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「BOEING BOEING」 [映画(洋画)]

表題の作品は1965年アメリカ映画「ボーイング・ボーイング」である。日本での劇場公開は1966年3月であった。舞台劇の映画化作品であって、コメディ作品である。(似たようなプロットの作品もあるので、展開としてはお馴染みの物と言うことが出来る。)

作品データを記しておくと、時間は102分、原作はマルク・カモレッティ、監督はジョン・リッチ、脚本はエドワード・アンハルト、撮影はルシアン・バラード、音楽はニール・ヘフティである。そして出演は、トニー・カーティス、ジェリー・ルイス、ダニー・サヴァル、スザンナ・リー、セルマ・リッター、クリスチーネ・シュミットマー、ロマックス・スタディ、たちである。

新聞記者でパリ特派員のバーナードは、女性を手玉に取っていて、3人のスチュワーデス(現在では「キャビン・アテンダント」と言うが、本作では「スチュワーデス」と言った方が時代にもマッチするので、あえて「スチュワーデス」と記します。)とつきあっている。しかも、その3人は、会社も国籍も全く異なっていた。イギリス人のビッキー、ドイツ人のリーゼ、フランス人のジャクリーヌは、いずれもがバーナードとつきあっているのは自分だけと思っていた。というのは、バーナードは3人のフライト情報を調べ上げていて、3人が決して鉢合わせしないようにスケジュールを組んでいたためだった。が、ビッキーの航空会社が新型機を導入したことから、それが狂い始めることになる。新型機によってスピードアップしたことで、ビッキーの時間がずれることになり、更に、ライバル紙の敏腕記者・ロバートが、ホテルが取れないのでバーナードのアパートに泊めてくれ、ということになり、そのため、バーナードが3人の女性とスケジュールを組んでつきあっているという秘密を知られてしまうことになった。更に、リーゼとジャクリーヌの航空会社も、対抗上、直ぐに新型機を導入したことで、そちらもフライトがスピートアップした。3人はそれぞれがスピードアップを喜んだが、バーナードは大いに焦ることになる。そんな中、バーナードがニューヨークに転勤させられるという噂が広がっていることを知るバーナード。そのことは直ぐにバートに知られてしまい、ルバートは、3人の女性ごと、バーナードのアパートを乗っ取ろうと企んだ。そんなことで、ボロボロに近いバーナードの苦労も吹っ飛び、遂にアパートで3人の女たちが鉢合わせをすることになってしまった。万策尽きてバーナードとロバートはアパートから逃げていき、夜の街でタクシーを拾う。するとそのタクシーの運転手は、パリで3人しかいないという女性ドライバーだった。話をしている内に、その3人は同じアパートに住んでいて、3交代で勤務しているということだった。で、バーナードは運転手に名前を聴いた...

本作では三股ということで物語が進んでいるが、本作のような展開で二股や三股を掛けていて、そこから始まるコメディ作品というと、アメリカ映画だけでなく、欧州でも、日本でも、香港映画などでも数多くあるアイデアである。それだけに、似たような物語が多いだけに、如何に笑わせてくれるのがポイントになる。(そんな中、スチュワーデスというのは良くある設定である。→男だったらパイロットとなるが、旅行業界を設定にしている作品が多いですね。)

が、本作は時代が時代であって、'60年代であるため、まだのんびりとしている所があって、これが絶妙な雰囲気を醸し出している。21世紀の現在では、更にスピードアップしていること、及び携帯電話の普及によって個人との連絡がより簡単に取れるようになってるだけに、本作のようなのんびりとした雰囲気にするのには無理がある。ということで、やはり古き良き時代だからこそ、という物語ということになる。

そういうことを考えながら楽しめれば、という作品である。が、本作はLDでリリースされていたものの、DVD化されていないというように、時代には合わない作品になってしまっているだけに、見ようとすれば苦労するだけに...

