「DER STERN VON AFRIKA」 [映画(洋画)]
表題の作品は1957年の西ドイツ映画「撃墜王 アフリカの星」である。日本での劇場公開は1960年10月であった。第二次大戦で、撃墜王として知られるドイツ軍の英雄・ハンス・ヨアヒム・マルセイユの半生を綴った作品である。第二次大戦を取り上げた作品では、連合国側から描いた作品は数多いが、枢軸国側を取り上げることはそれほど多くない。本作はドイツが自国の英雄を描いている作品である。
作品データを記しておくと、時間は107分、白黒作品である。監督はアルフレッド・ワイデンマン、脚本はヘルベルト・ライネッカー、撮影はヘルムート・アシュレイ、音楽はハンス・マーティン・マジェウスキーである。そして出演は、ヨアヒム・ハンセン、マリアンネ・コッホ、ホルスト・フランク、ハンスイェルク・フェルミー、カール・ラング、ヴェルナー・ブランズ、アレクサンダー・クレスト、たちである。
時は1939年の夏。ドイツ空軍士官学校の生徒たちは、訓練の日々の中、青空を飛び廻っていた。その生徒の一人・ハンス・ヨアヒム・マルセイユは規律無視の常習犯て、青春を謳歌していた。それからまもなく、第二次大戦が勃発し、生徒たちは前線に送られていく。ハンスはアフリカ戦線に赴いた。アフリカ戦線では、常にイギリス軍との戦いが続いていて、ハンスは愛機のメッサーシュミットで活躍し、イギリス軍のスピットファイアーを次々と撃墜させて、撃墜王として敵から恐れられる存在となった。そんなある日、ドイツ本国から新しくパイロットがやってくるが、そのパイロットが砂漠に墜落してハンスの腕の中で死んだ。これによってハンスは、今まで考えたことも無かった「死」について、その意味を知ることになった。そして、これまでに撃墜してきた敵機の数だけ、彼は人を殺していたことを痛感した。そんなハンスは、少尉に昇進し、ベルリンに呼び戻されて「空の英雄」として国民的な英雄となった。何処に行っても歓迎される彼は、ある日、母校の小学校に講演に行き、そこでブリギッテという美しい女教師と知りあい、恋に落ちた。同盟国・イタリアに招かれたハンスはブリギッテを同伴し、深く愛し合う。そんな2人はローマに身を隠して、ひとときの幸せを得た。しかし、まもなくハンスは領有に発見されて、彼女と別れさせられて軍に戻り、アフリカ戦線に向かった。再び撃墜王として活躍したハンスは、158機もの敵機を撃墜していて「アフリカの星」と賞賛されるようになっていた。が、そんな彼にも最期の日がやってきた。出撃した機体が呼称し、失速していく機体から脱出使用としたが、パラシュートが開かず、撃墜王は22歳で散ったのだった。
米英の第二次大戦を扱った作品では、ドイツ軍は殆ど悪役として描かれているが、本作は一人の若き人間として描かれている所がポイントであって、新鮮さがある。また、白黒作品と言うところが時代を感じさせていて、良い方向に繋がっている。但し、空中戦のシーンなどは物足りなさがあるのも事実ですが...
米英の映画でもハンス・ヨアヒム・マルセイユが登場することがあるが、母国ドイツの作品であるだけに、米英作品とは違って人間らしく描かれているだけに、見ておいても宜しいかと...
