55 DAYS AT PEKING(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1963年のアメリカ映画「北京の55日」である。最近はこういう一大スペクタクル作品が無いが、当時は結構大々的に製作されていた大作の一つであって、大規模なセットを使った撮影は'60'sならではのスケールを感じられる作品である。また、ここで描かれているのは1900年の北京で起こった義和団の乱である。
作品データを記しておくと、時間は150分、監督はニコラス・レイ、脚本はフィリップ・ヨーダンとバーナード・ゴードンの2人、撮影はジャック・ヒルデヤード、音楽はディミトリ・ティオムキンである。そして出演は、チャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、デヴィッド・ニーヴン、伊丹十三、ジョン・アイアランド、フローラ・ロブソン、ハリー・アンドリュース、ウォルター・ゴテル、レオ・ゲン、ロバート・ヘルプマン、カート・カズナー、たちである。
1900年、山東省で蜂起した義和団は、清国に進出した西欧勢力とキリスト教徒たちを本土から追放しようと勢力を増していた。そのため、北京城にいた外国人たちの不安は高まることになる。そんな時期、梅理科海兵隊のルイス少佐が北京城にやって来た。紫禁城の奥では、清朝の西太后が側近の端郡王、寵臣栄緑将軍たちと密議をしていて、義和団の力を利用して外国勢力を国外に追放することを決め、義和団を陰で支援する古都を決定した。ルイスはロバートソン卿の主催する舞踏会でロシア男爵未亡人のナタリーに出会い、2人は互いに惹かれあった。しかし、ナタリーはロシアに帰ることになっていた。そんな中、ドイツ公使が路上で義和団に殺されるという事件が起こった。ルイスは偶然、その様子をホテルから見ていて、その指揮官端郡王を西太后に報告して抗議をした。しかし西太后は、各国外交団の北京城退去を警告した。そして、義和団はこの日、外国人居住地に対する攻撃を開始した。ということで、外国人たちは篭城することを余儀なくされた。城には11ヵ国の外国人たちが集うことになり、彼らは一体となって何とか防衛していた。ナタリーも野戦病院の看護婦として働くことを惜しまず、みんなが勝利を信じて頑張っていた。そしてルイスが天津の救援軍に連絡をするために北京城を脱出する。しかし彼の雑種津は失敗し、やむを得ず、敵中を潜行してようやく城に戻ってくる。が、彼を待っていたのはナタリーの死だった。更に連合国は籠城を続け、必死の抵抗を続け、55日間の籠城を耐え抜き、援軍がやってきた。ルイスは新たな任地に、この戦いで孤児となった混血の娘を連れて旅立っていった。
史実を元にした作品であるのだが、どう見てもデフォルメされて描かれていると感じられる所があるのと、義和団の兵士たちが中国人に見えないというネタとしか思えない所があるのだが、人海戦術での撮影を行っている所はスケールを感じるところである。
映画としては、'50'sから'60'sには本作の用に物量投入による大々的なロケを行った作品というのは色々とあるが、そういった作品の流れはしっかりと受け継いでいる。(が、ストーリー的には今一つ盛り上がりがないのが残念で...)
また、そんな作品であるが、やはりこういう作品では音楽の重要性も感じられることになる。映画としては今ひとつという作品でも、音楽によって救われる作品というのは意外と多い。(逆に、映像はよい野良音楽がダメという作品は意外と少ない。)本作も映画がいま一つという所を音楽が救っているようになっている。
ということで、本作はサントラ盤の内容は実に良い。(本作のような大作はアカデミー賞ではたくさんの部門にノミネートされるのが当たり前なのに、本作では作曲賞と歌曲賞の2部門しかノミネートされなかったことも、本作の音楽は素晴らしいが、映画としては今一つということを証明している。尚、譜部門ともノミネートはされたが受賞とはならなかった。)
ということで、本サントラ盤は一聴の価値のあるアルバムに仕上がっている。ということで、映画はともかく、サントラ盤はの方はBGMにするのも良しということで、堪能しましょう!