 

↓輸入版のビデオです。

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ケータイ刑事銭形舞13話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

今回からの「銭形舞・裏ネタ編」の再増補は、最終話である第13話「しりとり連続殺人事件」に突入です。(以前にPART 4まで記しているので、PART 5からということになります。)で、今回はサブタイトルにある言葉から、「しりとり」について、「連続」について、ちゃんがこの後ここに行くということから「インターポール」について、柴田さんはそれをこうだと言ったことから「派遣」について記します。尚、「しりとり」は「・13話[裏ネタ編]PART 2」で、「連続」は「・26話(2nd.13話)[裏ネタ編]PART 2」で、「インターポール」は「・13話[裏ネタ編]」で記した物をベースにして、それぞれ加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(MBSでの再放送時に記した改訂版)は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語に対する過去に記した裏ネタ編は2008/7/1、2009/10/26,28,31付です。)

しりとり」:言葉遊びの1つであって、単語を次々と語って行く遊びである。複数の人がいると、何処でも簡単にできる遊びである。(基本的に、何かが必要ということは無いので、何もない所でも遊ぶことが出来る。)

細かいローカルルールなどもあるが、基本は、前の人が言った言葉の最後の1音が頭にくる単語を言って、これを次の人に繋いでいくものである。(これは原語の種類を問わずに同じように遊ぶことが出来る。)日本語のしりとりの場合は最後の文字が「ん」を言った人が負けになる。また、これまでに出てきた単語を繰り返して使っても負けになる。(但し、誰からも指摘されなければそのまま続けられる。)

ルールが別れるのは、長音、拗音、促音、濁音、半濁音が最後に来た場合であって、文字通りとする場合と置き換えが認められる場合がある。(これって、結構揉めるところである。)また、言って良い単語に限定を付ける場合もよく見られる。(例えば、テーマを決めて、それに関連する言葉に制限するなどがその具体例である。)

応用したものとしては、後ろの2文字を続けるものや、前の人が言った頭に来た文字が最後にくる言葉を言うというなど、より高度なものもある。

英語などのアルファベットを使用する言語でのしりとりは、単語の最後の文字が頭に来るような単語を受け継いでいく場合と、単語の最後の音節の発音を受け継いでいく場合とがある。

いずれにしても、頭の体操になるものである。尚、「ケータイ刑事」に於いては、同じ言葉遊びである「回文」の方が主流である。

英語では「Word-Chain Game」と言うが、近年では英語を含めて殆どの言語で日本語をローマ字表記にした「Shiritori」という。また、中国語では「接尾令」と言う。

連続」:物事が連なっていること、続いていること、連なって続くこと、切れずに繋がっていること、を言う。また、数学の世界では、関数の連続という概念が定義されていて、関数f(x)に於いて、x→a極限値が存在し、かつその極限値がf(a)と等しい場合、f(x)はaで連続である、というが、これは関数の世界では重要な事柄の一つとなっている。

簡単に言うと、「切れずに繋がっていること」ということになるが、テレビ番組の場合は時間的にずっと続いているものでなくても、毎週、若しくは毎日(ウイークデーのみというものも含む)決まった時間に放送される番組のことを指し、そういう番組のことを「連続番組」と言う。(特にドラマの場合は1回きりのものと区別して「連続ドラマ」と言う。)

このように、特定の単位を元にした場合の「連続」は、時間的には非連続であっても「連続」ということになる。→ギネス・ワールド・レコードで、「○○を連続□□時間行った」という記録があるが、この記録は1時間に5分間の休憩が認められているため、完全に連続して行っていなくても「連続記録」として認められる。(その休憩時間の間に食事や生理現象などを行う。)

この物語での「連続」は、一件ではなくて複数の「殺人」という行為が続いているという意味であって、時間的に続いているという意味ではなく、事件が一件で終わっていなくて続いている、という意味での「連続」である。(時間的には断続であるが、「連続」と捕らえることの出来る概念に該当していることになる。)

英語では「Continuousness」、ドイツ語では「Fortsetzung」、フランス語では「Continuation」、イタリア語では「Continuazione」、スペイン語では「Continuación」、ポルトガル語では「Continuação」、中国語では「連續」と言う。

インターポール」:INTERPOL、国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)の通称であり、「ICPO」と略される。国際犯罪防止のために、刑事事件の調査、情報収集と紹介サービス、資料交換、捜査協力、犯罪人引き渡し、等が主な業務である。

歴史は、1923年に国際刑事警察委員会として創設され、1956年に改組され、同時に現在の呼称である「国際刑事警察機構」に改称した。以前はパリに本部があったが、1989年に同じフランス内のリヨンに移った。