ケータイ刑事銭形海33話(3rd.7話)[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形海」の第33話(3rd.7話)「BS初!ついにやるのかフィギュア劇!? ~銭形海、世界を駆ける!」の裏ネタ編・増補の2回目となる今回は、冒頭で海ちゃんがこれを食べようとしていたことから「肉まん」について、一旦これに置いたことから「皿」について、その時口にした言葉から「合間」について、「至福」について、「ラッキー」について、それを妨げる入電で語られた「ICPO」について、「手配」について記します。尚、「肉まん」は「愛・18話[裏ネタ編]PART 8」で「豚まん」として、「ICPO」は「舞・13話[裏ネタ編]PART 5」で「インターポール」として記したものをベースにして加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事(MBS放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。BS-i(当時)での本放送時に記した記事へのリンクもあります。また、この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/11/15、18付です。
「肉まん」:中華饅頭(中華まん)の一つであって、(豚)肉やタマネギなどを使って作られた餡を、小麦粉にイーストなどを加えて膨らませた皮に包み、それを蒸した料理である。中華饅頭の代表的なものである。(もう一つの代表的な中華まんは小豆餡を用いた「あんまん」である。)尚、関西地方ではこれを「豚まん」と呼ぶ。(関西で「肉」と言うと牛肉のことを指すため、豚肉を使っていから「豚肉饅頭」→「豚まん」と呼ぶようになった。)
近年では、餡に様々なものを使ったものが登場していて、ピザマン、カレーまんなどもすっかり定着することになって、コンビニ各社では更に様々な中華まんを発売している。(ただ、季節限定で冬季の販売であって、夏期には販売していない。)しかし、やはり「肉まん」はその王者である。
以前は英語では「Steamed Meat Bun」というように、そのものを説明した言い方がされていたが、現在では世界的に知られる食べ物になったこもあって、現在では英語をはじめ、殆どの原語で「Nikuman」と言い、中国語では「肉包子」と言う。
「皿」:食物、料理を盛りつけるのに使用される平たくて薄い器のことである。料理に応じていくつかの形のものがあるが、円形のものが多い。また、完全に平ではなく、周辺部は中央部よりも上に上がっている。(汁物を入れる器になると、周辺部がより多く上っているが、そういうものは「丼」「椀」と呼ばれて「皿」とは区別される。)
素材としては、陶磁器、金属製、樹脂製、ガラス製のものなどが多く、漆器、木製、紙製のものもある。(紙製のものは使い捨ての皿としての利用が中心である。)
それ以外では、饗膳などに皿を以て出す料理のこと、平たくて皿に似た形の物のこと、レコード盤のことを指す。
英語では「Dish」または「Plate」、ドイツ語では「Teller」、フランス語では「Plaque」、イタリア語では「Piatto」、スペイン語では「Plato」、ポルトガル語では「Prato」、中国語では「碟子」と言う。
「合間」:物事が途切れた間のこと、演目である演目と次の演目との間の時間のこと、物と物の隙間のことを言う。「休止期間」「インターバル」と言うこともある。特に運動では「インターバル・トレーニング」と呼ばれる高負荷と低負荷のトレーニングを繰り返すトレーニング方法があって、「合間」を利用した手法として確立している。
尚、一般的に3時間程度を越える長尺映画の場合は、途中に休憩時間として「インターミッション」が入ることがあるが、これは映画本編の合間の休憩時間と言うことになる。(劇場ではトイレ休憩などということになる。)
英語では「Interval」、ドイツ語では「Intervall」、フランス語では「Intervalle」、イタリア語では「Intervallo」、スペイン語では「Intervalo」、ポルトガル語では「Intervalo」、中国語では「間歇」と言う。
「至福」:このうえのない幸せのこと、無上の幸福のことを言う。
宗教(キリスト教)では、キリスト再来の日に、死んだ義人が復活しサタンが獄につながれて、1000年間にわたってキリストが平和の王国に君臨し、その後にサタンとの戦争を経て一般人が復活し、最後に審判が下されるという「至福千年説(「千福年説」という言い方もある。)」で語られる平和な時期のことを語るときに用いられている。
この物語で海ちゃんは「至福の時」と言っていたが、このうえない幸せな時ということになるが、それが肉まんというのはね~
英語では「Supreme Bliss」、ドイツ語では「Höchste Seligkeit」、フランス語では「Béatitude Suprême」、イタリア語では「Beatitudine Suprema」、スペイン語では「Beatitud Suprema」、ポルトガル語では「Felicidades Supremas」、中国語では「非常幸福」と言う。
