URGA(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1991年の映画「ウルガ」である。(本作について、フランス映画としているものもあるが、スタッフはソ連の映画人であり、資本としてフランスが関係しているため、「フランス映画」と言うのは性格ではない。)中国・内モンゴルを舞台に、その地で暮らす一家の生きていく様を描いた人間ドラマである。また、ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞している作品である。
作品データを記しておくと、時間は119分、監督はニキータ・ミハルコフ、脚本はルスタム・イブラムベーコフとニキータ・ミハルコフの2人、撮影はヴィレン・カルタ、美術はアレクセイ・レフチェンコ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフである。そして出演は、バヤルト、パー・トーマー、ウラジミール・ゴストゥーヒン、パオ、ウーリンレ、たちである。
中国・内モンゴル自治区に広がる大草原には遊牧民族が暮らしている。ゴンボと妻のパグマ夫妻もそう言う暮らしをしている。夫妻には3人の子供がいたが、ゴンボは4人目が欲しかった。しかし、パグマは4人目はいらないと言う。というのは、中国の法律では子供は1人とされているが、モンゴルの法律では子供は3人までと決められているためでもあった。ゴンボはチンギス・ハーンに憧れているため、チンギス・ハーンと同じように4人の子供が欲しかったのだが、パグマは避妊具が無ければ嫌だ、というのだった。
ある日、ゴンボは草原の中で、トラックを河に落としてしまって立往生していたロシア人のセルゲイと出会い、彼を助け、家に連れて来た。ゴンボの家は遊牧民特有の家であるゲルであり、遊牧民風の歓迎でセルゲイはもてなされた。で、2人の間には言葉の壁があったものの、熱い友情で結ばれる。その夜。ゴンボは再び妻に迫ったが、「避妊具を用意して」と言われ。遊牧民の子供として生まれたゴンボはそれがどういうものかよく分からずにいたら、町育ちのパグマは町で売っていると教える。で、翌日、ゴンボはセルゲイと共に町に出掛けた。文明の波が押し寄せていることを感じながら、店を歩き渡る。しかしどうしても避妊具だけは買うことが出来ず、テレビ、自転車、帽子を買った。そしてセルゲイとディスコに足を踏み入れた。セルゲイが、一騒動起こすが、その後始末をつけたゴンボは草原の家向かうが、途中で疲れもあってうたた寝してしまう。その時、夢を見たゴンボは、チンギス・ハーンが現れて「モンゴル人ではない」と告げられた。確かによく見ると、チンギス・ハーンの顔は叔父・バヤルトで、その隣にいた女は妻のパグマだった。これで目が覚めたゴンボは、家に帰り、買ってきたテレビを見るようになった。そんな中、パグマに頼まれたものは売り切れだったと言ったゴンボに、パグマは黙って草原へと出ていった。ゴンボは直ちにその後を追っていった...
物語としては、遊牧民のある日の生活を追ったものであって、派手な所もなく、拉致情の一コマを描いている。が、日本では余り紹介されていない人々の暮らしぶりが描かれているということで、物語として見るというよりも、遊牧民族の暮らしを知るという別の役割がある作品である。
また、美しい景色や雄大な台地など、物語の舞台となっている自然の素晴らしさも知ることが出来る。そして、音楽の方もなかなか良くできていて、スケールの大きさを感じさせてくれる。特に、普通の楽器やシンセサイザーを使っているという所は平凡であるのだが、モンゴルの楽器であるジョルダガという弦楽器の調べを聴くことが出来るのが良い所である。
サントラ盤の収録曲は以下の全16曲である。『The Moon』『Urga』『Urga Thema』『Discoteca』『Dance Of Gombo』『Main Theme』『Temple Of Panchen Sumi』『Russian Theme』『The Apple』『Dream Of The Eagle』『Genghis Khan』『Bajartou』『Na Sobkach Mandjurie』『Minima Tok』『Pursuit』『Urga Love』。
ということで、本作は映画本編(物語)は日常生活を描いたものであるが、日本では余り知られていない遊牧民族の暮らしを知ることが出来、更にモンゴル特有の楽器を知ることが出来る音楽があるということで、モンゴルの平原に暮らす遊牧民を学ぶことの出来る作品である。映画を楽しむだけでなく、勉強にもなる作品である。(但し、LDではリリースされていたものの、DVD化されていないので、映画の方を見ようとすると、少し苦労しますが...)
