SSブログ

BLACK BOX『DREAMLAND』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1990年に発表されたBBのデビュー・アルバムである。イタリアから飛び出したバンドであり、「ITALO HOUSE」を代表するバンドであるのが彼らであり、正に勢いに乗って飛び出したアルバムである。ハウス・ミュージックは突然とんでもない所に飛び火して、新たなムーヴメントを生み出していたが、「ITALO HOUSE」もそんな中の1つである。特に、'80's中盤以降、ワールドミュージックに脚光が集まって以来、突然とんでもない所に飛び火した新たなサウンドが次々に飛び出したものでした。で、'90's初頭には広い支持を集めることになり、欧州(特にイギリス)で大ヒットを記録することになった。本アルバムはイギリスでは最高位14位を記録しているが、アメリカでは最高位57位に留まっている。

収録曲は以下の全9曲である。『Everybody, Everybody [Le Freak Mix]』『I Don't Know Anybody Else』『Open Your Eyes』『Fantasy』『Dreamland』『Ride On Time [Remix]』『Hold On』『Ghost Box』『Strike It Up』。

この中からシングル・ヒット(アメリカ)を記録したのは『I Don't Know Anybody Else』(最高位23位)、『Everybody, Everybody』(最高位8位、1990年のBillboard年間シングル・チャートでは81位にランクイン)、『Strike It Up』(最高位8位)である。しかし、イギリスでは本アルバムの発表前に先行リリースされた『Ride On Time』が全英1位を獲得したのをはじめ、『I Don't Know Anybody Else』がアメリカ以上にヒットして、全英4位を記録、アメリカではシングル・カットされなかった『Fantasy』が最高位5位を記録している。(イギリスだけでなく、欧州、オーストラリアではアメリカ以上の大ヒットを記録している。)

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『I Don't Know Anybody Else』『Strike It Up』『Fantasy』というヒット曲と、全英1位のものとは別バージョンとなる『Ride On Time [Remix]』、そして『Strike It Up』という所をピックアップしておく。

'90'sサウンドの特徴の一つとして、新たなブームが次々と生まれるが、それが長続きしないという現象が見られたが、正に彼らのサウンドもそんな一つのブームのような感じだった。ただ、本当に1曲のビッグヒットだけで消えていく、所謂「一発屋」とは違って、彼らは複数のヒット曲を持っているバンドである。ただ、'90'sという混沌とした時代を象徴するような活躍だった。'80'sのミュージックシーンの現象を受けて、'90's初頭の花火(時は正にバブルの時代でした。)というようなことになった彼らであるが、そういう時代を語る上では忘れてはならないバンドの1つである。しかも、そのデビュー・アルバムであるので、ハウス・ミュージックや'90's初期のダンス・ミュージックを語るのであれば、しっかりと抑えておきたいアルバムである。

 

Dreamland

Dreamland

  • アーティスト: Black Box
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1990/06/12
  • メディア: CD

Dreamland

Dreamland

  • アーティスト: Black Box
  • 出版社/メーカー: BMG International
  • 発売日: 1998/07/03
  • メディア: CD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「渡り鳥」(その5) [映画(邦画)]

今回はシリーズ3年目となった1961年に製作された2本(シリーズ第6作と第7作)の2本についてです。

シリーズ第6作波涛を越える渡り鳥」(1961年)
市、脚本は山崎巌、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、宍戸錠、浅丘ルリ子、白木マリ、小高雄二、金子信雄、近藤宏、清水将夫、木浦佑三、藤村有弘、深江章喜、瀬山孝司、伊藤寿章、初井言栄、野呂圭介、青木高夫、倉田栄三、沢美鶴、たちである。

ギターを抱えた渡り鳥の滝伸次は、横浜でギャング団に襲われた貿易商・松本を助ける。この時、ギャング団の一員が落としていったネックレスは、戦争中にビルマ国境の谷底で死別した兄・昭次のサンゴのネックレスだったということで、それを持っていたのは香港の忠安公司ジェラール・ウィリイと知ると香港に飛ぶ。が、忠安公司は香港にはおらず、バンコクにいるということで、バンコクへ向かう。そして現地のキャバレーに入る。そこでラオスの虎という早射ちの名人とその女・サーヤを知る。そんな所に、ジェラールに対してジルコン鉱山の権利書を奪うように命令が出る。で、それを追う伸次。が、ジェラールの一味に襲われる伸次。それを助けるラオスの虎。やがてあのネックレスはラオスの虎の持ち物だと言うことが分かり...