「ラッキー」:幸運なこと、縁起が良いこと、運勢が良いこと、付いていることをいう。反対の場合(不運なこと)は「アンラッキー」と言う。
昔から縁起を担ぐということはよくあることであって、数字の中では「7」が幸運の数字とされたり、「四つ葉のクローバー」は幸運の記しとして広く知られている。(四つ葉のクローバーは三つ葉のクローバーの変異体であって、発生確率は1万分の1程度とされている。尚、それ異常に発生確率が下がるが五つ葉のクローバー、六、七、八つ葉のクローバーまでは発見されている。)
英語では「Lucky」、ドイツ語では「Glücklich」、フランス語では「Chanceux」、イタリア語では「Fortunato」、スペイン語では「Suerte」、ポルトガル語では「Sorte」、中国語では「幸運」と言う。
「ICPO」:国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)の略称である。「インターポール(INTERPOL)」と呼ばれることもある。国際犯罪防止のために、刑事事件の調査、情報収集と紹介サービス、資料交換、捜査協力、犯罪人引き渡し、等が主な業務となる国際組織のことである。
歴史は、1923年に国際刑事警察委員会として創設されたものが母体である。1956年に改組されて、同時に現在の呼称である「国際刑事警察機構」に改称した。また、以前はパリに本部(事務総局)があったが、1989年に同じフランス内のリヨンに移った。その他、ハラレ(ジンバブエ)、アビジャン(コートジボワール)、ナイロビ(ケニア)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、サンサルバドル(エルサルバドル)に準地域事務局、バンコク(タイ)に連絡事務所がある。
日本は1952年に加盟した。現在(2012/9時点)では加盟国数は190の国または地域にまで増えている。(国連の加盟国は193であり、それより若干少ないが、国連に次ぐ数の国が加盟している国際組織である。)また、1996年から2000年までは、日本人の兼元俊徳氏が総裁を務めていた。(日本人総裁は現時点で彼一人である。)
多くのフィクションでも登場する組織であって、これに所属しているという設定のキャラクターが色々と存在する。(銭形姉妹の父はICPOに所属ということになっている。)しかし、「ルパン三世」に登場する銭形警部(銭形姉妹とは同性であるが、何ら関係は無い。また、彼は埼玉県警からの出向である。)のような国際捜査官は存在しない。
尚、1998年にデビューしたアメリカのロックバンドに「INTERPOL」という名前のバンドがいるが、当然のことながらICPOとは関係ない。(こういう名前のバンドが存在するということぐらいは知っておいた方が...)
英語では「International Criminal Police Organization」、ドイツ語では「Internationale Kriminalpolizeiliche Organisation」、フランス語では「Organisation Internationale de Police Criminelle」、イタリア語では「Organizzazione Internazionale della Polizia Criminale」、スペイン語では「Organización Internacional de Policía Criminal」、ポルトガル語では「Organização Internacional de Polícia Criminal」、中国語では「國際刑警組織」と言うが、世界的に英語の頭文字を取った「ICPO」という言い方、または「Interpol」と言うのが一般的になっている。
「手配」:物事の準備をすること、「てくばり」のこと、各方面に手を回して対応の準備をすることを言う。特に、警察組織が、犯人を捕らえるために、各所(各署)に指令して逮捕する処置を行うようにすることを「指名手配」と言い、交番などに容疑者手配のチラシが張り出される。
また、「準備をする」ということでは、航空機、鉄道、船舶などのチケットや、ホテル宿泊の予約を行うことを「手配する」と言うため、身近に行われている。
更に、新発売となるものを店舗に購入予約することも、購入準備ということから「手配」に含まれる。→会社などでは事務用品などを購入する場合、「業者に手配する」ということもあるが、これは「購入準備をする」という意味であるかせ、特に誤用ではない。
英語、フランス語では「Arrangement」(但し、発音は異なる。)、ドイツ語では「Anordnung」、イタリア語では「Sistemazione」、スペイン語では「Arreglo」、ポルトガル語では「Arranjo」、中国語では「安排」と言う。
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インターポール―国際刑事警察機構の歴史と活動 (文庫クセジュ)
- 作者: マルク ルブラン
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
