「DOMANI ACCADRA」 [映画(洋画)]
表題の作品は1988年のイタリア映画「イタリア不思議旅」である。日本での劇場公開は1989年8月であった。19世紀半ばの革命前のイタリアを舞台にしたコミカルなロードムービーであり、当時28歳だったD・ルケッティ監督のデビュー作でもある。
作品データを記しておくと、時間は91分、監督はダニエレ・ルケッティ、脚本はダニエレ・ルケッティ、フランコ・ベルニーニ、アンジェロ・パスクィーニの3人、撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽はニコラ・ピオヴァーニである。そして出演は、パオロ・ヘンデル、ジョヴァンニ・グイデッリ、アニェーゼ・ナーノ、アンジェラ・フィノチアーノ、マルゲリータ・ブイ、チッチョ・イングラッシア、ウーゴ・グレゴレッティ、ダリオ・カンタレッリ、たちである。
時は1848年、革命前夜のイタリア・トスカーナ地方マレンマの牧童・ルーポとエドの2人は、病気の仲間を助けようとして、地主のデル・ギアナの集金人・テルミニオを襲った。が、満足な金を得ることはできなかった。それどころか2人は凶悪犯としてデル・キアナの息子・ディエーゴとオーストリア軍の3人組に追われることになってしまい、放浪の旅に出ることになってしまった。やがて2人は大盗賊・ジャンロレート一味の巣窟に迷い込み、その一味の仲間となった。が、エドは一味が誘拐しようとした貴族の傭兵に射たれて怪我をする。ルーポはエドを背負って逃亡し、辿り着いたのは川岸の城館だった。その城主・ルチーフェロ侯爵の娘・アレーグラと恋に落ちたエドは、そのまま城館に留まり、ルーポは旅に出る。そしてルーポは、発明家エネア・シルヴィオが創設した「調和の図」という森の中の理想郷に辿り着き、その発明家の姪・ヴェーラに一目惚れし、幸せの日々を得た。しかし、その日々は長く続かず、楽園の炭焼人によって追われるように旅に出ることになってしまう。その頃、革命が起こり、その今楽の中、ルチーフェロ伯爵たちは馬車で逃げ出し、その馬車とルーポは出会い、エドと再会した。が、デル・ギアナの追っ手に発見されてしまい、またまた逃亡の旅に戻ることになる。そしてミラノの見える国境に辿り着き、革命軍に救われて、そこから船に乗り、脱出の旅に出た。
ロードムービーということから来るテンポの良さと、コメディ仕立てであることから来る軽快さ、痛快さがあることから、リズムがあってなかなか面白く仕上がっている。時代設定は19世紀中頃であるが、そういうことも気にならずに楽しめる作品である。
ただ、ソフトということで恵まれていないのが残念である。(かつてはLDでリリースされていたのですが...)
↓ソフトが無いですが、こういうものがありました。
映画パンフレット 「イタリア不思議旅」 監督 ダニエレ・ルケッティ
- 出版社/メーカー: アットワンダー
- メディア: おもちゃ&ホビー
映画チラシ 「イタリア不思議旅」監督 ダニエレ・ルケッティ 出演 パオロ・ヘンデル、ジョヴァンニ・グイデッリ
- 出版社/メーカー: アットワンダー
- メディア: おもちゃ&ホビー