↓ビデオです。(DVD化されていません。)
PSYCHEDELIC FURS『THE PSYCHEDELIC FURS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。結成はパンク・ブーム真っ直中の1977年であるが、レコード・デビューは1979年であり、本アルバムは'80'sの声を聞いてからリリースされることになった。第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波によって、ポスト・パンク、ニューウェーブ系のサウンドが大いに注目された時期であり、彼らもニューウェーブ系のバンドの1つとして注目を集めてリリースされたアルバムである。尚、チャート成績はイギリスでは最高位18位を記録するヒットとなったが、アメリカではBillboardで最高位140位を記録しただけであった。(しかし、イギリスでは、アルバムは好調であったがシングルは伸びなかった。)
収録曲はUK盤とUS盤で異なっているが、本国イギリスでのものを記しておく。UK盤の収録曲は以下の全9曲である。『India』『Sister Europe』『Imitation Of Christ』『Fall』『Pulse』『We Love You』『Wedding Song』『Blacks/Radio』『Flowers』。
ちなみに、US盤は全10曲であり、『Blacks/Radio』が削除されていて、『Susan's Strange』と『Soap Commercial』が収録されている。また、CD化されたときにはUK盤をベースにして、以下の4曲がボーナス・トラックとして追加されて、全13曲の収録になっている。(内2曲は、US盤のみの収録曲である。)『Susan's Strange』『Soap Commercial』『Mack the Knife』『Flowers (Demo)』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。前年にリリースされたデビュー・シングルの『We Love You』は、アメリカではBillboardのダンス・チャートで77位を記録、2nd.シングルとなった『Sister Europe』はニュージーランドで47位、オーストラリアで100位を記録しているが、本国イギリスでは共にチャート・インせず、伸びなかった。
お薦め曲としては、シングル曲の『We Love You』、それ以外からは『India』『Fall』『Wedding Song』『Flowers』と言うところをピックアップしておく。
'60'sのサイケデリックな雰囲気と'70'sのプログレ的な要素、とパンク系のエネルギッシュな要素、そして'80'sのポップなセンスとがミックスしていて、それが独特のサウンドとなっていて、実に面白い所である。(ある意味では、当時の「ニューウェーブ」と言う言葉がピッタリと当てはまるサウンドである。)
イギリスとアメリカでの温度差が大きかったこと、また、アルバムとシングルの評判がセールスに繋がっていない所など、当時の音楽史上の面白い所も出ているということで、'80'sに向けた新しいサウンドの台頭という音楽的なことも当然注目されるところであるが、それ以外の所でも何かと研究することの出来るアルバムであり、一度は聴いておきたい所である。
ケータイ刑事銭形零13話[裏ネタ編]PART 6 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第13話「バーボン刑事、死す?! ~無差別連続爆破事件」の「裏ネタ編」の5回目の増補となる今回は、二朗さん(遠州理津)がこれをやっていたということから「リポーター」について、現場で高村さんはこれを手にして警官たちに指示を出していたことから「拡声器」について、爆弾があったのはここだったということから「電話ボックス」について、高村さんはこれがそこに閉じ込められたのを見た智美が言った「ねずみ取り」について、柴田さんにこれは嫌いと言った「浪花節」について、爆弾事件のことを「崇高な儀式」と言ったことから「崇高」について記します。尚、「電話ボックス」については「泪・16話(2nd.3話)[裏ネタ編]PART 5」で記したものをベースにして加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/13日付です。)
