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「女賭博師」(その3) [映画(邦画)]

今回は、前作が好評だったために江波杏子主演で製作されたシリーズ第2作と第3作についてです。第2作の劇場公開は第1作から8ヶ月後となる1967年7月であり、第3作はそれから2ヶ月後の1967年9月であった。しかし、当時は特にシリーズということは謳われておらず、主演は江波杏子であるものの、第1作との繋がりは無く、第2作も第3作も独立した物語である。

シリーズ第2作女賭博師
作品データを記しておくと、1967年の大映作品であって、時間は85分、原作は松浦健郎、監督は弓削太郎、脚色は松浦健郎、撮影は宗川信夫、美術は仲美喜雄、音楽は池野成である。そして出演は、江波杏子、加藤嘉、川口小枝、山田吾一、本郷功次郎、内田良平、仲村隆、高村栄一、早川雄三、内田朝雄、竜岡晋、水原浩一、夏木章、春本泰男、高見国一、津田駿、河島尚真、谷謙二、大山健一、伊東光一、たちである。

幼い頃から、胴師の父・源造によって仕込まれた夏江は、女賭博師としての腕は名人芸と呼ばれている。六本木でピアノバーを経営しているが、女賭博師との2つの顔を持っていた。そんな夏江の側には、松吉が逸美彼女を守るようにいた。グローバル工業の社長・磯部は、実はやくざの親分であり、夏江に何度も求婚していたが、首を縦に振らない夏江だった。ある日、温泉の賭場で、夏江は自分の手を続けて読んだ女子大生・滝子と出会う。滝子は公金を横領した恋人を助けるため賭場に来て金を作ろうとしたのだったが、最後の勝負で夏江に敗れてしまい、恋人と共に自殺を計った。夏江は、素人の滝子を賭場の世界に引き込むことに抵抗を感じたため、その勝負でる。イカサマ札を使ったが、滝子は生き残ったと知った。磯部は、夏江がイカサマ札を使ったことを滝子に語ると、滝子は夏江の恋人の写真家・田上に近づき、夏江と田上の仲を引き裂いた。そんな折り、磯部は勢力拡大の為、全国の親分集を集め、大々的な賭場を開く。しかもそれを警察に密告し、全てを菊田の親分のせいにして、ライバルを蹴落とした。この時、胴師を務めたのが源造であり、その責任を感じて自殺してしまう。夏江は菊田に会い、密告者を問い糾すと、磯部の野望を知る。一方、松吉は源造の仇ということで磯部を刺すが、磯部の子分に殺されてしまう。夏江の周囲にいた人は一人もいなくなり、夏江には花札しか残らず、その道で生きていくことにした。

中盤までの展開としては悪く無いのだが、クライマックスに向かうところからは主人公・夏江の黄道に物足りなさを感じてしまう展開である。うことで、終盤が残念な作品でした。

シリーズ第3作女賭場荒し
作品データを記しておくと、1967年の大映作品であって、時間は86分、原作は松浦健郎、監督は弓削太郎、脚本は長谷川公之、撮影は渡辺公夫、美術は山口煕、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、成田三樹夫、高千穂ひづる、加藤嘉、小池朝雄、桂米丸、都家かつ江、千波丈太郎、甲千鶴、水原浩一、青山良彦、飛田喜佐夫、待田京介、橋本力、津山由起子、南堂正樹、関幸四郎、竹内哲郎、北城寿太郎、杉森麟、原田玄、志保京助、中原健、有島圭、たちである。

