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VANDENBERG『HEADING FOR A STORM』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表された彼らの2nd.アルバムである。邦題は「誘惑の炎」と付けられていた。オランダ出身のバンドということで、日本では知名度は低いが、後にWHITESNAKEのメンバーになるD・カヴァデールが在籍したバンドということで、HR/HMファンの間では知られているバンドでもある。アメリカでは苦戦した(Billboardで最高位169位に留まっている。)が、(西)ドイツ、イギリス、日本のように、既にHRが市民権を得ていたところではそれなりのヒットになっている。

収録曲は以下の全9曲である。『Friday Night』『Welcome To The Club』『Time Will Tell』『Different Worlds』『This Is War』『I'm On Fire』『Heading For A Storm』『Rock On』『Waiting For The Night』。

お薦め曲は、『Welcome To The Club』『This Is War』『Rock On』『Waiting For The Night』と言う所をピックアップしておくが、ポップな所がある前半と、ハードに突っ走る後半が、味のあるところを感じさせてくれている。(LPでは、A面とB面ということで、上手く構成していると言うことになる。)

セールスが伸びなかったこともあって、本アルバムの評価は今一つであるが、アルバムとしての完成度は高く、もっと評価されて良いアルバムである。(本作の場合は、評価が低いと言うよりも、知られていないので評価する声が少ないということで、「知らない」ということで評価されていないものと思われる。)

アメリカでHR/HMが市民権を得るのは'80's中盤であって、本アルバムよりも後のことである。'80's後半のHR/HMでは本アルバムで用いられているリフや、コーラスを使った音作りなど、'80'sHRでは基本になっている要素が、本アルバムには既に用いられているだけに、'80'sHRに慣れ親しんでいる方も、聴きやすく親しみを持って接することが出来る内容になっている。

ということで、'80'sHRファンという方は、本アルバムを聴いておくべきであって、もっと評価して貰いたいとおもうアルバムである。→こういうアルバムを「隠れた名盤」と言うのであって、チャート成績とアルバムの内容とが比例しない具体例である。

 

Heading for a Storm

Heading for a Storm

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wounded Bird Records
  • 発売日: 2002/02/19
  • メディア: CD

誘惑の炎 (ワーナー・ハード・ロック1500)

誘惑の炎 (ワーナー・ハード・ロック1500)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2011/09/21
  • メディア: CD
誘惑の炎<紙ジャケットCD>

誘惑の炎<紙ジャケットCD>

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/11/12
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形零21話(2nd.8話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

銭形零」の第21話(2nd.8話)「基本的にアレな訳なんだけど ~銭形零の悪夢」の「裏ネタ編」の4回目の増補となる今回は、前回に続いて零ちゃんの2つ目の夢に関する事柄から、「四字熟語」について、「テロップ」について、「合格」について、「泥棒」について、そして最後に五代さんがちゃんに対して言った四字熟語の「質実剛健」について記します。尚、「四字熟語」は「・21話(2nd.8話)[裏ネタ編]」で、「テロップ」は「・12話[裏ネタ編]PART 4」で記した者をベースにして、それぞれ加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/4/17付です。)

四字熟語」:「熟語」とは、2つ以上のタンゴ、または2字以上の感じが結合して一つの語となっている語のことであり、特有の言い回しとなっている成句でもある。

「四字熟語」はそのような熟語の中で、特に漢字4文字からなる(日本語の)熟語のことを言う。尚、四字熟語には、古くから言われている慣用句として伝えられているものが多数あって、成句として非常に多いことから、特に「四字熟語」は教訓を含んだ慣用句として認識されている。