日本は1952年に加盟した。現在(2012/3時点)では加盟国数は190の国または地域にまで増えている。(国連の加盟国は193であり、それより若干少ないが、国連に次ぐ數野国が加盟している臭い組織である。)また、1996年から2000年までは、日本人の兼元俊徳氏が総裁を務めた。(日本人総裁は現時点で彼一人である。)

尚、1998年にデビューしたアメリカのロックバンドに「INTERPOL」という名前のバンドがいるが、当然のことながらICPOとは関係ない。(こういう名前のバンドが存在するということぐらいは知っておいた方が...)

英語では「International Criminal Police Organization」、ドイツ語では「Internationale Kriminalpolizeiliche Organisation」、フランス語では「Organisation Internationale de Police Criminelle」、イタリア語では「Organizzazione Internazionale della Polizia Criminale」、スペイン語では「Organización Internacional de Policía Criminal」、ポルトガル語では「Organização Internacional de Polícia Criminal」、中国語では「國際刑警組織」と言うが、世界的に英語の頭文字を取った「ICPO」という言い方、または「Interpol」と言うのが一般的になっている。

派遣」:任務を与えてある場所に行かせること、その場所に行って仕事をさせることをいう。これは、専門的な技術や特定の知識を持っているその道のプロの人を行かせることで、当地での業務をスムーズに行うということを目的としている。(新人を送り込むのとは違って、即戦力の人材を送り込むことになる。)

健在では「人材派遣会社」に登録して、派遣社員としてして人材を送り込むことが一般に行われるようになっていたり、災害時に自衛隊に捜索・救助活動を行うために「災害派遣」ということが行われている。また、日本の歴史を紐解くと、奈良時代の遣隋使、遣唐使というものがある。

英語では「Dispatch」、ドイツ語では「Senden」、フランス語では「Dépêche」、イタリア語では「Messaggio」、スペイン語では「Expedición」、ポルトガル語では「Despacho」、中国語では「派遣」と言う。

 

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

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しりとりあそびえほん

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  • 発売日: 2002/05
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しりとりのだいすきなおうさま (チューリップえほんシリーズ)

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  • 出版社/メーカー: 鈴木出版
  • 発売日: 2001/06
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ひらがなしりとりカード―学研の頭脳開発 2歳~6歳向き

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  • 発売日: 2006/09
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ワッキーの地名しりとり―日本中を飛ばされ続ける男

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  • 作者: 脇田 寧人
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無限と連続―現代数学の展望 (岩波新書 青版 96)

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連続性の哲学 (岩波文庫)

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BROTHERS JOHNSON『LOOK OUT FOR #1』 [音楽(洋楽)]

 表題のアルバムは1976年に発表された彼らの1st.アルバムである。ファンキーなサウンドの兄弟デュオとして知られる彼らであるが、本アルバムはジャズ的な部分(当時はまだ「フュージョン」と言う言葉が確立していなかったが、「フュージョン」と言っていいものである。)もあるアルバムである。で、兄弟らしい息の合ったところと、若さから来る活きの良さとを発揮しているアルバムである。セールスも好調で、Billboardで最高位9位を記録していて、ソウル・アルバム・チャートでは1位、ジャズ・アルバム・チャートでは3位を記録し、1976年の年間アルバム・チャートでは23位にランクインするヒットとなった。

収録曲は以下の全9曲である。『I'll Be Good To You』『Thunder Thumbs And Lightnin' Licks』『Get The Funk Out Ma Face』『Tomorrow』『Free And Single』『Come Together』『Land Of Ladies』『Dancin' And Prancin'』『The Devil』。

この中からシングル・カットされたのは3曲である。『I'll Be Good To You』はBillboardで最高位3位、R&Bチャートでは1位を獲得する大ヒットになり、1976年の年間シングル・チャートでは61位にランクインしている。また、『Get The Funk Out Ma Face』は同チャートで最高位30位、ダンス・チャートでは11位を記録、『Free And Single』は最高位103位を記録している。

お薦め曲は、彼らの最初のヒット曲である『I'll Be Good To You』、シングル曲の『Get The Funk Out Ma Face』と『Free And Single』、更に『Tomorrow』と『Come Together』をピックアップしておく。