本作の舞台は日本ではなく、香港、そしてバンコクということで、これまでのシリーズとは大きく違っている。また、展開も少し違ったものになり、冒険ものという感じの作品となり、「渡り鳥」の持っているイメージとはかけ離れてしまった。これはこれで悪くはないが、「渡り鳥」には似合っていません。

シリーズ第7作大海原を行く渡り鳥」(1961年)
作品データを記しておくと、1961年の日活作品で、時間は79分、原作は三原貞修、監督は斎藤武市、脚本は山崎巌、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、藤村有弘、浅丘ルリ子、白木マリ、楠侑子、青山恭二、芦田伸介、垂水悟郎、日下部美帆、木浦佑三、郷えい治、弘松三郎、待田京介、黒田剛、河上信夫、島村謙次、光沢でんすけ、花村典克、たちである。

本作から宍戸錠が出演していないということで、急にスケールダウンしてしまった感が拭えないが、これまでのシリーズのパターンに戻ったということで、これはこれで悪くはない作品である。

九州・雲仙高原に流れ着いた滝伸次。いきなり襲われている観光馬車を目にして助けに入る。助けられたのは大洋貿易社長・磯部、雲仙観光の経営者信夫の妹・由紀、長崎にいる父親を訪ねてきた少女・三木みどりだった。で、観光事業に絡む悪玉に立ち向かって行き、ヒロインを助けるという、本シリーズの典型的なパターンで物語が進んで行く。

本作では、ツブテの竜というライバルが登場し、彼がまた怪演しているのだが、宍戸錠が演じたライバルたちと比べると、何か物足りなさがあるのもまた事実である。

まあ、前作が「渡り鳥」シリーズの唐を打ち破ろうとして海外を舞台にした作品であっただけに、「渡り鳥」シリーズらしい作品に感じられるのだが、シリーズ全体としたら息切れしたと感じられる1本である。

今回の2本は、人気シリーズを更に飛躍させようとした試み(第6作で海外を舞台にしたこと)から始まる(今でこそ言えることでもあるが)シリーズに幕を引かせる階段を降りていくような作品ということで、どことなくかみ合いの悪さを感じてしまう作品であるが、「渡り鳥」シリーズということを忘れたらそれなりに堪能できる作品でもある。ということで、シリーズ作品の難しさを感じる作品でした。

 

波涛を越える渡り鳥

波涛を越える渡り鳥

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD

大海原を行く渡り鳥

大海原を行く渡り鳥

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

7月の注目番組(BS-i中心) [BS-TBS(BS-i)関連]

7月のBS-iを中心とした注目番組を列挙しておきます。(情報源は「DIGITAL TV GUID 8月号(表紙・貫地谷しほり)、6/24発売→定期購読をしていると発売日よりも前に入手出来る。)但し、端から端まで全て目を通した訳ではないので、他の放送局に関しては殆ど拾っていません。また、月刊誌であるため、番組変更がある場合があるので、1週間前にEPGで再確認するのがよろしいかと...

やはり、トップは今年が5年目となる「カルピスの日」(7/7)に放送されるカルピス・ドラマスペシャルの「私の恋と父」でしょう。過去4年の4作品は、いずれも派手さはないが、心温まるハートフルなドラマであり、ウルウルとなる物語であるだけに、今年も大いに期待できます。しかも、今年は黒川芽以さん国広富之さんということで、「ケー刑事」ファンにとっても外せないキャスティングです。(ちなみに、2005年の第2作には、柴田束志の大掘こういちさんが、去年の第4作にはクイーン女優・宝積有香さんが出演していました。)去年は過去の作品まで含めて4作品が一挙に放送されたが、今年は過去作品の放送は予定されていないものの、楽しみです。(7/7 20:00~20:30です。)

尚、その前の19:00~19:54には「恋する日曜日・文學の唄」の最初の2本である「蒲団」の前後編の放送があります。

7月の「東京少女」のヒロインは6代目ケータイ刑事の大政絢ちゃん。(地上波の某番組とバッティングということになりますが、やはりこちらでしょう!)4つの物語のタイトルは、放送順に「幸福荘ものがたり」「100万回の孤独」「恋忍者☆服部絢蔵」「エチュード"秘密"」です。(タイトルから考えたら、3本目の「恋忍者☆服部絢蔵」がコミカル編でしょうか。)尚、4本目の「エチュード"秘密"」は松崎しげるさんと大掘こういちさんが出演ということになっているので、「銭形海・3rd.」のレギュラー3人が再びということで、注目です。また、1本目と3本目の両方に八木小緒里さんの名前があるが、繋がりがある物語ということは無いと思います。(八木小緒里という場、第4回ミスマガジンのグランプリを受賞している人です。「八木さおり」から「八木小織」に表記を変えたのは知っていたが、「八木小緒里」に更に変えていたんですね。)