最後に、サントラ盤の収録曲を記しておく。収録曲は以下の全14曲である。『Overture』『Main Title』『Welcome Marines』『Hotel Blanc』『Explosion Of The Arsenal』『Natasha's Waltz』『Peking Theme (So Little Time)』『Peking Theme (So Little Time)(Vocal Varsion)』『Children's Corner』『Moon Fire』『Attack Of The French Legation』『Death Of Natasha』『Help Arrives』『End Title』。
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ケータイ刑事銭形海2話[裏ネタ編]PART 8 [ケータイ刑事]
「銭形海」の第2話「波間の焼死体! ~海のレストラン殺人事件」の裏ネタ編の増補は今回限りとなります。で、高村さんが劇中で口にした「クールダウン」について、「シャーベット」について、「フラッペ」について、鑑識メモ」で柴田さんがこれを手にしていたことから「オール」について、「ここに冒険に行きたい」と言っていたことから「大海原」について記します。
また、この物語について過去に記した記事(MBS放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。BS-i(当時)での本放送時に記した記事へのリンクもあります。また、この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/4/13付です。
「クールダウン」:「クーリング・ダウン」または「整理運動」と言うこともある。主運動が終わった後、徐々に安静時に戻していくために行われる運動の一種、またはその行いのことである。また、そこから派生して、本番が終わった後、肉体だけでなく、頭を休めたり、精神的に休む状態に入るために行うもの、また、熱くなったものを冷やす行為のことも指す。
これは、身体の手入れの一つでもあって、熱くなったままでは何かと問題が生じるため、それを回避するために行うものである。具体的なものとしては、運動後のアイシングなどはこれの典型的なものということになる。
英語では「Cooldown」または「Cooling Down」、ドイツ語では「Kühle-Daune」、フランス語では「Refroidit-en Bas」、イタリア語では「Rinfresca-in Giù」、スペイン語では「Refresca-abajo」、ポルトガル語では「Esfriar-abaixo」、中国語では「酷下降」と言う。
「シャーベット」:氷菓子の一つであって、果汁や洋酒に香料と甘味料を加え、それ凍らせた氷菓である。「ソルベ」という言い方もある。
尚、アイスクリームとの違いは、果汁を凍らせているということで、これは脂肪成分の含有量が低いということになる。(アイスクリームは牛乳を使うため、乳脂肪分が含まれている。)また、「ジュース」は(日本では)果汁100%の液体であるが、「シャーベット」は果汁100%ではない果汁を凍らせたものでも構わないので、「ジュースを凍らせたもの」ではないものも存在することになる。
尚、国によっては多少の(法的な)違いがあるものの、氷菓子であるということは変わらない。また、国によってはミルク成分を含んでいなければならないというところもあったり、シャーベットとソルベとは完全に区別されていると殺し、同一のものとされている所もある。
英語では「Sherbet」、ドイツ語では「Fruchteis」、フランス語では「Limonade en Poudre」、イタリア語では「Sorbetto」、スペイン語では「Sorbete」、ポルトガル語では「Sorvete de Frutas」、中国語では「果汁露冰激凌」と言う。
「フラッペ」:氷菓子の一つであって、かき氷にリキュール類やシロップなどを注いだ飲み物のこと、またはかき氷、果物、アイスクリームなどを盛り合わせた氷菓子のことである。(前者は「菓子」ではなくて飲み物ということになる。)元々はフランス語であって、「氷で冷やしたもの」と言う意味であって、飲料のことを指すのだが、日本では氷菓子のことも指すようになった。
日本では「かき氷」と同一視されることもあるが、「かき氷」は砕いたり削ったりした氷にシロップを掛けたものであるが、「フラッペ」はかき氷に果物(果肉)や餡を添えたもの、アイスクリームを乗せたもの、というように、「かき氷+α」というように認識されている。→日本語の「フラッペ」は和製語(和製フランス語)と言って良いですね。
フランス語では「Frappé」、英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では「Frap」(発音は一部で同じであるが、アクセントまで含めると違っている。)、中国語では「刨冰冷飲」と言う。
「オール」:船具の一つであって、「櫂(かい)」のことである。船を薦めるために人力で漕ぐ時に使用するものである。棒の一端の半分から上の部分を丸く、下側の部分平たく削ったものであって、他端は普通の棒状をしている。加工した部分を水面に入れて、反対側を握り、水を櫂で小船を進めるために使用するものである。
昔は、動力機関がなかったため、大きな船も小さな船も、全て人力で漕ぐということが基本であった。(帆の利用はありましたけど...)その代表的なものが「ガレー船」(軍艦である。)と呼ばれる船であって、ある程度の人数の漕ぎ手(主に奴隷)によって進むという船が知られている。
また、小さな船でも、公演にあるようなボート、カヌーなどではこれを用いて船を進めることになる。
但し、「オール」と言うと船縁に支点を設けて用いるものを指し、船縁に支点を設けないでしわ得するものは「パドル」と呼んで区別する。(パドルは両端に水をかく部位が設けられているものと、片側しかないものとがある。)
