛ちゃん。流石です。「ねずみの前にアヒル」という核兵器まで投入するが、家定がやはり一枚上で、「疲れた。寝る」と言う究極の必殺技の前には「愛の光で…」とは行きませんでした。更に、その後のおわたりでも、「疲れた。寝る」の前に撃沈した愛ちゃん、もとい篤姫。絶対的な最終兵器を持っているというのは、流石は将軍様と言った所ですね。ただ、「ねずみ」の人形を用意していたというように、篤姫に構いたいという部分も出ていましたね。
すぐさま、子供を持つつもりはない、と言った発言を幾島に話し、直ぐに薩摩の秘密ルートで斉彬の元に伝えられる。(こういうことをやるのなら、ここにジローさんを絡ませてくれたら良かったのに...)
もう一つの見所となった篤姫が側室・お志賀を呼んで話をする所。これまでは恋愛に関しては全くの素人であった篤姫に対して、年の功というか、マイペースで自分の思いに忠実なお志賀。ここでも撃沈した篤姫様でした。
次回のBS-hiはいつもの18時からの放送に戻ります。大奥のコミカル・ストーリーは、大奥の方はコミカル路線で進んで行くが、波涛が広がるように周囲の方で色々と動いていく物語となるが、本丸がコミカルに突き進むだけに、どういうネタが仕込まれているのか、楽しみです。
NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
- 作者: 宮尾 登美子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/12/20
- メディア: ムック
「YONGGARY」 [映画(洋画)]
表題の作品は2000年の韓国とアメリカの合作映画「怪獣大決戦ヤンガリー」である。韓国では誰もが知っているような古典的怪獣・ヤンガリーを、ハリウッド映画界の力を借りて世界的な作品にした韓国の意欲作であり、韓国映画としたら波角の予算を投入した作品である。クオリティはともかく、CGを派手に使っていて、それなりの娯楽作品に仕上がっている。
作品データを記しておくと、時間は98分、製作と監督はシム・ヒョンレ、脚本はマーティ・プール、撮影はキム・アンホン、音楽はクリス・デズモンドである。そして出演は、ダン・キャッシュマン、ハリソン・ヤング、ドナ・フィリップソン、ワイリー・ピケット、リチャード・B・リヴィングストン、ブライアント・ウェルズ、たちである。
考古学者のキャンベル教授と、世界的に有名な古生物学者ヒューズ博士が率いる発掘隊が、2億年にわたって眠り続けている大怪獣ヤンガリーの化石を発見した。が、キャンベル教授は名声を独り占めにしようと企んだ。で、ヒューズ博士が行方不明になってしまう。また、化石の発掘現場では作業員の不審な死亡事故が連続して起こる。しかし、ここは名声が欲しいキャンベル教授は事故のことを気にせず、発掘作業を続けた。それから2年後、行方不明になっていたヒューズ博士が現れ、ヤンガリーの危険性を世に問うが、ヤンガリーが復活してしまう。軍のパーカー大尉は地球の命運を賭けて、怪獣ヤンガリーと対決することになる...