DIVORZIO ALL'ITARIANA(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1962年のイタリア映画「イタリア式離婚狂想曲」である。日本での劇場公開は1963年1月であった。また、英語タイトルは「DIVORCE-ITALIAN STYLE」であった。イタリア産の風刺コメディ(カトリックは離婚を禁じているという所がポイントで、その点をいたぶっています。)であるが、本作はアカデミー賞で脚本賞を受賞している作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は107分、白黒作品である。監督はピエトロ・ジェルミ、脚本はピエトロ・ジェルミ、エンニオ・デ・コンチーニ、アルフレード・ジャンネッティの3人、撮影はレオニーダ・バルボーニ、音楽はカルロ・ルスティケリである。そして出演は、マルチェロ・マストロヤンニ、ダニエラ・ロッカ、ステファニア・サンドレッリ、レオポルド・トリエステ、オドアルド・スパダーロ、ランド・ブッツァンカ、ピエトル・トルディ、ウーゴ・トレンテ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルガリータ・ジレリ、アンジェラ・カーデル、たちである。
シチリアの没落貴族であるフェルディナンド・チェファル。彼は結婚12年になる妻・ロザリアがいたが、1年半ぶりに自宅に戻るところであった。が、これには色々と訳があった。というのは、彼は美しい従妹で、当時17歳だったアンジェラに憧れを抱き、口うるさい妻との生活に嫌気がさしたこと、更にアンジェラも自分を愛しているということを知ったため、アンジェラとの恋を固く誓い、それからある計画を実行したためだった。
この国はカトリックの国と言うことで、法律で離婚が認められていなかった。また、落ちぶれたとは言っても貴族という家柄から周りの目がある。ということで、彼とアンジェラとの恋に希望は無かった。で、フェルディナンド、罪に問われること無く、ロザリアを殺してしまうことを考えた。ある日彼は、法律で、配偶者、娘、姉、妹が不法な肉体関係を結んでいて、それを発見して激昂の上殺害した場合は、普通の殺人よりも軽い刑で済むことを知り、これだ、と閃いた。で、妻の浮気相手として、彼女の初恋の画家・カルメロを選び、邸の壁画修理をするという名目で2人を近づけた。そしてカルメロとロザリアは駆け落ちしてしまい、フェルディナンドは妻を寝取られた男として街中の嘲笑を浴びることになった。が、これは彼の計画通りで、妻・ロザリアを殺す口実となった。しかし、そんなフェルディナンドの腰抜けのために、妹・アニエーゼは婚約を解消されしまい、アンジェラの父はこの騒ぎで心臓発作を起して死んでしまうという不幸もあった。やがて、フェルディナンドは駆け落ちした2人の行先を知ることになり、いよいよロザリアを殺すために現地に向かった。が、彼が到着した時、カルメロの妻が夫に復讐していて、血の海になっていた。そんなため、ロザリアも程なく殺した。そして裁判で、最低の3年の刑という判決が出た。しかし、恩赦があって1年半で釈放され、アンジェラの待つ自宅に戻るところだった。アンジェラは父の遺産を受け継いでいたこと化せ、2人は新婚ながら金持夫婦となり、町の人たちも彼を英雄のように迎え入れたのだった。
何と言っても、普通ではない発想が凄いところであって、余りにも常識外れで突拍子もない展開であるが、こういう発想がある所がイタリアらしいところであって、陽気な国である。しかも、それをコメディ・タッチで描いているため、お伽噺のように感じられてしまう。
ただ、本作はアンジェラを演じるS・サンドレッリが余りにも魅力的だからこそ成り立っている所も大きく、キャスティングの妙があってこそ成り立っている物語でもあるのは言うまでも無いですが...
尚、こういう発想は、現在だと余りにも非倫理的として、こういう作品は絶対に不可能でしょうね。お堅い所から火だるまにされてしまうのは確実でしょうし...そういうこともあるのか、ソフトも無いのは残念...→かつてはLDでリリースされていたのですが...)