'70'Sソウルはファンキーなものへと繋がると同時に、ジャジーな要素を持ったものはフュージョンへと発展していくが、本アルバムはまさにその両方の要素を持ったアルバムとなっている。(彼らの音楽はファンキーな方向に向かっていくことになりますが...)が、1st.アルバムということと、'70's中盤という時期を考えたら、こういう方向性は(結果論であるが)なるほどと思わせる所でもある。とは言っても、'70'sらしいサウンドでもあるだけに、ファンキーなサウンドがお好きと言う方、またはフュージョンを良く聴くという方は、特に嫌うことのないサウンドである。それ故、チェックしておくべきアルバムの一つですね。で、'70'sサウンドを堪能しましょう!

 

Look Out for #1

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1996/04/16
  • メディア: CD


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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その249) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「音の衝撃」です。(「音」には様々なものがあるが、ここでは一応「再生された音」ということに限定します。→爆発音などは除外します。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「・2nd.2話」、「007」からは「リビング・デイライツ」です。

ケータイ刑事」:「・2nd.2話」。「音で人を殺せるか? ~売れっこ漫画家殺人事件」という物語。新パートナーの高村さんとの新コンビとなったちゃんだが、早くも高村さんに意見したり、嘘泣きで手玉に取るちゃんに対して、高村さんも上手く絡み、早くも新・黄金コンビぶりを発揮した物語でもある。

住宅街を散歩していた高村さんは、たまたま目に入った塀に吊されている深紅のバラの花に手を伸ばし、バラを1本折った。すると、その家の主婦が「こら~!」と怒って飛び出してきた。慌てて「返します」と高村さん。そんな所に自転車に乗ったちゃんが現れた。

高村さんは「とんだ失態を見られたね」と笑って誤魔化そうとするが、ちゃんは「失態どころか犯罪ですよ」と手厳しく言った。「人聞きの悪いこと言わないでよ、バラが僕を呼んだのよ」と言い訳する高村さんだったが、「はぁ?」と正義感の強いちゃんには全く通用しなかった。

高村さんは話題を変えて、ちゃんに「こんな所で何しているの?」と返すと、ちゃんはミーハーぶりを発揮して、この近くに住んでいる人気漫画「プリマをねらえ!」の作者の漫画家・胡桃割一郎にサインを貰おうとしてやってきたということを語った。高村さんは「漫画に夢中になれるとは子供の特権だね」と言って、ちゃんを子供扱いして切り替えすが、ちゃんも負けておらず、「(漫画は)大人だって読んでますよ」と反論した。で、そういうやりとりをしていると、突然、大音量で音楽が流れてきたのを耳にして、驚くちゃんと高村さんだった。

で、住宅街から脱出すると、高村さんは「電車の中でもいるんだよ、ああいう大音響で音楽聴いている奴が...」とブツクサ言い、ちゃんは「鼓膜が破れるかと思った...」と、オーバーなことを言っていた。

そんな所に、漫画家の胡桃割一郎が急死したという入電が入り、2人は胡桃割の自宅に向かい、捜査を開始した。

胡桃割の死因は、外部からの強い衝撃による心臓麻痺で、死亡推定時刻は午後12時だった。また、先ほどの大音量の音楽は12時頃だったということ。で、「音で人が死ぬかねぇ?」と漏らす高村さんに、鑑識の柴田太郎さんは「音も外部からの衝撃の一つ」と答えていた。また、ちゃんは心臓の薬が側にあったこと、この部屋は防音ガラスになっていたことなどに気づいた。

更に、アシスタントが戻ってきて、胡桃割は12時まで寝て、午後から仕事を再開するということで、ステレオをタイマーセットを自身で行ったが、その時に誤って大音量にセットしてしまっただろう、と証言した。しかしちゃんは、防音ガラスにするなど、外からの音にまで気を使っていた胡桃割がそんなミスをするとは思えない、と考えた。一方、「事件性は薄い」として事故だと口にする高村さん。が、ちゃんは「胡桃割さんの心臓が弱いことを利用した殺人事件です」と断言した。(直ちに高村さんは「実は僕もそう思っていたんだ」と、口が渇かないうち考えを変えていた。)