怪獣映画ということではそれなりの見せ場が用意されているが、「ゴジラ」と比べるとやはり練りが足りない部分を感じる。が、怪獣が登場するTV作品と比べると、資金をつぎ込んだこともあって、しっかりと見せてくれる。また、構想5年という時間をかけたシム・ヒョンレ監督の執念も感じることが出来る。CGの方は頭を抱えてしまう所もあるが、製作者の熱意はしっかりと伝わってくる。怪獣映画ファンであれば見ておきたい作品である。
ゴルゴ13#7 [アニメ]
今回の依頼者は、あまりにも個人的なエゴからゴルゴに狙撃を依頼するというものであったが、ゴルゴもプロのスナイパーらしく、内容に関しては何も言わずに依頼内容をきっちりとこなしていました。が、依頼者にとったら実にシニカルな結末ということで、この辺りが個人的なエゴによる依頼に対する天の声ということなんでしょうね。
世界的なバイオリニストのトーマス・シンプソン。ロンドンのある公演のステージでの演奏中、突然、彼のバイオリンのG線が切れてしまうというアクシデントに見舞われ、これまでの名声を一挙に失ってしまった。また、それ以来彼は、例えバイオリン教室の子供たちの前でもそうだが、人前でバイオリンを弾こうとすると手が震えだし。弾くことが全く出来なくなってしまった。そんな中、予定されていた次のチャリティー・コンサートへの出演もキャンセルされてしまい、その代役は彼のライバルであるロシアのバイオリニスト・ケルンスキーと知る。シンプソンはケルンスキーにも同じ目に遭わせて、それによって誰でも同じだと世間に知らしめて自分の名誉回復を狙う。で、ゴルゴにケルンスキーの演奏中にG線だけを切り、だれにも怪我をさせないようにという狙撃依頼をした。「相手は50m先のワイヤー」という仕事を引き受けたゴルゴ。いつものように、ライフルのカスタマイズから初めて用意を調える。チャリティー・コンサート当日。シンプソンは客席からケルンスキーが嘲笑われるのを今か今かと待っていた。で、ケルンスキーの独演となるアンコールが始まった。ゴルゴがトリガーを引き、ケルンスキーのバイオリンのG線が切れた。演奏が止まり、客席はざわめき、シンプソンは笑いが止まらなかった。ゴルゴは伊禮を追えて会場から去っていく。が、ケルンスキーは隣のD線を緩め、そのD線を使って演奏を始めた。これに客席は大喝采、シンプソンの思惑通りにはならなかった...
プロとして依頼された仕事は拒まないゴルゴ13。このような個人的な怨念の依頼であれば、仕事人(「必殺シリーズ」)だったら受けなかったり、受けたとしても実は依頼人が悪の黒幕であって天誅を下す、ということになるのだが、仕事を引き受け、依頼された通りにこなすのはゴルゴらしいところですね。特に、依頼内容を忠実にこなすが、それによって起こる二次的なこと(今回はケルンスキーやシンプソンの名声ということになる)には一切関知しないというのも「プロ」であるし...結末が依頼者であるシンプソンにとっては皮肉なことになったというのは、天の声であって、神様が見ていたということでよろしいかと...
↓この物語はこれに収録されています。
↓ゴルゴ13関係をいくつか
さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selection
- 作者: さいとう たかを
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/11/13
- メディア: 単行本
↓こういうものを...
目からウロコのポイントチェック Let’s ヴァイオリンレッ
- 作者: 深山 尚久
- 出版社/メーカー: レッスンの友社
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
東京少女・水沢エレナ#4「好きといえない」 [ドラマ]
今回の物語は、自分の気持ちを素直に言えないことから、周囲に誤解されるという少女の物語。本当に何処にでもありそうな設定であるだけに、これに似たような体験は誰でもあるように思える物語でした。また、それだけにとても身近に感じられた物語でした。ただ、「東京少女」という作品は、切なさや青春のほろ苦い経験を描いている作品である。後々、成長した自分が昔を振り返った時、「青春のほろ苦い1ページの物語」だったと解釈出来るので「東京少女」と言うことも出来るが、主人公の成長と小さいながらも幸せを感じるような持って行き方は、「恋日」の持っている雰囲気のある物語だったということも出来る。(「恋日」としたら、もう少しラブ・ストーリーの色合いが強くなるはずですが...)
今回のエレナ、苗字の方は「野本」でした。尚、「浅野」「小林」「野本」と来て、次回は「大崎」が苗字です。→特に何かの繋がりがあるようでも無いですね...
今回の物語に登場した近藤先輩、本当にとてもいい人ですね。野本エレナには本当にもったいなく思います。
エレナのお母さんを演じていたのが伊藤さやかだったが、ちょっと懐かしい名前でした。確かに面影的な雰囲気は残っていましたね。(と言っても、ある程度の世代にならないと分からないでしょうが...)