尚、漢字四文字からなる成句というのは中国語でも非常に多く、中国の故事から引用される言葉も漢字四文字というものが非常に多いことで知られている。

尚、「熟語」の定義から言えば、劇中で五代さんが口にした「焼肉定食」「野菜定食」というものも、更には「四字熟語」というものも四文字の漢字から構成されており、かつ、2つ以上の単語が1つの単語になっているので、いずれもが立派な「熟語」である。(普通名詞として一般的に使用される語である。)しかし、「四字熟語」と言うと、慣用句として使われているものを指すため、「単に四文字から構成されている熟語」ではないので、これらは「四字熟語」とは言わない。

また、この物語で五代さんが口にした「鑑識柴田」「丹羽多聞」「山下真司」というものも、いずれもが漢字四文字から構成されているが、これらは全て人物のことを表したもの(=人名)であるため、「熟語」とは言わない。尚、「魑魅魍魎」と「質実剛健」は複合語であり、慣用的に使われているので、これらは歴とした四字熟語である。

英語では「Four Characters Phrase」、ドイツ語では「Vier Charaktere Formulieren」、フランス語では「Quatre Caractères expriment」、イタリア語では「Quattro Frase Di caratteri」、スペイン語では「Cuatro Caracteres Expresan」、ポルトガル語では「Quatro Frase de Caráter」、中国語では「四字複合詞」と言う。

テロップ」:「TELevision Opaque Projector」の略(大文字で記した部分、則ち「TELOP」となる。)であって、テレビ投射映写機のことである。これはテレビ放送のために考案された装置であって、写真、図面、文字などをテレビカメラを用いずにテレビ画面に映し出す装置のことである。

これを用いることで、テレビカメラが捕らえた映像に、それとは関係ないものを合成することが出来る。また、これを使うことで写真、図面、文字などを合成することが可能であるのだが、特に多く使われたものは、画面を説明するための文字であったことから、いつしか、テレビ画面に合成されて表示される文字(字幕)のことを「テロップ」と言うようになった。

当初、この装置は、重ねるもの(写真、図面、文字など)を記した特定の大きさのカードを用意し、それを装置に掛けることで、そのカードに記された情報を映像信号として変換し、その信号をその画面の映像信号と合成する(スーパー・インポーズを行う)ことで、映像信号に重ねられた。(尚、当初、合成された文字は手書きでカードに書かれたものであった。)

やがて、文字に関してはキャラクター・ジェネレーター(所謂「CG」である。)の登場によって、文字はキーボードから入力して作成されるようになって、手書きということは無くなった。更に、コンピュータの発展で、写真や図形などもコンピュータを使って合成されるようになった。→「CG」の発展で、現在ではCGを中心にして製作されるものもある。

英語の「Television Opaque Projector」の略語であるため、英語だけでなく、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語など、アルファベットを使う言語では「Telop」と言い、中国語では「反射式字幕」と言う。

合格」:ある条件に適合することを言う。また、各種試験で及第することをいう。(条件に適合しない場合や試験で及第しない場合は「不合格」と言う。)

また、それらから転じて、一定の水準に達していることを言う。

この物語では、採用試験での「合格」と言うことが五代さんに言われたので、採用されるということであるが、それまでの面接試験の内容から考えると、どういう基準で合格なのかすら分からないですね。が、この物語は夢での出来事なので、どうでも良いように思いますが...

英語では「Pass」、ドイツ語では「Paß」、フランス語では「Laissez-passer」、イタリア語では「Passaggio」、スペイン語では「Paso」、ポルトガル語では「Passagem」、中国語では「合格」と言う。

泥棒」:「泥坊」という表記がされることもある。(現在では殆ど「泥棒」の表記を使いますが...)他人の物を盗む人のこと、または放蕩者のことを言う。また「盗人(ぬすびと)」「盗賊」と言うこともある。

尚、他人の物を盗むという行為は同じであっても、盗む物が些細な物である場合、または金銭的な額にすると小額な場合の泥棒のことを「コソ泥」ということがある。「コソ泥」は正式には「コソコソ泥棒」と言い、その省略形である。小額のものしか盗まない泥棒や、誰もが盗もうとも思わないような(どうでも良いような)物品を盗むセコイ泥棒のことをよく「コソ泥」と言うが、特に「コソ泥」という言葉の定義はなく、感覚的なことで「泥棒」と「コソ泥」とが使い分けられている。