銀子は何処にでもいるようなごく普通のOLだった。父・辰吉が金策に苦労しているのを知ると、バーで知り合った鉄に誘われるまま、ある賭場に行ってサイコロ博奕をする。そして素人離れした腕で勝負に勝ち、大金を持って帰ってきた。そしてその金を辰吉に見せるが、辰吉はその金のことを知ると激怒した。彼は、かつて「昇り龍の辰吉」と呼ばれた日本一のツボ振りであったが、やくざな世界に嫌気が指して堅気になっていたのだった。で、銀子が得た金を返しに賭場に行った。その時、イカサマを注意するが、逆に刺されてしまう。銀子の元に帰ってきた辰吉だったが、傷が深く虫の息であって、銀子に「イカサマなしの日本一のツボ振りになれ」と言い残して息を引き取った。銀子は辰吉の言葉を受けて、徹底的にツボ振りの訓練を重ね、2年が過ぎた今では、その腕は凄く、賭場から賭場を渡り歩く女賭博師になっていた。そんな銀子は、ある日、自分を初めて賭場に連れて行った鉄と再会する。そしてこの時、鉄が「疾風の鉄」と呼ばれているツボ振りだったことを知る。そして勝負をし、鉄に勝った。それ以後、銀子は父の異名を受け継いで「昇り龍のお銀」と名乗るようにした。それからまもなく、銀子は秋子という女賭博師と、神崎組と田島組の縄張り争いの決着を付ける勝負を行うことになる。落ち目の田島のシマを神崎が奪うことを狙ったこの勝負で、銀子は病床の田島に同情し、勝負を行うことになったのだが、腕に自信のある銀子は必ずカツと言って勝負に挑む。で、秋子に勝って田島組のシマを守った。しかし、勝負の後の帰り道で、神崎組の者に襲われる。それを秋子が身を挺して守った。実は、秋子は銀子の姉であり、重症を負った秋子はそれを語ると息を引き取った。また、その場に居合わせた鉄が秋子の仇を取ると、警察に自首をした。鉄と秋子は恋人関係だったことを知った銀子は、自分も鉄に思いを寄せていたが、勝負師として生きていく決心をした。

物語としては前作、前々作とは全く関係なく独立したものであり、登場人物も同様である。(主演が同じと言うだけである。)が、ストーリーの骨組みと展開は大差がないだけに、製作当時はシリーズ作品ということを意識していなくても、完全にシリーズ化を意識していたことが分かる。(逆に、今だからこそ言えることでもありますが...)

まあ、お決まりのパターンで進んで行く物語は、驚きという部分がないものの、そのパターンが分かると安心していられるだけに、まあ宜しいかと...(5、6本となると、飽きてくるのだが、2、3本だったらそう言うこともまだですし...)

 

↓ビデオです。(DVD化されていません。)

女賭博師 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • メディア: VHS

 

↓こういうものがあります。

実況録音盤!歌いまくる大映スター(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト: オムニバス(勝新太郎/江波杏子/ザ・ガードマン他)
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: CD


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「THE ANDERSON TAPES」 [映画(洋画)]

先日、シドニー・ルメット監督が亡くなったという訃報が届いたので、ご冥福をお祈りすると共に、追悼ということで、彼の監督作品をいくつか記すことにします。社会派映画の巨匠として知られているが、彼の代表作とされている「十二人の怒れる男」と「ネットワーク」は以前に記しているので、それら以外の作品を取り上げることにする。

彼は、テレビ・ムービーの監督から映画監督となり、1957年の「十二人の怒れる男」で一躍名を馳せ、それ以降長い間社会派作品を製作している。しかし、彼の作品で良かったといえるものは概ね'80's前半までであり、晩年の作品は鋭い切口も失せていたのは残念な所である。今回は、そんな彼の作品の中から、過去に記した作品を除き、冴えていた'70'sの作品を何本か取り上げることにします。


表題の作品は1971年のアメリカ映画「ショーン・コネリー 盗聴作戦」である。日本公開も1971年(10月)であった。ニューヨークにある電子技術を駆使した高いセキュリティを誇る高級マンションを舞台に、金庫破りたちが挑む犯罪映画である。強盗一味とFBIとの頭を使った闘いが見所である。

作品データを記しておくと、時間は98分、原作はローレンス・サンダース、監督はシドニー・ルメット、脚本はフランク・ピアソン、撮影はアーサー・オーニッツ、音楽はクインシー・ジョーンズである。そして出演は、ショーン・コネリー、ダイアン・キャノン、マーティン・バルサム、ラルフ・ミーカー、アラン・キング、クリストファー・ウォーケン、ヴァル・エイヴァリー、ディック・ウィリアムズ、ギャレット・モリス、スタン・ゴットリーブ、ポール・ベンジャミン、アンソニー・ホランド、リチャード・B・シャル、コンラッド・ベイン、マーガレット・ハミルトン、マックス・ショウォルター、たちである。