そして、最終的にちゃんがトリックを見破った。胡桃割の本当の死因は感電で、胡桃割が寝ている間にアシスタントはこの部屋に侵入し、ステレオの音を大きくし、更にベッドの脇に置いてあるスリッパに細工した。そして、外に大音量が届くように、防音ガラスの窓も開けておいた。ステレオから大きな音か出たことで、胡桃割はステレオを止めようとしてスリッパに足を入れたときに感電して心臓麻痺を起こして死亡した。また、感電させるために用意したコードは、掃除機の自動巻き取りを利用して凶器を隠してしまったのだった。(掃除機のコードは部分的に皮膜が剥かれていた。)そして、確実に感電死するようにするため、食塩水を使い、室内にあった水槽の水が食塩水になっていた。また、スリッパとアシスタントのハンカチに、塩が検出されたことで、アシスタントは犯行を認めざるを得なかった。

大音量のステレオの再生音は、そのままでは音量が大きいだけであったが、他に用意されたものによって人を殺すことにまでなったのでした。

007」:「リビング・デイライツ」。1987年のシリーズ第15作であり、4代目・ボンドのデビュー作である。一気に若返ったこともあって、生身のアクションを導入したが、秘密兵器の方は相変わらず、様々な物が登場したが、余りにも荒唐無稽なものに走ることはせず、身近な所にある道具を秘密兵器に改造しているところがポイントとなっている。

KGBのコスコフ将軍の亡命を担当したボンドだったが、そのコスコフ将軍が亡命から数時間で、KGBによって奪還されてしまった。ボンドはその手掛かりとして、ブラチスラヴァでのコスコフ将軍の亡命の時のスナイパーに目を付け、情報と装備を受けるためにMI-6の本部にやってきていた。

で、Qの実験室にある様々な開発途中の新兵器の中に、大形のラジカセがあった。(カセットデッキがあり、ラジオを聴くことが出来るステレオ・ラジカセである。左右それぞれに3つのスピーカーを用いた本格的な3ウェイ・スピーカーを搭載した大型ラジカセである。但し、CDは付いていない。→当時はまだCDは普及の途上であって、価格的にも高かったことも合って、CDラジカセというものはまだでした。)

普通に音楽を再生できるという所を見せていて、大音量で突然音楽を流したことで、ボンドの注目が集まった。すると、実験者(=Qの部下ですね。)はそのラジカセを肩に担ぎ、照準器を出し、小型のミサイル・ロケットを発射した。このラジカセは、ラジカセ型のロケット・ランチャーであった。但し、開発中の物であって、まだ実験段階である。しかし、ラジカセとしては普通の性能を備えていて、大音量での音楽再生は可能であるので、見掛はラジカセである。(武器であるとは誰も思わない。)

特に音楽を聴くという趣味のないボンドには、大型ラジカセを使うということはないが、日常生活に使う小道具の中に武器を隠しておくというQの思想を具現化した秘密兵器(まだ配備されていないので、「秘密兵器」ではなく、「発明品」と言った方が正しいでしょうが...)であった。尚、これが後に実戦配備されたという所は描かれていないので、秘密兵器として採用されたのかは不明のままである。

単体での使用では大きな音を出すことが出来るものであるが、そのオプションとも言うべき部分を使うことで、小型ミサイルを発射出来るので、人を殺すことも可能な代物である。

共通点は、音楽を再生する装置(「ケータイ刑事」ではステレオ・コンポ、「007」では大型ラジカセ)であるが、殺傷能力があるとは思えないものであるのだが、殺傷能力を有しているいうこと見せたということである。また、そこから再生された大音量の音楽に、主人公(銭形/ボンド)は驚いていたという所も共通しているところである。

一方、相違点は、殺傷能力を発揮するには、「ケータイ刑事」ではそれ単体ではなく、いくつかの物を他に用意する必要があったが、「007」では、内蔵されているものを利用するだけで良いということ、及び「ケータイ刑事」ではそれを用いて人が殺されているが、「007」は実験段階であって、それによって人は誰も死んでいないということである。

次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

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リビング・デイライツ (アルティメット・エディション) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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リビング・デイライツ (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

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