また、ダ藻が驚くような、盗むことが不可能と思われた物を盗んだり、超大金や超高額な物品を盗む泥棒のことを「大泥棒」ということがあるが、これについても相対的なことで使い分けられているが、明確な基準があるというものではない。尚、「コソ泥」や「大泥棒」を含めて、他人の物を盗む人の総称として「泥棒」ということが一般的である。

英語では「Thief」、ドイツ語では「Dieb」、フランス語では「Voleur」、イタリア語では「Ladro」、スペイン語では「Ladrón」、ポルトガル語では「Ladrão」、中国語では「小偸」と言う。外国に旅行した場合、それなりに注意をするのは当然であるが、これらの言葉は万一のために頭に入れておいた方が良いですよ。(それが徒労に終わったと言うことが一番ですが...)

質実剛健」:飾り気が無く、真面目で強く、しっかりしている様子のことを言う。

特に日本の私立の中学校や高校では、この言葉に沿ったような生徒を育てることを掲げている学校が多いということでも知られている四字熟語である。(「まじめに、強く、上品に」という教育方針は「質実剛健」をより分かりやすくした言葉でもある。)

尚、「質実剛健」という言葉を「ことわざ」としている文献も多くあるが、この言葉は慣用句として古くから使われている言葉であり、成句でもあるため、「ことわざ」と言っても特に問題はないですね。(諺の定義を満たしているということである。)

 

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

この一冊で「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」が面白いほど身につく!

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
漢検 四字熟語辞典

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本漢字能力検定協会
  • 発売日: 1997/03
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四字熟語ひとくち話 (岩波新書)

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  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/04/20
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ポケット判四字熟語辞典

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  • 出版社/メーカー: 高橋書店
  • 発売日: 1999/11
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ポケット版 四字熟語辞典

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  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 2006/03
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新明解 四字熟語辞典

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  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 1998/01
  • メディア: 単行本
合格(ウカ)る技術

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  • 作者: 宇都出雅巳
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合格手帳

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  • 作者: 田村 仁人
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2005/04/21
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職業「泥棒」年収3000万円(決してマネをしないでください)

職業「泥棒」年収3000万円(決してマネをしないでください)

  • 作者: 烏山はじめ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
大泥棒 ―「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む

大泥棒 ―「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む

  • 作者: 清永 賢二
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/06/10
  • メディア: 単行本
ノルウェーの社会―質実剛健な市民社会の展開 (waseda libri mundi)

ノルウェーの社会―質実剛健な市民社会の展開 (waseda libri mundi)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早稲田大学出版部
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本
VOLKSWAGEN―国民車から始まった質実剛健なクルマ作り。 (ワールド・カー・ガイド・DX-世界自動車図鑑- (07))

VOLKSWAGEN―国民車から始まった質実剛健なクルマ作り。 (ワールド・カー・ガイド・DX-世界自動車図鑑- (07))

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本

背骨を伸ばして―女は清く優しく美しく男は質実剛健剛毅朴訥 (1980年) (QR books)

  • 作者: 細川 隆一郎
  • 出版社/メーカー: 文化放送開発センター出版部
  • 発売日: 1980/07
  • メディア: -

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名曲探偵アマデウス・マーラー「交響曲第2番『復活』」 [ドラマ]

「四日連続放送」の最後は、過去に2回(ファイルNo.019とNo.029)しかないというゲストが2人という物語になっていました。(と言っても、今回はその内1人は、フリーズして動かなくなったロボットということだったので、台詞もありませんでしたが...)ただ、構成と言うことでは、通常の物語でした。曲の方はマーラーの「交響曲第2番『復活』」ということで、スケールの大きなあの曲の登場でした。