また、日本をはじめ、東南アジアの小舟では、船頭が船の後ろで、舵としての機能と推進力を与える機能として用いる「練り櫂」、そこから発展した「艪(ろ)」というものがあるが、「櫂」はそれらとも区別される。(「艪」は英語では「Scull」と言って、やはりオール(櫂)とは別物とされている。)
英語では「Oar」、ドイツ語では「Ruder」、フランス語では「Aviron」、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では「Remo」、中国語では「槳」と言う。
「大海原」:「おおうなばら」と読む。広々とした海のこと、大きく広がっている海のこと、大海のことを言う。尚、どの程度の大きさから上になると「大海原」と言って「海」と区別するのかという明確な基準は無いが、「大海原」と言う際は、基本的に水平線までの範囲に障害物が無くて海が広がっていることを言うのが一般的である。
英語では「The Ocean」、ドイツ語では「Der Ozean」、フランス語では「L'océan」、イタリア語では「L'oceano」、スペイン語では「El océano」、ポルトガル語では「O oceano」、中国語では「汪洋大海」と言う。
尚、人名として苗字となった場合、「おおみはら」と読む場合、「わだのはら」と読む場合もある。→人名となると読み方は非常に難しくなります。但し、人名となった場合は「海」という漢字は「み」と読むことは結構ありますね。
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WINGS『BAND ON THE RUN』(DELUXE EDITION) [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1973年12月に発表された彼らの3rd.アルバムであり、かつ、彼らの最高傑作と言われているアルバムである。(チャート成績、セールスのいずれもがWINGSとして再興を記録している。)そう言うこともあって、1999年には25周年記念盤がリリースされ、2010年にはDVD付きのデラックス・エディションがリリースされている。
チャート成績は、英米豪とノルウェーで1位を獲得、ニュージーランドで4位、オランダで5位、日本で11位、(西)ドイツで15位を記録している。また、1974年のBillboard年間アルバム・チャートでは3位にランクインしている。
収録曲は以下の通りである。まず、DISC 1であるが、これは'73年に発表されたオリジナル盤そのままという内容であって、収録曲は以下の全9曲である。『Band On The Run』『Jet』『Bluebird』『Mrs Vandebilt』『Let Me Roll It』『Mamunia』『No Words』『Picasso's Last Words (Drink To Me)』『Nineteen Hundred And Eighty Five』。尚、US版には『Helen Wheels』が8曲目に収録されていたが、デラックス・エディションはUK盤をベースにしているため、DISC 1には収録されていない。(DISC 2に収録されていますけど...)
DISC 2はボーナス・ディスクという位置づけで、以下の9曲が収録されている。『Helen Wheels』『Country Dreamer』『Bluebird [from One Hand Clapping]』『Jet [from One Hand Clapping]』『Let Me Roll It [from One Hand Clapping]』『Band On The Run [from One Hand Clapping]』『Nineteen Hundred And Eighty Five [from One Hand Clapping]』『Country Dreamer [from One Hand Clapping]』『Zoo Gang』。
更に、DISC 3は、1999年にリリースされた25周年記念盤に収録されていたコメンタリーを含む映像集となっている。収録曲は以下の7曲である。(但し、ラスト・トラックは15曲を聴くことが出来る。)『Band on the Run(Music Video)』『Mamunia(Music Video)』『Album Promo』『Helen Wheels(Music Video)』『Wings In Lagos』『Osterley Park』『One Hand Clapping』。
オリジナル盤からのシングル・カットは都合3曲である。1st.シングルの『Jet』ニュージーランドで2位、英米では7位、日本でも39位を記録する大ヒットになった。続く『Mrs Vandebilt』は英米ではシングル・カットされていないが、オランダで屋位、ニュージーランドで9位、豪州で41位を記録している。そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Band On The Run』はBillboardで1週だけとはいうもののNo.1の座を獲得し、1974年の年間シングル・チャートでも22位にランクインしている。また、カナダとニュージーランドでも1位、イギリスで3位、オランダで7位、日本では58位を記録している。また、UK盤には未収録であるがUS盤に収録されている『Helen Wheels』もシングルとしてリリースされていて、カナダで4位、アメリカで10位、イギリスで12位、日本では56位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Band On The Run』『Jet』『Mrs Vandebilt』は当然であるが、それ以外はあえてピックアップしないことにする。というのは、結局「全部」となってしまうのは目に見えていますから...