が、サントラ盤の方はあるので、そちらを取り上げておきます。
収録曲は、ボーナス・トラック扱いの1曲を含めて以下の全15曲である。『Song Of Love』『Traffic』『Funeral March』『Lawyer's Prayer』『Trattoria』『In Love』『Murder Of Wife And Love』『Music Of Love』『Divorce』『Furtively』『Trial』『Deceit And Gossip』『Fefe』『Serenade』『Bonus Suite Of Additional And Alternate Cues』。
コメディ作品のサントラらしく、コミカルなところがあるだけでなく、シリアスな所もあって、これだけでも映画本編が面白く、楽しいところもあることが分かる内容である。映画とセットで楽しみたい所であるが、現在ではソフトが無いというのが重ね重ね残念である。(LDは実に貴重ということになります。)
↓こういうものがありました。
FANCY『GREATEST HITS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは2004年にリリースされた彼のベスト・アルバムである。(西)ドイツ出身のシンガーであり、'70's終盤の世界的なディスコ・サウンドの大ブームが下火になった'70's終盤にデビューして、欧州を中心にヨーロピアン・ディスコ・サウンドの数多くのヒットを放ってきた彼のヒット曲を集めたものであるだけに、(主に)'90's以降の欧州のダンス系サウンドをたっぷりと味わうことが出来る構成となっている。
収録曲は以下の全20曲である。『Dragostea Din Tei』『A Voice In The Dark』『Fools Cry』『Pretty Woman』『Sail Away』『Why On Why』『Locomotion』『Na Na Na Na Hey Hey Hey Kiss Him Goodbye』『Slice Me Nice/S.L.I.C.E.』『When Guardian Angels...Rap』『Flames Of Love/Love Flames』『Love In Japan』『Soul For Sale』『No More Sin』『Cool Jerk』『Promised Land』『It's The Same Old Song』『Die For You』『Wear My Ring Around Your Neck』『All My Loving』。
'80's前半の彼のヒット曲は収録されておらず、'80's終盤以降、'90'sの楽曲を中心としているので、ユーロ・ビートたっぷりのダンス系ナンバーが集まっているので、ある意味では親しみやすいベスト盤と言うことが出来る。('80's前半のヒット曲は、別のベスト盤があるので、テーマを絞ったことになるそちらの方がかえって良いと思います。)
アメリカや日本ではあまり取り上げられることがないが、欧州ではヒット・メーカーである彼のベスト盤であるだけに、内容的にも充実していて、たっぷり楽しめるだけに、ディスコ・サウンド、ダンス系サウンドがお好きな方にはお奨めのベスト盤である。
ケータイ刑事銭形海32話(3rd.6話)[裏ネタ編]PART 9 [ケータイ刑事]
「銭形海」の第32話(3rd.6話)「時を超えた指紋!? ~タイムスリップ殺人事件」の裏ネタ編の増補は今回限りです。で、海ちゃんが犯人に気づいたのは海老沢の言ったこれだったことから「一人称」について、これをした人がいると気づいた「代筆」について、再来年のこれが出てきたことから「流行」について、「鑑識メモ」に柴田さんのこれが登場したことから「三世」について、この格好をしていたことから「カウボーイ」について記します。
また、この物語について過去に記した記事(MBS放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。BS-i(当時)での本放送時に記した記事へのリンクもあります。また、この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/11/8付です。
「一人称」:人称の一つであって、(話者)自身のこと、または(話者)本人を含む仲間の集団(「我々」が該当することになる。)のことを指す。
自分自身(複数形もある)を指す言葉としては、実に様々な言葉がある。「私」「自分」「僕」「我」「我輩」などや「私たち」「自分たち」「僕たち」「我々」「我ら」などはそれらの中でも良く使われる言葉である。それ以外にも「拙者」「わらわ」「予」をはじめ、本人自身を指す言葉は多数あるが、ここではそういう具体例は、これ以上は省略することにする。
尚、原語によっては、一人称を指す言葉は1つしかないという原語もある(例えば英語では「I」と「We」が単数/複数の一人称代名詞であり、これのみである。)が、そういう原語の方が文法的には合理的ですね。が、日本語や中国語のように、表意文字である漢字を使っていると、一目で一人称でもどういう一人称なのかまで分かるという解釈する上でのメリットがあるので、どちらが便利なのかはまた他に議論が必要である...