ということで、今回の「四日連続放送」では「スペシャル」と謳っていたが、「スペシャル」と感じさせたのは、カノンさんが表に飛び出して行った最初の2本だけと感じました。

ドアを叩く音がしたことで、「はい、どうぞ。開いてますよ」とカノンさんが答えた。が、再びドアを叩く音がする。で、カノンさんはちょっと嫌な顔をして立ち上がり、ドアを開けた。すると白衣を着た男が「この子を助けて下さい」と言って少年を抱いて入って来た。カノンさんは子供を見ると「ぐったりしてるじゃないですか」と様子を口にするが「病院じゃないんですけど...」と言う。が、男は「分かってます。でも、こちらでしか治して貰えないと思って...」と言う、で、所長は「どうぞこちらへ」と言って子供をソファーに寝かせた。

男は「突然動かなくなってしまって」と言い、カノンさんが様子を診る。で、「息、して無いじゃないですか...」と驚く。が、男は「ご心配なく。この子は元々息何かしていません」と言って、「私が作った究極のロボットMASAOなんです」と言った。男は、ロボット科学者であり、自乗を話した。MASAOはあるクラシック音楽を聴くとフリーズしてしまって動かなくなったということだった。で、MASAOは人間そっくりの心を持ったロボットで、世界に発表する直前の出来事だった。その曲はマーラー「交響曲第2番『復活』」ということで、相談に来たのだった。で、所長は依頼を受けた。

いつものように、簡単にこの曲の説明がされる。120人の大編成のオーケストラ、合唱も取り入れ、全5楽章、時間も90分に達する大曲ということで、巨大化した曲でもある。

カノンさんは「人間ソックリ」というが、依頼人は、最大の特徴は見た目ではなくて人間の心を持っていることと語る。で、所長は「まずは第1楽章から」ということで、いつものように始まっていく。

最初は、大人数のオーケストラということから、楽器の数が120にも達する管弦楽市場、空前の大規模編成ということだった。で、オーケストラの人数の説明となる。最初は20人ぐらいであったが、ベートーベンの時代には50~60人が一般的になる。更に、マーラーの時代では都市の発展でコンサートが日常的になり、コンサートホールの変化で、大規模ホールが造られたことで、それら対応する曲と言うことで大人数のオーケストラが生まれ、それに相応しい音量を得ること、更にそれが表現をより豊かにさせた。→確かに、pppからfffというダイナミックレンジが広いのも特徴であるが、ポピュラー音楽、特にロックなどと比べるとオーケストラははるかに広いダイナミックレンジを有していることで有名ですからね。(そのため、クラシックを堪能するには、ある程度の出力を持ったアンプを用意するというのは常識です。)

で、カノンさんは、(曲の)余りの迫力で処理能力がパンクした、と言うが、依頼人は考えられないといってそれを否定した。というのはMASAOの処理能力は人間をはるかに越えているからというのだった。すると所長は、MASAOがこの曲を聴いていた理由を尋ねた。依頼人は、たくさんの曲の中からMASAOがこの曲を選んだと言う。所長は、この曲は音楽の発展の歴史を知ることが出来ると語ると、今度はその説明へ。

で、野本先生が音楽史について説明する。音楽は「歌」と共にあった。で、それが3つのものに派生した。1つ目は宗教と結びついた「宗教歌」で、「教会カンタータ」として発展した。また、2つ目は「世俗歌」で「ドイツ・リート」として発展した。3つ目は「オペラ」であって、これには序曲(シンフォニア)が生まれ、これが「交響曲」として発展する。そしてベートーベンの登場で交響曲が最高の芸術表現にまで高めた。で、この3つの系列の作品を1つにまとめたのがマーラーの「交響曲第2番・『復活』」だった。ということで、MASAOはそこから人間の心を学ぼうとしたのだと考えた。しかし、これではフリーズした理由が分からない。