デューク・アンダースンは金庫破りの罪で刑務所に入っていたが、10年の刑期を終えて出所した。彼が向かったのはイースト・サイドの豪華なマンションに住む愛人・イングリッドの元だった。そのマンションは豪華高級マンションであり、デュークは直ぐにその財産を計算し、それを奪うことを考えた。しかし、イングリッドはウェルナーという金持に囲われていて、部屋に仕掛けられた盗聴装置によってウェルナーが不在であっても監視されていた。デュークは計画を実業家のパットに話した。が、パットの本当の顔は暴力団のボスであって、FBIが監視していた。更にデュークは、計画を進めるためにトミー、キッド、スペンサーという3人のその道のプロを集めた。しかしその3人もやはりFBIが監視していたが、彼らはFBIに監視されていることを全く知らなかった。一同はマンションを徹底的に調べ上げ、部屋の見取り図、金庫の位置、守衛について、警備装置について、その全てを把握した。で、犯行の決行日が決まる。その日は労働感謝祭の日であり、盗んだ大型トレーラーに小型のバンを積み込み、ターゲットのマンションに向かった。途中でデュークの刑務所仲間とパットの差し向けた殺し屋を拾い、マンションの玄関に横づけすると、覆面をした一味が作戦を開始した。守衛を縛り、警報装置を切り、調べした見取り図に従って高価なものだけを奪っていく。住人たちを1つの部屋に集め、それを1人が監視し、他の仲間は次々と部屋から高価なものを奪っていく。各フロアを同じようにあさっていくが、4階のビンガム家の1人息子・ゲリーがアマチュア無線の通信機を持っていることを見落としたことが命取りになる。高価なものを物色していき、一味が部屋からいなくなると、ゲリーはアマチュア無線で事件を通報した。直ちに警察が動き、マンション一体は封鎖され、レンジャー部隊が派遣される。が、デュークたちはそんなことになっているとは知らず、次のフロアをあさっていた。5階の物色が終わった頃、デュークは屋上からの足音に気づいた。で、直ぐに盗んだものをバンに積み込み、脱出しようとする。トレーラーは急発進するが、封鎖網を作ったパトカーに突っ込んだ。警官隊が包囲してトレーラーの扉を開けると、バンが飛び出してきた。が、バンもパトカーの封鎖網に突っ込んだ。犯行は失敗し、キッドやスペンサーは死亡、トミーも逮捕された。しかしデュークだけいなかった。捜査をしていると、デュークのうめき声だけが聞こえてきた。デュークはイングリッドの部屋で力尽きて倒れていて、うめき声が盗聴器を通して届いていたのだった。

40年も昔の作品ということで、当時の先端のセキュリティ装置をはじめ、盗聴機器は現代の物と比べると玩具の様なものであるのは仕方のないところである。(逆に、古き良き時代のものということで、微笑ましく感じられることになる。)で、(当時の)先端技術に守られたマンションを相手に犯罪を行おうとするため、如何にもプロの職人が集まったという犯罪一味の頭脳戦というのは面白い所である。が、FBIが盗聴していて、計画が筒抜けになっていたところが十分に活かされていないとか、用意周到な一味がハム(アマチュア無線)を見落としていたというように、物語を進め能重で都合が良すぎると思えるところがあるのもまた事実である。中盤まではスリルと緊張感に満ちた良い展開であったため、物語の詰めが甘いということになるが、いざ行動をする時になると、肝心なところを忘れてしまうというのは意外とありがちなだけに、プロであっても人間的な一面が出ているということを思えば、なかなか面白いと感じる所である。

 

盗聴作戦 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


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PETER SCHILLING『ERROR IN THE SYSTEM(FEHLER IM SYSTEM)』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムはドイツのミュージシャンである彼のデビュー・アルバムである。括弧内のドイツ語タイトルのアルバムで(西)ドイツ・デビューをしたのが1982年で、翌1983年にその英語バージョンということで英語タイトルでリリースされている。(西)ドイツでは1位を獲得し、オーストリアでも4位を記録するヒットとなり、1983年の英語バージョンの方もカナダで1位、アメリカではBillboardで最高位61位を記録している。

収録曲は全9曲である。ドイツ盤での収録曲は以下の通りである。『…Dann Trügt Der Schein』『Fast Alles Konstruiert』『Die Wüste Lebt』『Fehler Im System』『Major Tom (Völlig losgelöst)』『Major Tom』『U.S.A.』『Ich Hab' Keine Lust』『Stille Nacht, Heilige Nacht』。

一方、US盤では、言語が英語になり、それに合わせて機を句のタイトルも英語になっている。(また、時間的にも少しずつ短い。→録音し直している。)英語タイトルは以下の通りである。『Only Dreams』『Lifetime Guarantee』『The Noah Plan』『Error In The System』『Major Tom (Coming Home)』『Major Tom, Part Ⅱ』『(Let's Play) U.S.A.』『I Have No Desire』『Stille Nacht, Heilige Nacht』。