で、「キ・ニ・ナ・ル!」の方がキニナルが、7/4と7/18は共に野球放送のために枠が移動して、共に土曜日23:30となる。(「東京少女・大政絢」に続く形となる。)で、7/5はゲストに黒川芽以さんの名前があります。これは当然のことながら、7/7のカルピス・ドラマスペシャルがあるからですね。(ちゃん、ちゃんという緑リボン・次女コンビが続いて登場と言うことになります。)

また、6/29と7/6の23:00から「怪談新耳袋SP」があり、7月の「東京少女」のヒロインであるちゃんのゲストは確認できませんでした。(あるとしたら11日か19日でしょうね。)

尚、6/29はBS-2での「名曲探偵アマデウス」はお休みだが、1時間繰り下がったお姉ちゃまの「篤姫」とかぶり、7/6はお姉ちゃまの「名曲探偵アマデウス」とかぶります。(「名曲探偵アマデウス」はBS-hiでは他の曜日にも放送されているし、「篤姫」も地上波ねBS-hiでは別の時間に放送されているので、問題ないでしょうけど...)

また、7/27の同じ時間帯には、去年の「新耳SP」の「黒い男たち」(お姉ちゃま主演)の再放送があります。(このことから、8/3は「牛おんな」の再放送があるものと思われる。)

そして「新耳」関係はまだあります。やはり今年も「怪談新耳袋」の再放送があります。それは日曜朝10:30~11:00の枠です。再放送「恋する日曜日・文學の唄」の後番組です。7月は第1シリーズの20話(5話ずつ)が放送されます。

そして、7/27の18:00~19:54には映画怪談新耳袋 幽霊マンション」の放送があります。(お姉ちゃま主演です。BS-hiの「篤姫」とバッティングしますけど...)

また、日曜10:00は「銭形海・セカンドシリーズ」ということでした。(「iしたい。」では既に「セカンド」の文字が入っています。)→本放送の時は1st./2nd.の最終回の時、「終」マークは付いていなかったが、1st./2nd./3rd.をはっきりと別扱いしようということですかね...???

「呪いのマンナさん」は全て火曜23:30からのスタートですが、「ベストヒットUSA2008」の後半と完全に被っているのと、期待したような怖さが無いだけに...

7月の「名曲探偵アマデウス」は4日が「ベルリオーズ・幻想交響曲」、11日は野球でお休み(13日のS-2は放送あり、何かの再放送でしょう。)、18日は「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番」です。25日は放送はあるが、27日のBS-2がお休みのため、これまで放送されたものの中からの再放送と思われる。

それ以外では、BS-hiが7/4,6,11に、王祖賢(ジョイ・ウォン)映画「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の3作を放送するということになっています。ただ、その後のアニメ版の「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー 小倩」(小倩の声はアニタ・ユンでした。)の放送が無いのが残念。

地上波では、7/13の「ゴーオンジャー」が「ゴレンジャー」から数えて、戦隊通算1600話になるというのが話題と言えば話題でしょうか。

尚、MBSの木曜深夜の「銭形海」は7/10から2nd.に突入となりますが、こちらは「セカンド」という表記はされていないですね。(BS-iの再放送と同じ物語がその週の木曜深夜に放送されるということが続きます。)尚、7月は全て26:30のスタートのようですが、何かがあって繰り下がることもあり得るので、時間の方は直前に再確認しましょう!

TwellVの懐かしの名画を放送する「神宮前名画座」の7月のスケジュールは、5,6日は休み、12,13日はヒッチコック監督の「レベッカ」、19日(20日は野球のためお休み)はローレンス・オリヴィエの「黄昏」、26,27日はグレゴリー・ペックの「アラバマ物語」というラインナップです。相変わらずというラインナップだが、野球中継で今月もお休みがありすぎ...