そんな中、所長は「原因はこの曲のテーマと関係があるのかも知れません」と言って、この曲に隠されたテーマについての説明へ。

第1楽章には「葬礼」というタイトルが付けられていて、それは大きな問題を提起している。それは「生とは何か、死とは何か、人は何のために生きるのか」というもので、その解答を最終楽章で与える、ということで、人間の根源に関わるテーマに向かい合った。また、第2楽章では主人公の思い出を、第3楽章は人生の苦悩を描いている。

カノンさんは「難しくて、何かよく分かんない」と漏らすが、MASAOも答えが分からなくなってフリーズした、と口にした。が、「MASAOはそんな柔な子じゃありません」と一蹴される。すると所長は「だったらまずい」と漏らした。

で、第4楽章「原光」の部分の説明へ。ここで初めて歌が登場するが、この部分は「人間の天国への憧れ」を歌っている。で、所長は「MASAOはその憧れの意味を知りたいと思ったとしたら」と語った。更に「マーラーが作り上げた夢とも現実ともつかない世界を彷徨っているのかもしれない」と語り、第5楽章の説明へ。

ここでは、死の象徴とした使われる「怒りの日」を描いていて、「死に対する恐怖」を描いている。続いて「永遠のモチーフ」が登場し、「永遠の命」を現している。ということで、「死」に対する肯定的なものと否定的なものとが拮抗している。

そして主人公の最後の審判を描いているが、それにはトランペットに対するある指示があった。それは「遠くで(演奏する)」というもので、実際にトランペットの演奏の聴き比べ実験が行われる。(1つは舞台上でトランペットの演奏をし、もう1つは舞台袖でトランペットの演奏をする。)→聴き比べというのは、いつものことながら、違いがよく分かります。

これによってトランペットが主人公ではなく、主人公が何なのかを、音響的にも視覚的にもはっきりとさせることができる。また、トランペットが死の世界から呼びかけているような効果が出ている。→言われると確かにその通りと納得できます。

カノンさんは「今、きっと最後の審判の世界を体験しているんですね」と言い、所長は「臨死体験をしていると言うことなのでしょう」と語った。すると依頼人は、人間の最大の欠点は死んでしまうことであり、だから人の心と体を持った完璧なロボットを作ろうとした、と語った。すると所長は「人の心は死という人生の結末があってこそ生まれる。MASAOは博士の命令通り、人の心を獲得しようとして死を選んだのでしょう」と語った。が、依頼人は「納得できません」と言うと立ち上がり、「何のために死ななきゃいけないんですか?」と叫んだ。依頼人は、死は全ての終わりで絶望でしかないと考えていた。が、所長は「本当にそうでしょうか?」と返した。で、第5楽章に用意されたマーラーの答えを聞くことになる。

マーラーの生い立ちの説明があって、マーラーは「生と死」を音楽を通して問いかけ続けた。で、音だけでなくて言葉でメッセージを伝える必要があると考えた。で、恩人の葬式の時に耳にした歌詞に衝撃を受け、その言葉を第5楽章に入れた。それは「よみがえるだろう そう よみがえるだろう」というものだった。マーラーの使った言葉は原作があるものであるが、全てを自分の言葉に書き換えている。そして6年という歳月がかかって、第1楽章で投げかけた問いに対する答えを見出した。

その答え「人は甦るために死ぬ」と口にするカノンさん。所長は、その意味は音楽を聴く人に委ねられている、と語り、窓から外を診る。すると、一枚の落葉が入って来て、所長の足元に落ちた。それを拾った所長は、「一枚の葉っぱが枯れ落ちて、やがてそれが土になる。新たに息吹く命の糧となって旅花を咲かせる」と語った。カノンさんは「それもまた、甦るために死ぬってことなんですね」と言う。依頼人も「人は死んでもこの宇宙の何処かで、命の輪廻の中で生きている」と言うが、MASAOは人間ではなくロボットだ、と言って、今までの研究は何だったんだ?と尋ねる。これに所長は「MASAOくんが死を迎えたことこそがあなたの偉大な研究の成果ではないですか」と依頼人の成果を認め、後はMASAOくんの心次第だと言った。最後にカノンさんが「甦ってくれると良いですね、MASAOくん」と言うと、3人はMASAOを見つめていた。