この中からシングル・カットされたのは全部で3曲である。1st.シングルの『Major Tom (Völlig losgelöst)』が(西)ドイツ、スイスで1位となり、オーストリアとオランダでは2位という大ヒットとなった。2nd.シングルの『Die Wüste Lebt』は、(西)ドイツで7位、オーストリアで5位、スイスで10位を記録している。尚、3rd.シングルの『Fehler Im System』はチャートインしていない。また、ドイツで1位になったということもあって、翌年に英語で歌われた『Major Tom (Coming Home)』が英語圏でシングルとしてリリースされると、カナダで1位、南アで4位、イギリスで42位、アメリカ(Billboard)で14位、1984年の年間シングル・チャートでは96位にランクインするヒットとなった。

お薦め曲としては、彼の最大のヒット曲である『Major Tom (Völlig losgelöst)』(英語版では『Major Tom (Coming Home)』)、そしてシングル・ヒットを記録している『Die Wüste Lebt』(英語版では『The Noah Plan』)、アルバム・タイトル・ナンバーでもあり、シングル曲でもある『Fehler Im System』(英語版では『Error In The System』)、そして『Fast Alles Konstruiert』(英語版では『Lifetime Guarantee』)をピックアップしておく。

サウンドの方は、'80's前半のシンセ・ポップの典型的なものであり、'80'sサウンドらしい聴きやすいものである。(本国(西)ドイツでは、ニューウェーブの括りにされているのですが...)特にシンセサイザーを使った音楽は、'80's初頭には大きく発展したこともあって、1年の違いでもサウンドが完全に陳腐化してしまうというほどの速さで急激に進化した時代でもある。それだけに、突如現れて大ヒットを記録しても、それが長続きしないというアーティストは数多くいる。彼の場合、本国ドイツでは時々ではあるが、それなりのヒットとなるシングルを生んでいるが、英語圏では全くヒットが生まれないという状況であるため、『Major Tom』の一発屋ということで知られている。(アルバムの方は、ドイツでも苦戦している。)

とは言っても、'80'sらしいサウンドを堪能するには、'80's前半の方が何かと面白いものが多く、彼のサウンドも一度は聴いておくということで宜しいかと...

ちなみに、現在ではアメリカでもオリジナルであるドイツ盤がリリースされていて、オリジナルのドイツ語版と英語版の両方を聴くことが出来ます。

 

Fehler Im System

Fehler Im System

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wea International
  • 発売日: 2000/03/13
  • メディア: CD

↓ドイツ語版と英語版の「2 in 1」ということで、お買い得です。

Error in the System / Fehler Im System

Error in the System / Fehler Im System

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wounded Bird Records
  • 発売日: 2008/11/11
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形零13話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]

銭形零」の第13話「バーボン刑事、死す?! ~無差別連続爆破事件」の「裏ネタ編」の3回目の増補となる今回は、カルーセル智美に関することから「アストロジャー(占星術師)」について、「ノストラダムス」について、「十二星座(十二宮)」について、「鉄槌」について、「アンゴルモアの大王」について、「儀式」について記します。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/13日付です。)

アストロジャー(占星術師)」:古代バビロニアを起源とする占星術を行う人のことである。占星術は占いの一種であるが、天体の位置や動きを元にして発展していったこともあって、後の天文学の基礎となったものでもある。また、バビロニアで発祥した後、ペルシャ、インド、サラセン、中国などに伝わり、それぞれの場所で独自に発展していくことになった。また、欧州に伝わると、後の魔術、錬金術などにも影響を与えるようにもなった。

占星術のことを「Astrology」と言い、「占星術師」のことを「Astrologer」と言うが、日本語では「占星術師」または「占星家」、「アストロジャー」という言い方がある。また、ドイツ語では「Astrologe」、フランス語では「Astrologue」、イタリア語では「Astrologo」、スペイン語では「Astrólogo」、中国語では「占星術師」と言う。

ノストラダムス」:フルネームはMICHEL DE NOSTREDAME。16世紀のフランスの医師であり占星術師、詩人である。「諸世紀」を刊行したことで知られており、これは後に、世界の終末に関する予言(「1999年7の月に人類は滅ぶ」ということが1970年代になってから世界中で語られ、「ノストラダムスの大予言」として世界的な大ブームになった。)を記しているものとして広く知られている。但し、この予言は、刊行時には広く取り上げられることはなかった。(何ら、予言の時期まで440年強の時間があったためで、当時の人に取っては遙かな未来であった。)しかし、当時の彼は既に予言者として名前が通っていたこともあって、何らかの形で影響を与えることになり、オカルトの元になったり、新たな宗教を生んだりしている。