本アルバムはWINGSの代表作であるため、これまでにも色々と特典が付いたものがリリースされている。が、デラックス・エディションはその名前の通り、内容的にも充実しており、特にDISC 1がオリジナルであるUKと同じ収録曲になっているという所がミソである。
25周年記念盤を持っている方も、改めてデラックス・エディションを入手されることをお薦めしておく。また、ファンであれば完全限定生産のハードカバー本付きの方をというのは当たり前であるが、DISCの方は通常盤でも変わらないので、通常盤でも宜しいかと...
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その222) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「カメラマンの失敗」です。尚、テーマに「失敗」という言葉を含めて条件付けているのは、単に「カメラマン」というのであれば、両作とも色々と登場しているため、収拾が付かなくなるためです。で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「海・3rd.2話」、「007」からは「ドクター・ノオ」です。
「ケータイ刑事」:「海・3rd.2話」。「吸われる魂! ~血を吸うカメラ殺人事件」。松山さんがTVシリーズに初登場したが、前話はお約束も色々あったため、この物語から松山さんの力量が問われることになった物語である。が、心配することなく、海ちゃんとの3人のコンビを組んだ相棒の中では、最も波長があったコンビになったが、そのナイス・コンビぶりが色々と出ている物語である。
写真家の浜地ノブヨシ(通称:ハマーチ)から松山さんに撮影会の招待状が届き、海ちゃんと共にハマーチの所に行った。ハマーチは「血を吸うカメラ」と言われている曰く付きのカメラ(このカメラで写真を撮られた人間は必ず死ぬと言われている)を使って、セクシー女優のキンメダイ・オブ・チョイトイの撮影を行った。(チョイトイも、そういうカメラだと言うことを承知の上で、同意してモデルを務めた。また、チョイトイは落ち目であったことから、話題になって第一戦に復帰することを考えていた。)
撮影が終了し、楽屋に戻ったチョイトイは、最初はどうもなかったが、暫くしてメイクを落としていると、突然苦しみだして謎の死を遂げた。
捜査を開始した海ちゃん。遺体からは青酸カリと、口紅からは松脂の成分が検出された。松山さんはカメラから氷の毒針を飛ばした、サブリミナル効果で毒水を飲ませた、というような珍推理を語っていた。(いずれも海ちゃんにあっさりと否定された。)
そんな中、ハマーチはちょっとしたことからキンメダイのマネージャーの間黒との間でちょっとした諍いがあり、血を吸うカメラで間黒を撮影使用とする。が、松山さんがそれを止めるが、誤って松山さんが血を吸うカメラのシャッターを切ってしまい、間黒を撮影することになった。それすら直ぐに間黒は苦しみだし、死亡してしまった。松山さんは、自分が間黒を殺してしまったと言ってぶっ壊れる。
まもなく、間黒の死因が青酸カリ中毒と言うことが判明すると、松山さんは立ち直って、「俺は犯人じゃない」と天国に昇ったように豹変した。が、捜査は振り出しに戻ったと海ちゃん。
そんな海ちゃんの表情を、ハマーチは別のコンパクトカメラで撮影した。が、この時、室内での撮影なのにフラッシュが光らなかったことで、海ちゃんは疑問を持ち、ハマーチーがチョイトイを殺害したトリックに気づいた。
やはり、ハマーチの犯行であって、キンメダイ殺しはクレンジングペーパーに青酸カリを仕込んでおき、口紅に松脂を含ませたことで、それを落とすために念入りにクレンジングペーパーを使い、唇から青酸カリが体内に入ったのだった。また、間黒は爪楊枝を銜える癖があり、一悶着したときに青酸カリを塗った爪楊枝を間黒のポケットに入れた。その爪楊枝を間黒は口に入れたため、死んでしまった。そして、毒物はコンパクトカメラの電池ボックスの所に隠したと説明した海ちゃんは、カメラの提出を求めた。これを拒んだハマーチだったが、抵抗したことからもみ合いとなってしまい、カメラを落としてしまった。床に落ちたカメラは電池ボックス部の蓋が開いてしまい、その中から口紅のついたクレンジングペーパーと爪楊枝が出てきた。
ということで、ハマーチはコンパクトカメラの提出を拒み、自ら落としてしまうという失敗をして、犯行の証拠を提供してしまった。また、本来あるはずの電池は植木鉢に突き刺してあったと柴田さんが報告すると、「電池を育てるご趣味でもおありですか?」とトドメを刺した。するとハマーチは観念し、その場に腰を下ろして犯行を認めたのだった。
尚、「血を吸うカメラ」は何の言われもないごく普通のカメラだったということが判明した。