ドラマ部分は35分半弱、曲は第5楽章のダイジェストという形で7分半強、ラストのオチの所が1分弱という構成で、時間配分の方もやはり標準的なものでした。
ラストのオチは、依頼人は帰っているが、MASAOはそのまま事務所に横たわっている。所長とカノンさんは帰る準備をしていて、「よっぽどショックだったみたいですね。MASAOくん、暫く置かせてくれって」とカノンさんの言葉で状況が分かる。所長は「抜け殻のようになって帰って行ったからなぁ」と語る。カノンさんはMASAOくんをじっくりとみて、指で触り「それにしても良くできているなぁ」と呟いた。所長は「その内元気になって新しいロボットを作るだろう」といずれは立ち直ると見越していた。で、そのまま事務所を後にした。カノンさんも所長に続いて事務所の灯を消すと帰宅していった。誰もいなくなった事務所で横たわっているMASAOくんだったが、その両目が開いた。

言うまでもなく、依頼人の「飯田橋博士」というのは鉄腕アトムのお茶の水博士のパロディである。(が、アトムを作ったのはお茶の水博士ではなくて天馬博士ですけど...)で、その「鉄腕アトム」のパロディとが今回の物語の根底にあるのだが、もう少しMASAOくんに関して、捻った物語に出来なかったでしょうかね?(例えば、回想で勉強したり、遊んでいる所を出すなど。)というのは、今回、持ち土地らくんは、依頼人ら抱えられて登場し、ずっと横になっていただけということで、役として寝ているだけというのはちょっと可哀想に思えましたので...

また、一つ思い出したのは、2003年のNHKのドラマで「天使みたい」という作品である。このドラマでは黒川芽以さんが主人公の戸川はるかと、その双子の妹・かなた(実はロボットである。というのは幼いときに交通事故で無くなっていて、科学者の母親が、かなたにそっくりなロボットとして作り上げ、すかなたにプレゼントした。)の二役を演じていた。すなたは人間ソックリのロボットであるということで、今回の物語に登場したMASAOと同じと言って良いでしょうし、回想でMASAOのお姉さんロボットと言うことで、KANONということで登場していたら、と思ってしまいました。

それにしても、今回は簡単には導き出せないようなとてつもない大きなテーマを熱かった曲であって、それが超大人数というオーケストラ、そしてスケールの大きさをたっぷりと感じられ、説明も良く分かりました。

4日連続での新作の放送というのは3年間のレギュラー放送の時にも無かったことであるが、レギュラー時と大きくかけ離れることもなく、クオリティも維持できていただけに、以前のようにとまでは言わないが、今後も時々新作を放送して貰いたいところです。(取り上げられて当然というような曲も、まだたくさんありますし...)→月に1本ぐらいで新作の登場をと期待したいところですけどね...(毎週ということになるとクオリティ・ダウンを危惧してしまうので、そこまでとは言いませんが...)

 

マーラー:交響曲第2番「復活」

マーラー:交響曲第2番「復活」

  • アーティスト: ショルティ(サー・ゲオルグ),マーラー,ヒリス(マーガレット),シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: CD

マーラー:交響曲第2番《復活》

マーラー:交響曲第2番《復活》

  • アーティスト: マーラー,メータ(ズービン),バラッチュ(ノルベルト),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/10/21
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番 ハ短調《復活》 アバド [DVD]

マーラー:交響曲第2番 ハ短調《復活》 アバド [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD
マーラー:交響曲第2番「復活」

マーラー:交響曲第2番「復活」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2011/02/02
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番「復活」

マーラー:交響曲第2番「復活」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/11/19
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」

マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」

  • アーティスト: テンシュテット,ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団,マーラー,イヴォンヌ・ケニー,ヤルト・ファン・ネス
  • 出版社/メーカー: LPO
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番

マーラー:交響曲第2番

  • アーティスト: クーベリック(ラファエル),マーラー,バイエルン放送交響楽団,シューベルト(ヴォルフガング)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/09/21
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番「復活」《2枚組》

マーラー:交響曲第2番「復活」《2枚組》

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: オクタヴィア・レコード
  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: CD
マーラー : 交響曲第2番ハ短調 「復活」

マーラー : 交響曲第2番ハ短調 「復活」

  • アーティスト: ニューヨーク・フィルハーモニック,マーラー,バーンスタイン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1992/10/01
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第2番「復活」全曲 [DVD]

マーラー:交響曲第2番「復活」全曲 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOBU RECORDINGS
  • メディア: DVD
CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その220) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「エンタテイナー」です。尚、単に「エンタテイナー」ということにすると、色んな人物がいるため、「舞台でショーを行った男性エンタテイナー」ということを条件に付けることにします。(性別の条件があることで、はっきりとした共通点が出てきますから...また、女性エンタテイナーということではまた別の機会に、と言うことにします。)取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「・9話」、「007」からは「ダイヤモンドは永遠に」です。

ケータイ刑事」:「・9話」。「歯で弾丸を受け止める男 ~ネタバレマジシャン殺人事件」という物語。劇中でマジック・ショーが行われるが、捜査の所でちゃんも、ちょっとしたマジックを披露してくれるだけに、別のお楽しみもある物語である。

ちゃんと五代さんは、昇天斎太郎のマジックショーを見に来た。昇天斎太郎は、マジックのタネを明かしてしまうことで知られているマジシャンでもあり、マジックと話芸が持ちネタという芸人であった。(ゼンジー北京のようなマジシャンと言うことが出来ますね。)で、昇天斎太郎は、銃の弾丸を歯で受け止めるというマジックを行う。まずは客席からちゃんが選ばれて、4つの色の弾丸からちゃんに好きな弾丸を選んで貰う。そして、その弾を込めた銃で、助手の泡坂が昇天斎に向けて撃つ。そして昇天斎はその弾丸を歯で受け止め、マジックは成功する。

が、次の瞬間、昇天斎は苦しみだし、その場に倒れ込み、死んでしまった。直ぐにちゃんと五代さんは捜査を開始する。で、昇天斎の死因は毒であり、毒殺されたことが分かった。ちゃんは、助手の泡坂が犯人だと睨み、弾丸に毒が塗られていたと考えた。(全ての弾丸に毒が塗ってあれば、誰が弾丸を選んでも殺害は可能である。)が、問題の弾丸を選んだのはちゃんであり、しかもちゃんが選ばなかった他の色の弾丸からは毒は検出されなかった。ということで、ちゃんの推理はあっさりと反論されてしまい、それに返すことが出来なくなってしまったちゃん。(但し、この時にちゃんが語った、マジックのタネに関しては当たっており、その種に従って弾丸に毒が塗られていれば、殺害は可能である。よって、ちゃんが選んだ弾丸にのみ予め毒を塗っておくということでの殺害は、ちゃんが選んだ弾丸を予知することは出来ないので、不可能だ、ということでした。)

しかし、昇天斎は、ショーでマジックのタネを明かしてしまうので、マジシャン仲間にすれば、飯の種を失うことになるだけに、マジシャン仲間の間では昇天斎太郎の評判が実に悪く、彼のことを邪魔に思う者が大勢いたことを知る。

更に、捜査を進めていき、ちゃんはマジシャンズチョイスを使うと、見た目には第三者が選んだようにしか見えない弾丸の選択も、マジシャンの方が意図したものを選ばせることが可能だ、と言うことに気づいた。(弾丸を別のものに置き換えて、実際にちゃんがそれを披露している。)

