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POCO『POCO』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1970年に発表されたかれらの2nd.アルバムである。カントリー・バンドである彼らが本当の意味でスタートしたアルバムといって良いものであり、本アルバムから彼らの持ち味が活かされるようになったアルバムである。が、彼らの全盛期は'70's終盤であって、それまでは地道な道を歩んでいくことになる。とは言っても、単にカントリー・ロックというものではなく、ソウルやラテンのテイストとクロスオーバーしたものであり、当時としては新しいサウンドである。

収録曲は以下の全7曲である。『Hurry Up』『You Better Think Twice』『Honky Tonk Downstairs』『Keep On Believin'』『Anyway Bye Bye』『Don't Let It Pass By』『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』。

本アルバムからシングル・カットされたのは『You Better Think Twice』であり、Billboardのシングル・チャートでは最高位72位を記録している。(一応、チャートに記録のある彼らの最初のシングルと言うことになる。)

収録曲が少ないと感じるかも知れないが、『Anyway Bye Bye』が約7分、『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』は約18分半というメドレーとなっているためで、それ以外の曲は時間的には普通である。(この2曲で半分以上の時間を占めている。)

この中からのお薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『You Better Think Twice』、7分という大作の『Anyway Bye Bye』、そして『Hurry Up』『Don't Let It Pass By』をピックアップしておく。尚、18分半という時間のメドレーでもある『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』も悪くはないのだが、余りにも時間が長すぎるということでお薦め曲からは外しておくが、一度は聴いておきたい曲であるのは言うまでもない。

日本では今一つ人気の無い「カントリー」であるが、アメリカではカントリーは身近なものである。しかも彼らのサウンドは、明るく、ソウルフルで、親しみやすいものである。また、元々はBUFFALO SPRINGFIELDのメンバーでもあった連中によって結成されたバンドが彼らであり、'70'sのカントリー・ロックを支えていくことになるEAGLES、LOGGINS & MESSINAなどが派生していくことになるだけに、チャートの記録以上の大きなものを生み出していくことになる彼らである。それだけに、'70'sのアメリカン・ロックを聴くのであれば、しっかりと聴いておきたいバンドであり、本アルバムは真っ先に聴いておきたいアルバムである。

 

Poco

Poco

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: CD


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古代少女ドグちゃん#5 [ドラマ]

今回登場した妖怪は「カニ光線」であったが、今まで以上に良く練られたアイデアの物語となっていましたね。「かにこうせん」と言うと、やはり、小林多喜二の小説「蟹工船」であるが、この小説の特徴を物語に採り入れている。舞台は流石に船とはなっていないものの、蟹工船らしく、カニ缶工場となっていて、しかも労働者たちはまるで奴隷のように扱われて働かされている。しかも、そのカニ缶会社の名前が「博光丸」というのは小説「蟹工船」の舞台となる船の名前である。

更に、プロレタリア文学の代表作とされる「蟹工船」は共産主義と結びつくが、ドグちゃんがそれに対抗するものとしてマルクス資本主義を技として使い、しかも、漫画で易しく解説したマルクス資本主義まで出すのだから、ブラック度も非情に高く、社会風刺もここまでやるのか、というハイレベルになっている。ただ、1万年眠っていた縄文時代の人間であるドグちゃんが、どうしてマルクス資本主義のことを知っているのか?という疑問はありますが...

また、原案の井口昇監督に特殊メイクをして、妖怪・カニ光線として出演させるというのも、遊び心に満ちているところです。(井口監督のことだから、こういう形の出演は喜んでやっているのでしょうね...)