入院・介護SOS―不安解消119のツボ お金や人の手配から看取りまで (今すぐ役立つ介護シリーズ)
- 作者: おち とよこ
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
FIFTH AVENUE BAND『FIFTH AVENUE BAND』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1969年に発表された彼らの発表した唯一のアルバムである。このバンドとしては本アルバムを残しただけで解散してしまったが、中心メンバーであるPETER GALLWAYをはじめ、そのメンバーは蒼々たる顔ぶれであって、'70'sになるとソロ活動に入った者、音楽プロデューサとなった者、ソングライターとなって多くの楽曲を提供した者というように、本バンドのアフターが凄い連中の集まったバンドであった。ただ、特にチャートに残るようなヒットにはならなかった。
収録曲は以下の全11曲である。『Fast Freight』『One Way Or The Other』『Good Lady Of Toronto』『Eden Rock』『Country Time Rhymes』『Calamity Jane』『Nice Folks』『Cockeyed Shame』『Faithful Be Fair』『In Hollywood』『Angel』。
お薦め曲としては、『One Way Or The Other』『Good Lady Of Toronto』『Country Time Rhymes』『Faithful Be Fair』『Angel』という所をピックアップしておくが、幅広いサウンドを奏でていることから、大きな可能性を感じられる内容のアルバムとなっている。(実際、'70'sに入ってから、お薦め曲の要素はそれぞれが人気曲となっているだけに、「惜しい」と言うことになります。)
カントリー系、ラテン系、サザン系、ジャジーな楽曲というように、幅広いサウンドを聴くことが出来るが、こういう所はまるでベスト盤のような雰囲気がある。それは各曲がそれだけ良く出来ているということでもある。ヒットしなかったのが本当に残念である。
彼らはバンドとしては直ぐに消えてしまったものの、'70'sに入ってからのメンバー個々の活躍ぶりを考えると、バンドとして大成しなかったからこそ、個々の活躍が出来たと言うようにも感じられると、実に複雑な気になってしまうのだが、良い楽曲は良いということは現在でも変わるところではない。ということで、'70'sサウンドに繋がり、更には'80'sのアメリカン・ロックにも繋がるところがあるだけに、しっかりと聴いておきたいバンドの(唯一の)アルバムである。
「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その276) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「偽りの死(Part 3)」です。(「偽りの死」として、その105、その192で記しているため、今回はPart 3と言うことになります。また、「007」はその時に取り上げた物語であるが、「ケータイ刑事」の方は別の物語です。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「愛・26話」、「007」からは「007は二度死ぬ」です。
「ケータイ刑事」:「愛・26話」。「さらば相棒 ~五代刑事殺人事件」という物語。「銭形愛」の最終話である。相棒に転勤辞令が出て、コンビでは最後の事件になるというパターンはこの後の定番になる(「舞・13話」と「泪・1st.13話」は少し違っているが、「零」以降では基本的なパターンとなっている。)物語である。但し、転勤する相棒の後を追っていって、押し掛け女房のように転勤先の警察署長に収まったのは、愛ちゃんだけである。
神無島署への転勤辞令が出た五代さんは、そのことを愛ちゃんに告げた。で、「最後の晩餐だ」と言って、五代さんは御馳走することを約束し、2人は一旦分かれた。そんな中、会社社長の山上が誘拐されるという事件が発生し、愛ちゃんは被害者宅に行き、捜査を開始した。が、山上の写真を目にして、被害者の山上と五代さんとが瓜二つだったことを知った。
やがて、身代金の要求が届き、身代金の受け渡しをするために、愛ちゃんは山上の娘ということになって、取引に向かう。その途中で五代さんからのメールが届いた。最初は意味不明であったが、よくよく考えると「SOS」と伝えていて、五代さんと山上が瓜二つと言うことから、間違えられて五代さんが誘拐されたと愛ちゃんは気づいた。
犯人からの要求で、「アクトスクエア地下駐車場」という指示が届き、愛ちゃんはそこに向かった。が、そこには五代さんの死体があった。
テレビのニュースは、新宿の地下・アクトスクエア地下駐車場で男性が刃物で刺されて死んでいるのが発見された、と伝えていて、「男性は警視庁捜査一課の五代潤巡査部長、43歳」と報道した。これを耳にした誘拐犯は、「マヌケな刑事もいるもんだ」と言って笑っていたが、その前には縛られた五代さんがいて、自分が死んだことになっていることを知った。