ということで、ちゃんは泡坂に迫り、トリックの説明をし、拘束した。泡坂は犯行を認めることになり、逮捕された。

007」:「ダイヤモンドは永遠に」。1971年のシリーズ第7作。前作で2代目ボンドに交代したが、公共的に振るわなかったこともあって、高額のギャラで初代が本作だけ復帰することになった。そのため、初代の6本目であり、かつ、初代の最後の作品でもある。(シリーズ扱いされていない「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でS・コネリーはもう一度ボンドに復帰するが、それはあくまでも「番外編」ということで、正式シリーズにはカウントされない。)

ダイヤモンドの密輸ルートを追っていたボンドは、ダイヤの運び屋のピーター・フランクスになりすまし、オランダからダイヤをアメリカに運んだ。(本物のピーター・フランクスをオランダで始末し、ピーターを兄と言うことにして、遺体をアメリカに運ぶということで、その中にダイヤを隠して運んだ。これにはCIAにも伝わっていて、フィリックスがその通関に立ち会うということで対処したため、ボンドの思惑通りに事が運んでいくことになった。)

で、そのボンドを本物のピーター・フランクスと思って接触したのが、ブロフェルドのダイヤ密輸ルートの終着点に位置したシェイディー・トリーだった。彼の表の顔は、ラスベガスにあるウィラード・ホワイトのホテルであるホワイト・ハウスのリンカーン・ラウンジという舞台に上がるコメディアンだった。芸歴40年を誇る彼は、これまで一貫して芸のスタイルを変えることなく、話芸、しかもかなりの毒舌という話芸で客を湧かすコメディアンとして活動していた。(「今日の客は酷いな」と言って舞台を締めくくっていたぐらいで、毒舌が看板にもなっていた。そのため、芸人仲間からも評判はいまひとつであった。尚、芸人仲間は彼がダイヤ密輸に関係しているということは知らない。)

トリーはピーター(=実はボンド)に対して、運んだダイヤはニセモノだ、と因縁を付けた。が、これに対してはボンドの方が一枚上手であり、ボンドは、報酬の金が偽札だと言い、本物の紙幣を払うならば本物のダイヤを渡す、と返したのだった。→騙し合いということでは百戦錬磨のボンドと言うことですね。

しかし、ブロフェルドの一味の方は、本物のダイヤを受け取っていると思い、ダイヤが届けばトリーは用済みということて、殺し屋のウィントとキッドが始末しにやってきた。2人はコメディに使う小道具を売りに来たファンということを装ってトリーと接触した。トリーは、40年にわたって芸風を変えていないことを話し、2人の話を断るが、2人はトリーをその場で射殺した。

が、トリーのマネージャーが、トリーは本物のダイヤを受け取っていない、ということを2人に伝えた。ということで、ダイヤの密輸は厄介なことになってしまい、ウィントとキッドはその尻ぬぐいをすることになってしまった。

共通点は、今回の前提条件である「舞台でショーを行った男性エンタテイナー」というように、劇中でショーの舞台に登場し、芸を披露しているということその人物は芸人仲間の間では評判がよくなかった(「ケータイ刑事」ではマジックのタネを明かしてしまうため、「007」は毒舌で芸人仲間にも同じように接していたためである。)こと殺された理由は口封じのためであることそしてその芸は(「ケータイ刑事」では一部と言うことになるが)話術を使ったものであるということ、更に、そのエンタテイナーは舞台に関係する場所(「ケータイ刑事」では舞台上、「007」では楽屋)で殺されているということである。

一方、相違点は「ケータイ刑事」では舞台の公演中に死亡しているため、多くの目撃者がいたが、「007」では自分の出番を終えた後、楽屋で殺されているため、目撃者がいなかったということである。また、「ケータイ刑事」では、助手という自分の身内と言うことの出来る人物に殺されたが、「007」では密輸組織に雇われた殺し屋という外部の人間によって殺されているという所も相違点と言うことになる。

次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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