一応、2008年にちょっとした「蟹工船」のブームがあったので、今回の物語の元ネタはある程度は分かるでしょうが、「蟹工船って何?」という方は、今からでも小林多喜二の小説「蟹工船」を読むべきですね。そうすると、この物語が更に楽しめます。

誠が家に帰ってくると、変な匂いを感じた。ドグちゃんも同様だった。家に入ると、父が帰ってきていた。しかね、従兄弟の磯部洋介、更に洋介の彼女という女・由紀もいた。洋介は就職し、その会社の女性であった。そんな中、洋介が、口から泡を吹いて倒れてしまった。これに由紀が素早く反応して、洋介を病院に連れて行く、と言って、車で出ていった。しかし、ドグちゃんは「本当に病院に連れて行くのかなぁ?」と感じ、後をつけた。

やってきたのは、カニ缶会社の博光丸という所で、女王様の姿になった由紀が、社員を虫けらのように扱って支配して働かせていた。ドグちゃんと誠は、人々が監禁されていることを知り、その中には洋介もいた。「逃げよう」と言う誠だったが、誰も逃げようとはしない。→誠の資本主義思想と、人々の社会主義思想の違いが色々と反映されているが、「夢」「卒業したら大人」というように、現実社会の問題点を上手く取り入れていますね。

労働者たちの作業が続く中、由紀が作業中止を命じ、工場長・浅川昇(小説「蟹工船」でも監督者の名前は「浅川」であり、「昇」は井口昇監督の名前ですね。)が現れた。が、それは妖怪・カニ光線だった。(資本主義の権化のような妖怪ということだった。)

労働者たちの中で、工場長に反対するものは消され、ドグちゃんたちを見つけて密告した者も消されてしまう。そんな中、ドグちゃんは妖怪・カニ光線の怪光線を受けてしまい、退散する。

一端、家に戻ったドグちゃんたち。ドグちゃんは完全に洗脳されることはなく、ドキゴローも妖怪・カニ光線の退治方法が分かり、改めて乗り込んでいく。

工場では、工場長と由紀がデキていた。そんな所にドグちゃんたちが侵入したことがばれてしまい、ドグちゃんは由紀に捕まり、ドキゴローも吹っ飛ばされた。で、労働者たちに作業再開を命じる工場長。が、ベルトコンベアーが動き出し、ドグちゃんの側まで(自然に)移動したドキゴローが「今だ!」と言ってドグちゃんと合体、形勢は逆転した。

妖怪・カニ光線はドグちゃんのビキニ姿を見て、「俺の女になるか」と口にしていた。(当然、由紀は気が気でない。)そんな中、誠がマルクスの「資本論」をドグちゃんにパスと、スキャニングしたドグちゃんは「マルクス・ビーム」を放った。これに一部の労働者たちや由紀の洗脳が解け、反旗を翻した。しかし、マルクス・ビームが全く利かない者もいた。直ぐに誠は、漫画版の「資本論」をドグちゃんにパスし、スキャニングをしたドグちゃんが「やさしいマルクス・ビーム」を放つ。で、全ての労働者たちの洗脳が解けた。で、由紀が「やっちまいな」と言い、労働者たちは妖怪・カニ光線に攻撃を始めた。そしてドグちゃんが妖怪・カニ光線に「ドキドキ・ウェーブ!」、そしてドグちゃんの胸の中に封印された。

家に戻った誠とドグちゃん。誠は将来、就職することを色々と悩むが、ドグちゃんが「足値考えればいいじゃん」と、最後は最後でシリアスでした。

今回の物語は、小説「蟹工船」をベースにして、夢と現実、資本主義と社会主義、就職、将来への不安などの問題を上手く対比させて描いていました。今までの物語でも「風刺」は行われていたが、今回は「風刺」だけではなく、パロディとしても使い、実に奥の深い物語になっていました。

「ジャンクドラマ」と言っている本作であるが、正に「怪作」という言葉が相応しい作品になりましたね。今後が益々楽しみです。

 

↓やっぱりこれを知らないと...
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

  • 作者: 小林 多喜二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1954/06
  • メディア: 文庫
蟹工船 (まんがで読破)

蟹工船 (まんがで読破)

  • 作者: 小林 多喜二
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫
マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための

マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための

  • 作者: 小林 多喜二
  • 出版社/メーカー: 東銀座出版社
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本
蟹工船 (Bunch Comics Extra)