音楽の方は、挿入歌『翼』は流れず(今回の物語の雰囲気の曲では無いですし...)、主題歌の『蕾』だけだったが、この曲がエンディングのテロップのところで流れるのだが、歌詞と物語の内容とが上手くマッチしていて、とても良い雰囲気のエンディングでした。アコースティック・ギターの音色って、何処か切なく、それでいて心の内側を描くのにピッタリなんですよね。
朝、目覚まし時計のベルが鳴り響いている。ベルを止めても起き出さないエレナ。お母さんの声がして起き出すが、頭はボサボサのエレナ。お母さんは弁当のおかずだけ詰めたが、もう出掛ける時間と言うことで、半分寝ぼけているエレナに色々と話すと、飛ぶように出掛けていった。
野本エレナは母と二人暮らし。父はエレナが3歳の時に交通事故で亡くなっていた。エレナは、この朝の騒がしさが好きだった。それは誰かが側にいる、と感じられるからで、一人きりだと家は静かすぎる。また、父がいないことを寂しいとは思わなかった。悲しいと思う想い出がなかったためだった。→かなり冷めていますね。
エレナの弁当にはいつも玉子焼きが入っていた。エレナは「手抜きだから」と思っていた。友達から「変更して」と言ったらと言われても「別にいいや」と言って、毎日友達とおかず交換をしていた。
エレナは高校入学して直ぐに、近藤先輩に声をかけられてつきあっていた。(近藤はイケメンで、女生徒からは人気があった。エレナの友達は「始業式に一目惚れされて告白された」と思って、羨ましがられている。)が、エレナは彼のことをよく知らないと言い、自分の気持ちにも整理がつかず、自分の気持ちを上手く伝えることが出来ないでいた。(エレナは近藤先輩のことを友達と思っていた。)
一緒に帰るエレナと近藤先輩。先輩が色々と語りかけるが、エレナはそれに答えを返すだけだった。そんな中、近藤はエレナを映画に誘い、「都合の良い日教えて」と言われた。
翌朝、近藤に映画のことを尋ねられるが、エレナはぼんやりしていて、何も答えられなかった。その日エレナは学校を休んだ。
夜、お母さんが心配そうにエレナの様子を見に来る。おでこに手を当てて、熱はなさそうということで、「食欲は?」と尋ねる。これに首を横に振るエレナ。「エレナの好きなリンゴとアイスを買ってきたんだけど」とお母さん。お腹が痛いのならアイスは止めた方が良いと言うが、お母さんのスカートを捕まえて「両方食べる」とエレナ。(この物語の中で、唯一の笑える所でした。)
エレナは自分の気持ちを近藤に伝えることが出来ず、映画のことに答えないように、近藤を避けるようになっていく。そんな中、体育の授業の後、近藤がエレナに「話がある」と言う。近藤はエレナが自分のことを避けていると感じ、「何か怒らせた?」と問う。エレナは言葉を返すが、気持ちを上手く伝えられない。近藤は「俺たち、つきあってんだよね。俺、そう思っていた」と言われて驚くエレナ。近藤は「エレナちゃん、そうじゃないみたいだから」とエレナの様子に気づいていた。が、エレナは上手く説明できなかった。近藤は「他に男出来たの?」と言うと立ち去ってしまった。エレナは驚くだけだった。(ここでAパート終了。経過時間は12分半弱でした。よってBパートは13分強となります。)
「エレナが近藤先輩をふった」という噂はあっという間に広がり、エレナは高飛車な女と思われ、友達からもされられるようになってしまう。エレナは、近藤先輩とは友達と思っていたが、そうじゃなかったと分かり、それに気づかなかった自分が、ちゃんと言えなかった自分が悪いと思っていた。
そんな中、エレナの母が倒れたという知らせが入り、病院に駆けつけるエレナ。で、お母さんは暫く検査入院することになった。エレナは一人となり、自分で弁当を作っていた(お母さんのように上手に玉子焼きが出来なかった。)が、学校では仲間はずれにされていた。
そんな中、担任の遠藤先生に、母が入院したということで呼ばれた。で、母のことを色々と放したエレナ。母の病室にやってきたエレナは、「家事とか慣れてるし、ママがいなくても全然平気だから」と強がりを言うが「早く帰ってきてね。ママがいないと家が静か過ぎちゃう」と気持ちの一部を漏らす。母はああだこうだと色々と言う。これにエレナは「止めて、もう帰ってこないような言い方して。そんなこと言わないでよ」と口にする。更には弁当の話を始めて「ママみたいに上手く玉子焼き焼けないよ」と正直に言ったり、「お弁当の玉子焼き、どうしてずっと入ってるの?」と理由を尋ねた。母は「いつかエレナが美味しかったと言ってくれたからよ」と答え、疲れが吹き飛んだと言う。エレナは「もうそろそろ飽きたから、別のおかずがいいな」と、思っていたことを口にした。母も「いくら何でも毎日じゃあ、手抜きよね」と分かっていた。(→やっぱりお母さんですね。娘のことはちゃんと分かっています。)またエレナも、毎日の玉子焼きの理由が分かり、嬉しく思った。