ノストラダムスは、1503年にフランスのプロヴァンスで生まれ、1566年に亡くなっている。彼自身は医学を学び、医師となり、リヨンで大流行したペストの治療に献身したことで人望を集め、晩年にはシャルル9世の侍医にもなっている。(一応、医者という肩書きで活躍したことになっている。)占星術に関しては1550年頃からのめり込むようになり、占星術師として活動するようになり、「予言集」(「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」)を記している。これが大反響となって、後の世までも彼を占星術師として記憶させるようになった。(特に、20世紀末が近づくにつれて、世界中で最も知名度の高い中世の人になったと言っても過言ではなくなったが、20世紀前半まではオカルトなどの一部の世界を除いては名前が通っていなかった。)

主な著書としては、「オルス・アポロ」「3月10日の7時から8時の間にフランス・サロンの町で多くの人に目撃された恐るべき驚異の光景」「化粧品とジャム論」「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」「メノドトゥスによる人文科学研究ならびに医学研究への勧告に関するガレノスの釈義」「王太后への書簡」「プロヴァンスにおける宗教戦争初期の歴史」等がある。(最も有名なのは「予言集」である。)

十二星座(十二宮)」:一般には「黄道十二星座」の省略した言い方であって、占星術で用いられる12のサイン(十二宮)のことである。これは、春分点を起点として、黄道を12等分し、それぞれの区間に星座を名付けたものである。(星座占いで使用される12の星座のことである。)

その12の星座とは、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、みずがめ座、うお座である。(但し、占星術では「十二宮」とよばれ、それぞれの星座は「座」ではなく「宮」と呼ばれる。)

尚、現在の定義では、黄道には上記12星座の他にへびつかい座も通っている。しかし、この規定は新しいものであって、占星術の世界では黄道を12等分することで12の星座が割り当てられていた。らしい規定とは、1928年に天文学の方で定められたものであって、88の星座について、各星座の範囲が厳密に定められ、これによって黄道上には十二星座の他にへびつかい座も通ることになった。(また、十二星座もより幅の広くなった星座と狭くなった星座もある。)一時、このことから占星術でも「十三星座」を導入しようという動きがあったが、結局の所、古来からの十二星座が支持されて、十三星座の方は殆ど消えてしまった。

尚、現在では、天文学で言う十二星座と、占星術で言う十二星座とは、枝分かれした別物というように認識されている。そのため、占星術では特に「十二星座」とは呼ばずに「十二宮」と言うのが一般的になっている。(「十二星座」と言うと、天文学での12の星座のことを指すのが一般的である。)

英語では「Zodiac Signs」または「Zodiacal Constellations」、ドイツ語では「(Zwölf Konstellationen) des Tierkreises」、フランス語では「(Douze constellations) du Zodiaque」、イタリア語では「(Dodici costellazioni) dello Zodiaco」、スペイン語では「(Doce constelaciones) del Zodíaco」、中国語では「(黄道)十二宮」と言う。

鉄槌」:本来の意味は、大型の金槌、ハンマーのことである。(槌は大別すると、頭部が金属製のもの、木製のもの、ゴム製のものがある。)特に金属製のものは、固いために威力もある。そのことから比喩的に、厳しい訓告を行ったり、厳罰のことを「鉄槌」と言い、処罰することを「鉄槌を下す」と言う。(普通の「罰」のことは「鉄槌」とは言わない。)

道具としての「鉄槌」は英語では「Iron hammer」、ドイツ語では「Klauenhammer」、フランス語では「Marteau」、イタリア語では「Martello」、スペイン語では「Martillo」、中国語では「大鐵鎚」と言う。また、「鉄槌を下す」ということを「Punish (Severely)」、と言う。

アンゴルモアの大王」:ノストラダムスの著書である「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の第10巻72番の詩に登場する言葉である。フランス語の原書では「Le Grand Roi d'Angolmois」と記されている。(その一節を日本語に訳すと、「1999年7か月、空から恐怖の大王が来るだろう。アンゴルモアの大王を蘇らせ、マルスの前後に首尾よく支配するために。」と記されている。→この一節は余りにも有名ですね。)

英語では「the Big Roy of Angoumois」、ドイツ語では「der Große Roy von Angoumois」、イタリア語では「il Grande Roy di Angoumois」、スペイン語では「el Roy Grande de Angoumois」と言う。