蟹工船 (Bunch Comics Extra)

  • 作者: 小林 多喜二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: コミック
資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)

資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)

  • 作者: マルクス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/01
  • メディア: 文庫
続・資本論 (まんがで読破)

続・資本論 (まんがで読破)

  • 作者: マルクス
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2009/04/28
  • メディア: 文庫

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野球狂の詩#16「ウォッス10番」 [アニメ]

今回の物語は、メッツの代打の切り札・富樫とピッチャーの日下部の物語である。の2人はメッツの中ではどちらかというと脇役であるが、こういう2人に焦点を当てた物語があるというのが粋なところである。で、この2人の高校時代のエピソードというのが今回です。(次回はプロ入りした富樫と大学に進学した日下部となり、更に日下部がプロにという展開となり、再びチームメイトになる。)

中学で注目される投手だった富樫と日下部だったが、なんと同じ高校に入学した。これによってエースは日下部となり、富樫は全く出番のない投手となってしまった。→現在の高校野球であれば、いくら凄い投手がいても、ピッチャーを1人にすることはないが、この物語('70年代)では、高校野球ではエース・ピッチャーが1人いれば2番手は殆ど出番がない時代でした。(時代が完全に変わったということですね。)

全く出番がない富樫は、打者への転向を勧められるが、あくまでもピッチャーに拘っていた。また、父が病気で、家業の魚屋を継ぐようにと親から言われていた。幼なじみの夕子はそんな富樫を見守っていた。(原作漫画は、水島新司と里中満智子の合作で、女性キャラは里中満智子が描いているので、夕子は少女マンガ風となっていて、水島作品に登場する女性キャラとしては珍しく美人系キャラとなっている。)

高校3年の夏の甲子園出場を掛けた新潟大会。富樫は父のこともあって、野球を辞めて家業を継ぐことを強く言われるが、最後の大会には秘めるものがあった。周囲からは打者転向を勧められるが、万一、日下部が打たれた後のことを考えて、転向はしなかった。

予選は進み、日下部は1人で投げ抜いていくが、苦しい状況は続く。で、決勝戦の最終回、二死満塁、1-0でリードの場面でアクシデントが起きた。カウント2-3となった時、日下部が足の痛みで登板できなくなってしまった。で、富樫が唯一球のリリーフに。(この時、スタンドに岩田鉄五郎と五利監督の姿があるが、夏のこの次期に高校野球の地方予選のスタンドに出向くというのは、それだけ日下部が注目を集めているといえるが、メッツの試合が近くであったということですかね...?)

で、3年間の想いを込めた富樫の一球は空振りを誘い、チームは甲子園出場を決めた。

その後、甲子園で優勝し、ドラフト会議の日がやってきた。日下部は1位指名を受けるが、大学進学を理由に拒否。その影で富樫はメッツから5位指名をされていた。父を入院させるお金が必要なこともあって、富樫は入団することを決めた。(以下は次回へ)

富樫の物語には浪花節の世界があり、情を考えると活躍して欲しいと思うのだが、現実はそうはいかず、日下部という厚い壁がある。これがあと20年後であれば、高校野球も複数のピッチャーを擁するのが当たり前になっているだけに、富樫の出番ももっとあったでしょうね。また、ドラフトも、現在ではプロ志望届の提出が必要となっているため、日下部のように大学進学を希望していると、それを出さないことで指名されなくなる。ということで、現在と比べると別世界ということを感じる物語である。が、現在のようなシステムの元でも、日下部と富樫のライバル関係という物語は描けるであろうが、なんとなく薄っぺらいものになってしまいそう...

今回の物語中のエラーは、やはりスコアボード関係で色々とありました。新潟予選では決勝戦を含めて4試合が描かれているのだが、スコアはいずれも1-0の時点なのに、時々それが0-0に変わっている。特に、最初の中央高校との試合では、1回裏の点数が「0」と「1」と何度も変わっている。また、「1-0」で展開していた試合が突如0-0と言うことになって、延長戦に突入ということになった試合もありました。→試合中に裁定が変わり、取り消しでもされたのですかね???