病院からエレナが出てきた。すると近藤が待っていた。エレナと先生が話しているのを聴いたと言い、気になってやってきたのだった。で、いきなり深々と頭を下げて、先日のことを謝る近藤先輩。が、エレナは何も言葉を返せないでいた。で、それを伝えると「じゃあ」と言って帰って行く近藤。
そんな近藤に「あの、私」とエレナ。立ち止まって振り返る近藤。「先輩はとてもいい人だと思います」とエレナ。それから自分の気持ちを、また上手く言えないことを話すエレナ。が、近藤はエレナのことを「真面目」「バカ正直」と言って、ちゃんと分かっていた。エレナは自分がはっきりしないから迷惑掛けたと謝る。これに近藤は「困ったことがあったら、いつでも言って」「友達として」と返した。
翌日、登校してきたエレナに友達が声を掛け、先日のことを謝る。が、エレナは「いいって、友達でしょう」と笑顔で返していた。
エンディング。『蕾』が流れる中、エレナが語る。「私は自分の気持ちを上手く話せない。だから誤解される。自分の心が自分でもよく分からない時、誤解される。例え自分の心が分かったとしても、それを表せなくて誤解される。だけど、ほんの少しの自分の勇気を出せば、よくなるように思う。それはもしかして、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるようになるようなものかもしれない。でもそればかりじゃダメだ。心を言葉にするには時間がかかるのだ。だから分かったことから伝えよう。そう思う」。この言葉が全てを語っていました。→『蕾』のメロディアスなメロディと歌詞との相乗効果で、ウルウルと来ます。同じような物語(「勇気」だということを伝えている物語)はいくつも目にしているが、とても良い雰囲気で閉まったエンディングとなっていました。
次回は「東京少女・水沢エレナ」の最終回となる、「マイ・フェア・エレナ」という物語です。これまでの物語とは大きく違って、ぶっ飛んだ設定の物語のようですね。踊り子という設定ということで、タンゴが出るのかと思いますが、じゃじゃ馬娘であり、東京の名家から遣いが来る、という、少し変わった物語です。タイトルから分かるように、映画「マイ・フェア・レディ」の展開を下敷きにしているということが分かるが、次回予告でも映画「マイ・フェア・レディ」を匂わせる所がありました。これまでとはまた随分違った物語となりそうで、楽しみです。
「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせの映像は、「君の歌(前後編)」の時と同じ高速と東京タワーを中心とした夕景でした。考えてみたら、この物語の舞台は「東京」でなくても成り立つものであり、劇中にも「東京」と感じさせる所はなかったので、基本の「高速+東京タワー」ということなんでしょうね。
派手な所がなく、何処にでもありそうな小さな物語であるが、一歩踏み出す「勇気」をという成長した所があり、見終わった後に小さな幸せを感じることの出来る物語でした。また、『蕾』という曲との相乗効果が出て、(分かっているが)ちょっと目頭が熱くなる物語でした。ということで、雰囲気としたら「東京少女」ではなくて「恋する日曜日」の1本と言っても良いような物語でした。
↓原作本はこちら
↓「恋日」をいくつか
↓水沢エレナ出演のPVを収録したDVD付きのアルバム(「蕾」「翼」は入っていませんが)
- アーティスト: Bahashishi,ユラリ,朝本浩文
- 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: CD
ケータイ刑事銭形海8話[裏ネタ編] [ケータイ刑事]
今回から4回に渡って「夏舞台」の「BS初! ついに舞台だ! ~超豪華!演劇者殺人事件」と言うことになるが、こうなると「裏ネタ編」で何を述べるのかは非常に難しくなる。今回は「事件編」ということで、事件が起こるという内容であり、ネタの方もたっぷりと散りばめられている。後のことも考えて、今回は事件の被害者となる演劇者たち(野口秀樹、四谷幸喜、しじみ慶太、鯨井唐十郎)の元ネタとなる「野田秀樹」「三谷幸喜」「浅利慶太」「唐十郎」について述べることにする。(一部は今回の8話では「?」となるものもありますが...)