五代さんは、それを知って、ある策を思いついた。自分が報道された五代であることを犯人に知らせた。誘拐犯は、顔を見られているから五代さんを殺そうとしたが、五代さんは、警察も間違えたのだから、それがばれない内に、自分を山上に仕立てて、金を受け取った方が利口だ、と言った。(死体が山上とバレると、誘拐犯ではなくて殺人犯になるということもあった。)で、誘拐犯は再び身代金受け渡しのために電話を入れた。そして、山上は生きているとして、改めて身代金の用意を指示した。
しかし、これに山上の妻が、警察に対して引き取るように言い出して、警察は一度失敗しているので、夫は自分が守ると宣言した。
その夜、誘拐犯の元に妻たちが行き、身代金の受け渡しが行われた。五代さんは山上になりきって、妻にお礼を言うが、妻は「本当は助からない方が良かったんだけど...」と言って銃を向けた。全ては妻が、夫に飽きたこと、そして夫が死ねば山上家の財産は全て自分のものになるために仕組んだものだった。妻は五代さんを殺そうとしたが、愛ちゃんが登場してそれを阻止した。
そして、報道は嘘で、目の前にいるのは山上ではなくて五代さんということを明かした。「ニセのニュースを流したのは、あなたたちを罠に填めるため。そしてまんまと罠にはまった」と愛ちゃんは語った。首謀者である山上の妻はあっけにとられたが、協力者の専務は殺し屋に指示して愛ちゃんを消そうとした。
これに五代さんが素速く反応して、殺し屋を倒して愛ちゃんを救った。そして、山上の妻をはじめ、犯人一味を全て逮捕して、事件は解決した。
「007」:「007は二度死ぬ」。1967年のシリーズ第5作であって、初代ボンドの第5作である。日本を舞台にした物語てあるため、日本で大々的にロケが行われたが、来日中のS・コネリーが本作限りでボンドを降板することを発表したことを含め、日本ロケの時は何から何まで話題の多い作品と言うことにもなった。
米ソそれぞれのロケットが消息を絶ったことから、両国の間で緊張が走る。互いに何も知らないと発表し、次にことが起こったら戦争も辞さないという状況となるが、イギリスは冷静に事態を把握していて、日本方面から打ち上げられたロケットに拉致されたらしいと掴んでいた。そのため、日本に潜入して調査を進めようとした。
その頃、ボンドは香港にいたが、いつものようにプレイボーイぶりを発揮して、女をホテルの自室に連れ込んで、いつものようにしていた。すると何者かが突入してきて、襲撃されて死亡した。(ホテルの自室で女とベッドインしている所を襲われた。)新聞は「海軍中佐(=ボンド)死亡」というニュースを流し、イギリス海軍は大々的なボンドの葬儀(海軍葬)を行った。そしてボンドの遺体は海上葬ということで、海の中に投げ入れられ、海の中を沈んでいって海底に届いた。
しかし、潜水服に身を包んだ男たちが直ちにそれを回収し、MI-6の潜水艦の中に入れられた。直ちにそれが開けられると、潜水服を着て、酸素ボンベを付けていたボンドが目を覚ました。直ちに乗艦許可を求めると、許可が下りた。
ということで、ボンドが襲われて死亡した、というのは、全てはMI-6の作戦であって、ボンドを別人として日本に潜入させて、米ソのロケット消失事件の調査に当たらせるために打った作戦だった。
ボンドはMから東京での接触ルートの説明を受けると、直ちに日本に秘密裏に潜入するために、魚雷発射口から海中に出て、日本に上陸し、調査を開始した。
尚、新聞報道は、事件の起こった香港だけで無く、世界各地で報道されたため、世界中にボンドの死の偽装が公表されたことになった。真実を知っているのは、イギリスのMI-6と、ボンドが潜入することを知っている日本の秘密情報部だけであった。そのため、スペクター(ロケット失踪事件の首謀者)や事件に関与している大里化学は完全に安心してしまい、ボンドはノーマークとなった。で、ボンドは楽に情報活動を行うことが出来たのだった。そして、最終的に、ボンドによって大里はスペクターと繋がっていることが発覚、作戦に失敗したことからブロフェルドにその責任を負わされる形で射殺され、スペクターの計画も失敗に終わった。(ただ、ブロフェルドだけは逃亡した。)
共通点は、「死亡」ということを報道メディア(「ケータイ刑事」ではテレビのニュース、「007」では新聞)を用いて報道させて、敵を油断させるという作戦を執ったと言うこと、その敵はまんまと騙されて、最終的に計画が失敗したということである。また、敵のボス(「ケータイ刑事」では山上の妻、「007」ではスペクターのボスのブロフェルド)はこの物語では死んでいないこと、その首謀者の近い人物(「ケータイ刑事」では夫、「007」では部下)は死んでいるということである。
相違点は、計画が潰えたものの、首謀者は「ケータイ刑事」では逮捕されたが、「007」では逃亡しているということである。
次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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