次回は、今回の続きの物語で「ガッツ10番」です。

 

野球狂の詩 DVD-BOX

野球狂の詩 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: デジタルサイト
  • メディア: DVD

野球狂の詩 DVD-BOX[キャラクター編+水原勇気編]

野球狂の詩 DVD-BOX[キャラクター編+水原勇気編]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • メディア: DVD
↓原作漫画はこれに収録されています。
野球狂の詩 (4) (講談社漫画文庫)

野球狂の詩 (4) (講談社漫画文庫)

  • 作者: 水島 新司
  • 出版社/メーカー: コミックス
  • 発売日: 1995/07
  • メディア: 文庫

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ケータイ刑事銭形泪36話(2nd.23話・アナザーストーリー1話)[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]

銭形泪・2nd.23話」(通算36話)の「まりもクイーンVS女王卑弥呼 ~邪馬台国を迎撃せよ!」の3回目となる「裏ネタ編」は、卑弥呼が行っていた「ダウジング」について、その際に使用していた「ダウジングロッド」について、この物語の邪馬台国はこれだったということから「健康ランド」について、卑弥呼はマネキンのことをこう呼んでいた「影武者」について記します。

尚、約3年2ヶ月前のBS-i(当時)での再放送時に記した本編について記した記事(「改訂版」となります。)は「ここをクリック」してご覧下さい。

ダウジング」:英語では「Dowsing」、二叉になった棒(ダウジング・ロッド)や振り子などを使って、地下の水脈や石油、貴金属の鉱脈などを探る方法のことである。

歴史は古く、かなり古い時代から行われていたことが分かっていて、4000年以上の歴史があるとされている。昔は神の意思を受けているとされたものであったが、中世には神ではなくて悪魔と結びつけられ、悪魔の行いとされたため、異端審問では行われなくなった。

一方、それとは別の流で、金属を捜すことに使われ、15世紀のドイツでは盛んに行われていて、これが世界に広がっていくことになった。

日本では、平安時代に弘法大師が水脈を探り出して井戸を掘ったという言い伝えが残っているが、西洋のものとの繋がりについてはよく分かっていない。

新しい所では、19世紀のアメリカのゴールドラッシュの時、これを用いて金脈を捜すということが行われたり、ベトナム戦争の際、地中に埋められた地雷を発見するのにこれが用いられ、そのため、地雷による犠牲者が減ったとされている。

ダウジングによって捜すものは、基本的には地面の下に隠れているものであるため、地表からは全く見えていないものである。(この物語では人捜しと凶器捜しであったため、一般的にこれによって捜すものとは違っているものの、どちらも地面の中に埋まっているものを捜しているので、一応「ダウジング」からかけ離れるものではない。しかし、水脈や金属とはダウジング・ロットの反応が異なるものと思われるだけに、(コジツケであっても)説明が付かないのですけどね...→全く知らないものではなく、裏工作が行われていたことを考えると、やっぱり、ということになってしまいますが、なかなか面白く構成したものでした。

尚、ダウジングを行う人のことを「ダウザー」と呼び、ダウザーは分岐した枝、L字型に曲がった金属棒、振り子などを手にして、歩きながらそれらの微妙な動きを見て、地下にあるものを捜す。しかし、それらが地下にあるものに対してどのような現象が起こり、発見できるのかは、科学的には立証されていない。

ある意味では、金属探知機もダウジングの道具の一つということになるが、これは電磁誘導を利用したものであり、科学的に動作原理を説明できるものである。→探知機に設けた振動子から発生する交流電流がコイルを通過することで磁場が発生するが、(地中にある)金属がコイル付近に接近すると、その金属にも渦電流が発生し、交流磁場が発生する。このため、磁場の変化を探知することによって地中にある見えない金属が探知できる。