英語では「The First Person」、ドイツ語では「Die Erste Person」、フランス語では「La Première Personne」、イタリア語では「La Prima Persona」、スペイン語では「La Primera Persona」、ポルトガル語では「A Primeira Pessoa」、中国語では「第一人稱」と言う。
「代筆」:本人に成り代わって、他人が描くこと、またはそうやって書かれたもののことを言う。「代書(だいしょ)」と言うこともある。
尚、書かれたものが小説、エッセイ、脚本、記事などのように、公に発表されるものである場合は、それを代わって書いた人のことを「ゴーストライター」ということがある。(あくまでも、ゴーストライターは表に出ずに、その作品は本人の名前で出版されることになる。)
手紙(特にラブレター)では、代筆をするということが(昔は)よく見られ、文才がある人、または字のきれいな人が持てはやされた時代がありましたね。(そういう人は「代筆」をよくやっていたものでした。)
英語では「Vicarious Writing」、ドイツ語では「Mitempfundenes Schreiben」、フランス語では「Écriture Délégué」、イタリア語では「Scrittura Vicario」、スペイン語では「Escritura Delegada」、ポルトガル語では「Escritura Vicária」、中国語では「代書」と言う。
「流行」:文字通りの「流れ行くこと」という意味と、ある現象(特に病原菌による病気)が世間一般に行き渡って広がっていくこと、特定の思想、衣服、製品、趣味や嗜好などが社会に広く行われるようになること、はやることを言う。
元々のはやるということでは、「流行性肝炎」として特定の病気の患者が爆発的に増えることを指していて、疫病などの悪いことが広がることを指していた。(現在でも、毎年冬になるとインフルエンザなどの病気が流行しているが、これが本来の「流行」の意味である。)それが、それ以外の物事でも、病気と同様に広く行われるようになること、広がっていくことも「流行」と言うようになった。(その現象が同じということですね。)
物事が流行るには、それが生み出される「潜在期」、それを受け入れる人たちが生まれる「発生期」、同調する人が増えて広がっていく「成長期」、広く知られるようになって伸びが鈍くなっていく「成熟期」、飽きられてきて次第にそれを用いる人が減っていく「衰退期」、誰も用いなくなって消えることになる「消滅期」に分けられる。(「受け入れる人」を「患者数」と置き換えると、流行性肝炎などの流行病にも当てはまる。)尚、「衰退期」は遭っても「消滅期」が無くてそれが定着することになるものもある。(定着したものは「文化」になる。また疫病でもその病原菌が死滅していなければ、定着したことになる。)
尚、英語では、病気の場合と物の場合で単語の使い分けがされていて、「The Fashion」「The Fad」「The Craze」または「Boom」などと言い、ドイツ語では「Die Mode」、フランス語では「Le Mode」または「Vogue」、イタリア語では「La Maniera」、スペイン語では「La Moda」、ポルトガル語では「A Moda」、中国語では「流行」と言う。
「三世」:父・子・孫の三世代のこと、初代から数えて三代目のこと、または、同名の君主の場合は最初から数えて3番目の人のことを言う。(君主の例としては、フランスのルイ○世やナポレオン三世などが有名ですね。また、古代エジプトやイギリスでも見られる。)
この物語では、「父・子・孫」の三世代を経て三代目ということで、柴田束志さんの孫ということですね。
尚、仏教用語の場合は「さんぜ」と読み、「過去世・現在世・未来世」のことを指し、意味が全く異なることになる。
英語では「Third」と言うが、海外移民に於いて移民世代の三世代目に当たる日系三世の場合は「Sansei」という。(この場合は他の原語でも同じである。)また、中国語では「三世」と言う。
「カウボーイ」:畜産業に従事している牧場労働者のことである。「牧童」と言うこともある。尚、女性の場合は「カウガール」と言う。しかし、特に断り無しに「カウボーイ」と言うと、アメリカ西部の牧場で、馬に乗って牛の世話をする牛飼男、牧夫のことを指して言う。→西部劇ではガンマンと共にカウボーイは当たり前のように登場する。(特にカウボーイは、野性的な男、自由な男というイメージが定着している。)
その一方で、イギリス英語では「ならず者」という俗語としての意味もある。(これも西部劇によく見られる一面でもある。)
アメリカ西部を象徴するイメージが定着しているが、全盛期は19世紀であって、特に19世紀後半はアメリカ南部、中西部から東部、または西部へと牛の群を輸送する労働者を指すようになり、やがてそれらの人が定住して作った牧場の労働者のことを指すようになった。20世紀になると、ニューフロンティアが無くなり、西部開拓時代が終焉し、それと共に牛の群の輸送と言うことが鉄道などが担うようになり、カウボーイも衰退していき、牧場での牛飼としてのカウボーイが生き残ることになった。
英語、ドイツ語、イタリア語では「Cowboy」(但し、発音は異なる。)、フランス語では「Cow-boy」、スペイン語では「Vaquero」、ポルトガル語では「Vaqueiro」、中国語では「騎馬牧者」と言う。
一人称小説とは何か−異界の「私」の物語 (MINERVA 歴史・文化ライブラリー)
- 作者: 廣野 由美子
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2011/08/10
- メディア: 単行本
COWBOY & INDIAN (カウボーイ アンド インディアン) 2012年 04月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: イースト・コミュニケーションズ
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 雑誌