「リポーター」:「レポーター」という場合もある。(新聞、雑誌、テレビ番組では「リポーター」という表記を使うことを基本としている。)取材場所に行って取材を行い、その報告をする人のことである。尚、新聞、雑誌では「記者」と言うこともあるが、テレビ番組では基本的に「リポーター」と読んでいる。また、テレビのワイドジョーでは、取材分野が細分化していて「○○リポーター」と呼ばれている人たちがワイドショーの常連になっている。(例えば「芸能毛ポーター」「グルメ・リポーター」などはその代表的な存在になっている。)
以前は、新聞や雑誌などの活字媒体に、社会問題となっているようなことの取材を行い、その報告を行う人を「ルポライター」と呼んでいたが、現在ではこの言い方も残っているが、少なくなってきている。(一応、社会問題に対して、活字で報告する人は「ルポライター」と言うが、活字以外の形で報告する人は「リポーター」と呼ばれるため、テレビに出てくる人は基本的に「リポーター」と呼ばれる。)
英語、ドイツ語、イタリア語では「Reporter 」、フランス語では「Reporteur」、スペイン語では「Reportero」、ポルトガル語では「Reportagem」という。
尚、活字媒体に報告する人は個人で行動し、取材し、記事にしている人が多いが、テレビに於いては、番組に出てくるのはリポーター1人であっても、取材はチームとなって行動していることの方が多い。(撮影するスタッフなどがいる。→撮影までも自分で行うという人もいるが、そう言う人は「リポーター」ではなく「ジャーナリスト」または「ルポライター」と呼ばれる方が多い。)
「拡声器」:「メガホン」または「メガフォン」と言うこともある。声を大きくして、遠くまで届かせるために使用する道具である。電気的に音声を増幅する電気回路を持っていて、-本体の後部に設けられたマイクに向かって喋った声を増幅し、大きな音として発するものである。
人混みなどで行われる選挙演説の時に使用されたり、多く人が集まる集会で、集まっている人たちに何かを伝える場合、更にデモ行進、映画の撮影現場などでも使用される。
「拡声器」と言うと電気回路を有しているものであるが、電気回路を有してないものでも、声を大きくして遠くまで届かせることが出来るものがあって、それのことを一般的に「メガホン」と言う。(「拡声器」も「メガホン」と言うこともあるが、電気回路を持っていないものは「拡声器」とは言わない。(この場合の「器」は「電気機器」という意味ですから...))
一般的に「メガホン」と呼ばれるもの(電気回路を有していないもの)は、応援団(リーダーなどは除く)が手にしているが、プロ野球や高校野球の応援席では一般的に使用されるものであるのでお馴染みのものになっている。
英語では「Loudspeaker」、ドイツ語では「Lautsprecher」、フランス語では「Haut-Parleur」、イタリア語では「Altoparlante」、スペイン語では「Altavoz」、中国語では「傳話筒」と言う、また、「メガホン」は、英語では「Megaphone」または「Speaking Trumpet」と言い、ドイツ語では「Sprachrohr」、フランス語では「Mégaphone」、イタリア語では「Megafono」、スペイン語では「Megáfono」、中国語では「喇叭筒」と言う。
「電話ボックス」:公衆電話を設置した専用の箱形の建物であり、町中の屋外に設置されているものである。これは風雨から電話機を守る役割もある。(そのため、屋内や地下街などに設置された公衆電話には「電話ボックス」と呼ばれるものは使われない。)
日本における歴史は、1890年に京橋に設置されたのが初めである。当時は六角錐型の電話ボックスであった。それが内部がほぼ正方形で四面を壁で囲まれたものに変わっていくことになる。但し、外から内部が見えるようにということで、四面の壁には窓を設けていた。(「泪・2nd.3話」に登場したものは戦後、広く使われたものである。)その後、それでは死角があり、中の様子が分からないことが問題となった。(電話ボックスという狭い空間を使った様々な犯罪の温床となった。)で、その問題点を解消するために、壁の四面いずれもが透明のガラスとして、死角を泣きして中の様子が丸見えになる電話ボックスに改められた。