尚、BS-iの本放送の時に記した長文&ネタバレあり版は「ここをクリック」してご覧下さい。(放送直後に記した感想版もここを経由してください。)
「野田秀樹」:1955年生まれ。1976年に劇団・夢の遊民社(劇中に出てきた「夢のムーミン社」というのは、言うまでもなくこのパロディである。)を旗揚げし、重層的なストーリーと巧みな言葉遊びを取り入れた台詞回し、ダイナミックな舞台が評判となって人気を得た劇団である。1992年に解散している。主な作品に「半神」「贋作・桜の森の満開の下」「三代目、りちゃあど」「ゼンダ城の虜 苔むす僕らが嬰児の夜」などがある。
1993年、演劇企画制作会社・野田地図(NODA MAP)を設立し、劇団の枠に捕らわれない俳優を集め、上演するプロデュース公演の先駆けとなり、小スペース、少人数による公演に積極的に取り組んでいる。
「三谷幸喜」:1961年生まれ。1983年に「東京サンシャインボーイズ」(劇中に名前が出てきた「池袋サンシャインボーズ」というのは、言うまでもなくこのパロディである。)を旗揚げした。彼の感性による独特の演出で人気を得るが、1994年に「東京サンシャインボーイズの罠」を最後に30年間の充電期間に突入した。(「解散」ではなく、「充電期間」である。2024年に復活公演が予定されている。)
劇団の活動だけでなく、放送作家としても活動をしていて、TVのバラエティ番組の構成や、「古畑任三郎」の脚本を執筆している。
1997年には「ラヂオの時間」で映画監督としてもデビューし、その後も映画監督として、更に脚本家として活動している。
「浅利慶太」:1933年生まれ。1953年、劇団四季の創設者の一人として劇団四季を旗揚げ。1967年には劇団四季がプロ化した。1979年の「コーラスライン」がきっかけとなり、ミュージカル作品忠信の劇団となり、専用劇場を持ってロングラン公演という、現在のスタイルが確立。
「コーラスライン」「CATS」「オペラ座の怪人」などのビッグ・ヒットは余りにも有名である。
演出家としても活動しているが、それよりも劇団四季の運営・管理のマネージメントの方でも能力を発揮し、学生の同人劇団という感じだった劇団四季を日本を代表するビッグな劇団に育て上げた手腕は高く評価されている。
「唐十郎」:1940年生まれ。1963年に劇団・シチュエーションの会の旗揚げに参加する。(翌年、状況劇場に名称変更。)作家、演出家、俳優として活動し、1969年の新宿西口事件(東京都の中止命令を無視して新宿西口公園でゲリラ的に紅テントを建て、機動隊に囲まれながらも「腰巻お仙・振袖火事の巻」を最後まで上演する。終了後、都市公園法違反容疑で現行犯逮捕される。)1988年の解散まで、アングラ演劇の旗手の一人として活躍。1988年に状況劇場を解散し、劇団唐組を旗揚げする。
主な作品としては「少女仮面」「吸血姫」「蛇姫様」などがある。
また、1983年には「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞している。また、大鶴義丹は息子であり、俳優として、そして小説家として活動しているところは、やはり父親譲りといったところである。
↓「夏舞台」はこちら
ケータイ刑事 銭形海 夏舞台完全版 BS初!ついに舞台だ!~超豪華!演劇者殺人事件
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
↓こちらの予約も始まりました。
↓それぞれ、いくつか。
劇団四季ミュージカルBOOK『ウィキッド』のすべて (日経BPムック 日経エンタテインメント!別冊)
- 作者: 日経エンタテインメント!
- 出版社/メーカー: 日経BP出版センター
- 発売日: 2007/07/26
- メディア: ムック