「007」:「ドクター・ノオ」。1962年の記念すべきシリーズ第1作である。(当然のことながら、初代ボンドの第1作である。)シリーズの中で、唯一の低予算作品であるが、そういうことを感じさせない作りは流石である。尚、本作の世界的なヒットによって、自作からは製作費が1桁多くなったということも、現在では「007」シリーズの人気を語る上での伝説の一つとなっている。
ジャマイカ支部からの連絡が途絶えたことでボンドが現地に派遣された。一方、ドクター・ノオは色んな人材を雇っていて、そのなかに情報を集めるカメラマンの女がいた。(原作小説では「アナベル・チャン」という名前があるが、映画では名前は語られていない。)ボンドがジャマイカにやってくるという情報は漏れていて、彼女はフランスのジャーナリストに扮して、ボンドの様子を探るという任務を与えられていた。で、空港でボンドを待ち受けていた。
到着したボンドが空港から出てくるところを、女は写真を撮ろうとした。が、ボンドはカメラがあることに気づき、手にしていた帽子で顔を描くし、女に写真を撮らせなかった。で、ボンドはタクシーを拾おうとするが、そこに「迎え」と言った男が声を掛けてきた。で、荷物を預け、ホテルの予約を確認すると言ったボンドは、総督に電話して確認をする。その時、カメラマンの女はボンドを迎えに来た男と接触して、何か語っていた。電話を掛けながらもボンドはそのことをチェックしていた。
ボンドを迎えに来た男はドクター・ノオの配下の男で、ボンドを始末しに来たのだったが、もともと秘密裏のジャマイカ来訪ということで、迎えが来ること事態がおかしいということで、ボンドは運転手の男に運転させて、途中で始末した。
更に、調査を進めたボンドは、夜、ナイトクラブデCIAのフィリックス、仲間のクォレルたちと情報交換を行っていた。そんな所に女がフラッシュを焚いてボンドの写真を撮った。すかさずボンドはクォレルに「女を捕まえろ」と指示を出した。で、クォレルは女を捕まえてボンドの元に連れて来た。
「何故写真を撮るのか?」とボンドが問うと、「空港では帽子しか撮れなかった」と答えた女。続けて「何処の社だ?」とボンドが塔と、「デイリー・グリーナー」と答えた。で、ボンドはデイリー・グリーナーに女の子とを確かさせるように指示をした。すると女は「フリーだ」と言った。ボンドは更に「雇い主は?」と問うが、それには答えなかった。
また、女は使用済みのフラッシュバルブを割り、それデクォレルの顔に傷を付けたが、クォレルは動じることなかった。ボンドは女のカメラを開いてフィルムを引っ張り出すことで感光させて、写真をダメにした。で、ボンドは女を解放したが、「後悔するわよ」と捨て台詞を女は吐いて消えた。
尚、この物語は1962年の作品であるため、現在のようにデジタルカメラというものは存在しておらず、カメラというと、言うまでもなくフィルム・カメラである。また、フラッシュもかなり大きなものであって、フラッシュバルブを使うということであり、カメラ本体もかなりの大きさのものである。ボンドが(昼間の空港での)カメラに気づくというのも当然である。
また、現在だったら、フィルムカメラではなく、デジカメということになるであろうが、その場合はフラッシュメモリを(物理的に)破壊するということになるのでしょうね...
尚、女カメラマンは、空港でボンドの写真を撮り損ねたが、余りにもまともな位置にいたということで、立ち位置のミスをしており、更に、ボンドを迎えに来た男と接触したことがボンドに不審者と気づかせてしまったという失敗をしていて、顔を覚えられてしまったという墓穴を掘ってしまった。
共通点は、大きくないミス(「ケータイ刑事」ではフラッシュを焚かなかったこと、「007」では安易に仲間と接触したこと)をしたことが墓穴を掘ることになり、主人公(銭形/ボンド)に見破られてしまったということである。また、そのカメラマンは他人を傷つけるという行動(「ケータイ刑事」では2人を殺害し、「007」ではクォレルの顔を傷つけている。)をしているというところも共通している。
一方相違点は、「ケータイ刑事」では殺人を認めることになったため、逮捕されることになったが、「007」では解放されている。(但し、カメラマンの女については、ナイトクラブを出た後については劇中では全く描かれていない。よって、ボンドの写真を撮ることに失敗したことで、ドクター・ノオに消されているかも知れないし、逃げ延びているかも知れない。→消息、安否不明ということです。)
次回からは18クール目に突入です。ボチボチ「M3」を取り上げようかとも思いますが、作品としてはいま一つであったこともあって、あまり印象に残っている所が無いだけに...まあ、TVシリーズからのネタがあるので、今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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