「予言集」は1555年が初版であり、当時は誰も取り上げていないというようなものであったが、17世紀以降になって色々と解釈されるようになる。(特定されておらず、現在でもいくつかの説がある。)

まずは「恐怖の大王」と「アンゴルモアの大王」が同一という解釈がある。それ以外では、「アンゴルモア」の大王」が誰なのか、ということで、フランス国王のフランソワ一世、古代フン族の王アッティラ、モンゴルのチンギス・ハーン、という名前が挙がっている。(同様に「恐怖の大王」についてもいくつかの解釈があって、特定されていない。これは20世紀後半になるにつれて、1999年7月に起こるであろうとされた人類滅亡、若しくはそれに類似した破局的事件を予言するものとされた。)

儀式」:公事、神事、仏事など、一定の規則に従って執りおこなわれる作法、行事のことを言う。特に宗教の世界では「○○の儀式」として、様々なものがある。身近なものとしては、結婚式、葬儀も「儀式」の一つである。(結婚式や葬儀も、宗教が異なると内容も部分的に違いがあるが、それぞれの宗教に於いては、そこで行われているものが正しい儀式ということになる。)

尚、基本的に「儀式」は宗教色が色濃く反映されるものである。そのため、学校の入学式や卒業式、スポーツ競技のセレモニーである始球式などのように、一定のルールがあって、そのルール(手順)れ従って行われる行事であっても、それらは「儀式」とは言わずに「式典」と呼ばれて区別される。

英語では、宗教的なものでないものは「Ceremony」、宗教的なものは「Rite」または「Ritual」と言う。また、宗教色の有無(先に記したものが宗教色のあるもの、後ろがないものを指す。)によってフランス語では「Rite」/「cérémonie」、イタリア語とスペイン語では「Rito」/「cerimonia」と言うが、宗教色の有無に関係なく同じ単語を使う言語もあって、ドイツ語では「Zeremonie」、中国語では「儀式」と言う。

 

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師

カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師

  • 作者: アンソニー・グラフトン
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2007/12/19
  • メディア: 単行本
最新占星術入門 (エルブックスシリーズ)

最新占星術入門 (エルブックスシリーズ)

  • 作者: 松村 潔
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本
完全マスター西洋占星術 (The series of perfect master)

完全マスター西洋占星術 (The series of perfect master)

  • 作者: 松村 潔
  • 出版社/メーカー: 説話社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本
ノストラダムスの大予言 最終解答編―1999年、“恐怖の大王”の正体と最後の活路 (ノン・ブック)

ノストラダムスの大予言 最終解答編―1999年、“恐怖の大王”の正体と最後の活路 (ノン・ブック)

  • 作者: 五島 勉
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 新書
ノストラダムスの大予言―迫りくる1999年7の月、人類滅亡の日 (ノン・ブック 55)

ノストラダムスの大予言―迫りくる1999年7の月、人類滅亡の日 (ノン・ブック 55)

  • 作者: 五島 勉
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 新書
ノストラダムス大予言原典―諸世紀

ノストラダムス大予言原典―諸世紀

  • 作者: ミカエル・ノストラダムス
  • 出版社/メーカー: たま出版
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 単行本
ノストラダムス―予言の真実 (「知の再発見」双書)

ノストラダムス―予言の真実 (「知の再発見」双書)

  • 作者: エルヴェ ドレヴィヨン
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本
ノストラダムス予言集

ノストラダムス予言集

  • 作者: P.ブランダムール
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/07/15
  • メディア: 単行本
12星座

12星座

  • 作者: 石井ゆかり
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2007/12/07
  • メディア: 単行本

ノストラダムスの預言書解読〈7〉アンゴルモアの大王篇 (Seisei books―Wonder)

  • 作者: 池田 邦吉
  • 出版社/メーカー: 成星出版
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 単行本
アンゴルモアの大王

アンゴルモアの大王

  • 作者: 安田 一悟
  • 出版社/メーカー: たま出版
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 単行本
伊勢丹の最新儀式110番―こんなときどうする?冠婚葬祭

伊勢丹の最新儀式110番―こんなときどうする?冠婚葬祭

  • 作者: 伊勢丹
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: 単行本
京の儀式作法書―その心としきたり

京の儀式作法書―その心としきたり

  • 作者: 岩上 力
  • 出版社/メーカー: 光村推古書院
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本

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