金属を捜すダウジングであれば、金属探知機のような科学的に説明の付く方法で探すことが出来るが、この物語では、人やロープという金属反応のしないものを捜していたことになる。このようなものを捜す科学的な説明を知りたいところであるが、実は卑弥呼が埋めたものだったというオチは、現代科学で説明するにはコロンブスの卵的な発想であり、実に上手く描いたところでした。

ダウジングロッド」:ダウジングを行う場合に使用する棒のことである。古くは、ハシバミの枝が使われてきたが、そのような特定の素材を使う必要があるものではなく、L字型に曲げた2本の針金や金属棒、またはY字型やV字型に曲げた針金なども使用される。(針金ということだけで、特に材質にまでの細かい規定はない。)→簡単なものであれば、針金ハンガーをL字型に折り曲げて作ることができる。

ダウジング・ロッドを両手に持って、それを手にしたまま歩いていると、ロッドがひとりでに交差したり、外に開いたり、あるいは平行に並んだまま同じ方向を向くことがある。ダウジングの世界では、これはこれは何かに反応して動いたと考えられているが、その知識が無いと、風のせいで動いたとか、ダウザーが動かしたと考えてしまう。ダウザーはこれらの動きは何らかの特定のメッセージだと解釈する。(ダウザーの経験によって様々に解釈される。)

ところで、ダウザーが使うと反応することから、ダウザーが手にしている状態と全く同じ形になるように、機械的にダウジング・ロッドを保持する道具を作り、それにダウジング・ロッドを保持し、それを持って歩き回ったとしたら、科学的に考えると、ダウジング・ロッドは同じ反応をするはずであるのだが、実際はそうはならない。よって科学的な検証を行うことが出来ないため、ダウジングは「インチキだ」と言われる。ダウザーはこれを「不覚筋動」によるものとして、これが人によって差が出るため、反応する人と反応しない人がいる、と言っている。

そういうところを科学的に解明して貰いたいところである。(ただ、遊びの範疇として試してみるということで宜しいのではないかと...)

健康ランド」:公衆浴場施設の一つであり、様々な種類の浴槽を備え、更にはサウナ、マッサージ施設、ゲームコーナー、休憩所、水泳施設、トレーニング設備、食堂、観劇などの付随する施設を併せ持った大規模な入浴施設のことである。

これは、銭湯とは異なったものであり、法的にも銭湯とは別扱いとなっている。そのため、都道府県単位で価格が統一されている銭湯とは異なり、独自の料金体系が設定できる。(ちなみに、「銭湯」とは、日常生活における保健衛生上必要な入浴のために設けられた公衆浴場、と定義されているので、健康ランドにあって銭湯に無いもの(例えばサウナなど)は日常生活における保健衛生上必要ではないもの、と解釈することが出来る。)

使用している湯は、水を単に暖めたものという所から、温泉水を利用した所、何らかの入浴剤を転訛している所など、様々である。

日本に最初に登場したのは、1955年に営業を開始した「船橋ヘルスセンター」とされている。(1977年に閉場したため、現在は存在しない。その跡地に「ららぽーと船橋ショッピングセンター」が作られ、現在は「ららぽーとTOKYO-BAY」となっている。)一応、現在の「健康ランド」が備えている施設を持ったものということになるが、分類状は「健康ランド」ではなく「ヘルスセンター」とされている。

その後、各地にこれを燃した施設が登場するが、1980年代になってから、娯楽施設重視からサウナなどの入浴施設をより充実させたものが登場するようになり、「健康ランド」と呼ばれるようになる。(これが登場した当時は「スーパー銭湯」は存在していないが、現在では「スーパー銭湯」に療養施設や娯楽施設が併設されているもの、といったら宜しいかと...)