ただ、最近は携帯電話の普及によって公衆電話の設置数が減少しており、それに伴って電話ボックスの設置数も減少している。
英語では「Telephone Booth」(アメリカ)、「Telephone Box」(イギリス)と呼ばれるが、米英で呼び方が異なっている単語の代表的なものでもある。(但し、米英でも携帯電話の普及によって減少しているのは同じである。)また、ドイツ語では「Telefonhütte」または「Telefonzelle」、フランス語では「Cabine Téléphonique」、イタリア語では「Cabina Telefonica」、スペイン語では「Cabina Telefónica」、中国語では「電話間」と言う。
「ねずみ取り」:害虫である鼠を捕獲するために用いられる罠の総称である。また、派生した意味として、警察が行う速度違反の取り締まりのことを指す俗語であり、また、罠を設置することを、捕獲対象が鼠で無くても「鼠取りを仕掛ける」と言うため、「罠」の別称となっている。
本来のねずみ取りには、大別すると2種類のものがある。1つは「機械式」と呼ばれるものであって、機械的に鼠を捕らえるものである。(バネ式のメカで鼠を捕獲したり、檻の中に入れて外に出られないようにしたものがある。)また、ゴキブリホイホイのように粘着式のものもこれに含まれる。もう1つは「毒餌式」と呼ばれるものであって、毒物を含んだ餌を用いるものである。
この物語では、高村さんが電話ボックスの中に入り、そこから出られなくなったため、機械式のねずみ取りのようになっていた。
英語では「Mousetrap」、ドイツ語では「Mausefalle」、フランス語では「Piège à souris」、イタリア語では「Trappola per topi」、スペイン語では「Ratonera」、中国語では「捕鼠器」と言う。
「浪花節」:「浪曲」と言うこともある。趣味線の伴奏によって語り聴かせるものであり、演芸の一つである。題材としては軍書、講釈、文芸作品、演芸などから一般的な話まで幅広く、それらを元にして作られた話であって、大衆芸能の一つである。演者は三味線を弾きながら、独演という形で語り聴かせる、というものである。
歴史的には江戸時代末期の大坂で始まったものとされている。(150年程度の歴史しかないということで、日本の芸能の中では比較的新しいものということになる。)また、祖は浪花伊助とされている。広く知られるようになったのは明治になってからで、日露戦争の後(19世紀末)に大衆芸能として定着し、明治後期の桃中軒雲右衛門が中興の祖とされている。以後は大衆系能の中でも人気の高いものとなり、戦後暫くは全国的に人気の高い芸能となっていた。
英語では「Naniwa-bushi Reciting」または「Rokyoku」、ドイツ語では「Naniwa-bushi」または「Naniwabushi-Vortrag」、フランス語では「Naniwabushi Réciter」または「Récitation Naniwabushi」、イタリア語では「Naniwa-bushi Recitando」または「Racconto di Naniwabushi」、スペイン語では「Naniwa-bushi Recitando」または「Recitación de Naniwabushi」、中国語では「浪花曲」と言う。尚、近年では「Naniwabushi」と言っても通じるようになっている。
「崇高」:気高く偉大なこと、普通の程度をはるかに越えていて、驚異、畏敬という感じを与えているさまのこと、壮大なもの、雄大なものに対して感じる感情のさま、を意味する。
特に、芸術の世界ではしばしば用いられていて、クラシック音楽の世界でリヒャルト・ワーグナーを語る際、しばしば用いられている。
英語では「Sublimeness」、ドイツ語では「Sublimity」、フランス語では「Sublimité」、イタリア語では「Sublimità」、スペイン語では「Sublimity」、ポルトガル語では「Sublimity」、中国語では「崇高」と言う。
芸人・リポーターが使うどんな場面でも会話に困らない55のかんたんルール
- 作者: 中村 豪
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/01/20
- メディア: 単行本