(6/24 19:00追記)
本日、7月の「東京少女・大政絢」、8月の「東京少女・岡本杏理」、9月の「東京少女・瓜生美咲」が一気に発表されました。(7月は既に分かっていましたけど...)「セピア編」の6人の内、ちゃんが妹・ちゃんに、麻有ちゃんがななみちゃんに変わったが、他の4人はまあ順当な所ですかね...

 

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

恋する日曜日 文學の唄 ラブストーリーコレクション

恋する日曜日 文學の唄 ラブストーリーコレクション

  • 出版社/メーカー: KINGRECORDS.CO.,LTD(K)(D)
  • メディア: DVD

怪談新耳袋 百物語 DVD BOX

怪談新耳袋 百物語 DVD BOX

  • 出版社/メーカー: キングレコード、ビーエス・アイ
  • メディア: DVD

怪談新耳袋劇場版 幽霊マンション

怪談新耳袋劇場版 幽霊マンション

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD

怪談新耳袋 絶叫編 上 ぶぅん

怪談新耳袋 絶叫編 上 ぶぅん

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 絶叫編 下 ぎぃ

怪談新耳袋 絶叫編 下 ぎぃ

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD

怪談新耳袋 絶叫編 左

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 絶叫編 右

怪談新耳袋 絶叫編 右

  • 出版社/メーカー: キングレコード、ビーエス・アイ
  • メディア: DVD
 
↓これはドキュメンタリーです。7/23発売
怪談新耳袋 殴り込み

怪談新耳袋 殴り込み

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
↓再放送されるのはこちら
怪談新耳袋 第1夜

怪談新耳袋 第1夜

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 第2夜

怪談新耳袋 第2夜

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 1stシーズン DVD-BOX

怪談新耳袋 1stシーズン DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー DVD-BOX

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

杉田二郎(ジローズ)『ゴールデン・ベスト』 [音楽(特撮/邦楽)]

表題のアルバムは2002年にリリースされたベスト盤である。一応「杉田二郎」名義になっているが、ジローズのヒット曲がたっぷりと入っているということで、実に貴重なベスト盤である。特に『戦争を知らない子供たち』は余りにも有名な曲(色々とこの曲の替え歌も生まれています。)であり、メロディの方は誰でも口ずさむことが出来るでしょう。

収録曲は以下の全20曲である。『あなただけに』『戦争を知らない子供たち』『青春のわかれ道』『涙は明日に』『子供達に聞かせる唄』『心に勇気を』『突然』『人力ヒコーキのバラード』『愛の子守唄』『別れるなら今』『27才』『男どうし』『積木』『君住む街』『僕たちの箱舟』『(青春は)まるで映画のように』『ANAK(息子)』『エンドマーク』『やわらかい心』『ワンナイト・ララバイ』。

この中でも『エンドマーク』はようやくCD化されたということでポイントが高い。また第一期ジローズの『あなただけに』から始まり、シングルとしてリリースされた曲が最初から6曲続いているというのも、本アルバムがジローズを強く意識している所であり、本アルバムのセールスポイントである。

お薦め曲は、やはり『戦争を知らない子供たち』は外せないが、それ以上に『あなただけに』から『心に勇気を』のシングル6曲と『エンドマーク』という本アルバムのセールスポイントになっている曲と、『人力ヒコーキのバラード』『愛の子守唄』『君住む街』をピックアップしておく。(これでもかなり絞りました。)

ジローズの活動期間はひじょうにに短く、杉田二郎はジローズの解散後ソロ・シンガーとして活動をしていて、ソロとしてのキャリアが35年を越えているので、ソロ・シンガーとしてのイメージが定着しているが、彼の音楽活動の原点であり、もはや伝説の領域になっているジローズにスポットを当てた本ベスト盤は、資料性も高く、実に貴重である。手元に置いておきたい1枚である。

 

ゴールデン・ベスト

ゴールデン・ベスト

  • アーティスト: 杉田二郎 ジローズ,杉田二郎,ジローズ,なかにし礼,北山修,吉田拓郎,松本隆,Freddie Aguilar,山川啓介,キタヤマ・オ・サム,松山猛
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/11/20
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

BABYFACE『TENDER LOVER』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1989年に発表された彼の2nd.アルバムである。前作もそれなりにヒットを記録したが、本作のヒットによって彼はバラード・シンガーとしての地位を確固たるものにした。当時の売れ筋路線の曲と、じっくりと聴かせるスローなバラードとが融合したアルバムであり、完全に彼のスタイルは確立している。尚、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位14位を記録し、1990年の年間アルバム・チャートでは21位にランクインしている。