影武者」:敵を欺くために、または身替わりとするため、武将と同じ装束を着せた武者のことである。戦国時代の日本ではよく用いられたものであり、それが起源とされている。

君主が死んでしまったことを隠すために使われたこともあり、実際は既に亡くなっている君主が存命しているように見せたり、戦場で敵を混乱させるために大将と全く同じ姿をした武者を投入したりされた。(前者は武田信玄、後者は真田幸村でお馴染みである。)

現代風に言うと「替え玉」ということになるが、「替え玉」には最初から「ニセモノ」という意味合いが強いことと、「替え玉受験事件」の影響もあって後ろめたいイメージがあるが、「影武者」にはそこまでのイメージはない。但し、表には出ないで裏から指図する事実上の首謀者、黒幕、という意味が「影武者」にはあるのもまた事実でして...

尚、英語では一応「Double」という言葉が使われるが、「替え玉」という意味の「Goat」や「Stalking Horse」が使われることもある。

ところで、その「影武者」を扱った映画としては、1980年の黒澤明監督作の「影武者」がある。この作品には、黒澤監督を敬愛するコッポラ監督やルーカス監督が外国版のプロデューサーとして加わるなど、世界の超一流映画人が関与した大作と言うことでも知られている。日本でも大ヒットを記録して、1980年に公開された邦画の中では配給収入1位を記録している。

物語は、天下を狙う武田信玄が、上洛を目指す中、何者かに狙撃され、この傷が元で死んでしまう。しかし、信玄が死んだとなると、天下どころの話ではなくなり、武田家も危なくなってしまう。ということで、信玄の影武者を立てて、の窮地を乗り越えようとする。が、影武者となった男は、姿は信玄と瓜二つであったが、盗みを働いて捕まり、処刑される直前だったところを信玄の弟・武田信廉に助けられた男だった、という物語である。彼は、一度は逃亡するも、信玄に威圧され、影武者を務めることを受け入れた。信玄の死後3年は何とか乗りきったものの、馬から振り落とされた影武者は川中島で受けた傷がないことから信玄では無いことが分かってしまい、その役割を終えた。勝頼が家督を相続したが、既に武田家は天下を狙えるような情勢ではなかった...

作品データを記しておくと、時間は179分、監督は黒澤明、脚本は黒澤明と井手雅人の2人、撮影は宮川一夫、斎藤孝雄、上田正治の3人、美術は村木与四郎、音楽は池辺晋一郎である。そして出演は、仲代達矢、山崎努、萩原健一、油井孝太、大滝秀治、室田日出男、志甫隆之、杉森修平、清水のぼる、清水紘治、山本亘、根津甚八、阿藤快、島香裕、金窪英一、宮崎雄吾、倍賞美津子、桃井かおり、音羽久米子、井口成人、隆大介、山下哲生、山中康仁、油井昌由樹、土信田泰史、曽根徳、松井範雄、清水利比古、志村喬、藤原釜足、常田富士男、田辺年秋、山口芳満、江幡高志、杉崎昭彦、たちである。

「影武者」の役割や生き様がしっかりと描かれている作品である。3時間という長尺の作品であるが、一度は見ておきたい作品である。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

驚異のダウジング

驚異のダウジング

  • 作者: シグ ロングレン
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 大型本

奇蹟 ダウジング占い―未知なる力を導く振り子パワー

奇蹟 ダウジング占い―未知なる力を導く振り子パワー

  • 作者: シグ ロングレン
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 1990/12/15
  • メディア: コミック

驚異のダウジング―一攫千金ギャンブル早わかり版 (OHTA BUNKO)

  • 作者: 堤 裕司
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1993/02
  • メディア: 文庫

立ち寄り湯&健康ランド (旅の森)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 昭文社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 隆 慶一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 文庫

影武者 (光文社時代小説文庫)

影武者 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 古川 薫
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 文庫

真田大戦記〈1〉影武者・豊臣秀頼 (歴史群像新書)

  • 作者: 竹中 亮
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 単行本

影武者 [Blu-ray]

影武者 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
  • メディア: Blu-ray

影武者<普及版> [DVD]

影武者<普及版> [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


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