収録曲は全11曲で会ったが、現在はボーナス・トラックが3曲追加されて、全14曲になっている。収録曲は以下の通りである。(後ろの3曲がボーナス・トラックである。)『It's No Crime』『Tender Lover』『Let's Be Romantic』『Can't Stop My Heart』『My Kinda Girl』『Where Will You Go (Prelude)』『Whip Appeal』『Soon As I Get Home』『Given A Chance』『Sunshine』『Where Will You Go』『Tender Lover (Dub L. A)』『My Kinda Girl [12" Version]』『Whip Appeal [12" Version]』。

この中からは4曲がシングル・カットされてヒットを記録している。『It's No Crime』が最高位7位、1989年のBillboard年間シングル・チャートで90位にランクインしており、『Whip Appeal』は最高位6位、1990年のBillboard年間シングル・チャートで83位にランクインしている。また、年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないが、『Tender Lover』がレギュラー・チャートで最高位14位を、『My Kinda Girl』が最高位30位を記録している。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『It's No Crime』『Tender Lover』『Whip Appeal』『Soon As I Get Home』『Given A Chance』『Sunshine』という所をピックアップしておく。前半はミディアム・テンポの曲で、ノリがよいが、次第にスローなバラードになっていく後世は秀逸である。後半の方は、たっぷりと聴かせてくれるということで、彼のボーカルに酔いしれます。

大人の鑑賞に堪えうるだけのバラードは、それぞれの曲の出来も良いが、アルバムとしての構成も旨くまとめられているので、収録曲をバラバラに聴くのではなく、1枚のアルバムとして曲順に従ってじっくりと聴いてもらいたいアルバムである。ややアップテンポで聴く者を引き込むと、次第にスローダウンしていき、気がついた時にはバラードのオンパレードになっているが、全く違和感を感じることなく、そして時間の経過も感じさせないのは凄い所である。夜にグラスを傾けてじっくり聴くのが似合うアルバムである。

 

 

Tender Lover

Tender Lover

  • アーティスト: Babyface
  • 出版社/メーカー: Sony Mid-Price
  • 発売日: 2001/02/08
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

篤姫#25 [ドラマ]

今週のBS-hiはいつもより1時間繰り上がって、17時からの放送でした。今回で丁度半分ということになったが、相変わらずの展開ですね。が、今回は少し作風が変わってました。

今回は、篤姫と本寿院の嫁姑バトルをメインとして進んで行くが、この「バトル」ということに重ね合わせるように「お世継ぎバトル」を重ね、さらには出世バトルで一人取り残された大久保にスポットを当ててフォローをするということで、色々とやってくれます。

本寿院が篤姫の「正体見たり」と口にしていたが、その一方で、大奥の井戸端会議メンバー・マリバロン・本寿院チームも世界征服を企む悪の組織のような雰囲気が出ていて、これが面白い所でした。滝山が悪の女幹部に見えました。

家定が倒れたということで、本寿院は篤姫のせいとして、2人を遠ざけようという作戦に出た。朝の仏間のお祈りの席に来ないようにし、おわたりの連絡を知らせないように手を打った。(お志賀を用意させておいたが、完全に無視されました。)

篤姫は誤解を解こうとして本寿院と掛け合うが、瞬間湯沸かし器となったマリバロン・本寿院の前に銭形愛・篤姫はタジタジだった。

が、ここから篤姫は妻として、女として目覚めていき、本気で家定のことを思っていることに気づく。→「愛」のドラマに変わりました。

一方、家定も家定で、篤姫の事を本気で思っていた、ということで、おわたりに来たら篤姫がいないということで駄々をこねる子供のような所を見せたと思ったら、計算尽くで倒れ、本寿院にこれまで育ててくれたお礼と、大人になったことを告げ、篤姫の元に向かった。

家定と篤姫を見守る本寿院、滝山、幾島。それぞれの思惑があるが、結局は家定と篤姫の愛の絆が全てに勝っていた。

これ以外のサイドストーリーとして、井伊が帝の事を口にするとか、斉彬が危機を感じて動き出すとか、西鄕が江戸に向かい、大久保は熊本で挫折を再度痛感し、そこから「鬼になる」と目覚める発言があったが、これらははっきり言って霞んでしまったエピソードでした。ただ、大久保の所は、下手な青春ドラマで。逆に浮いてましたね。

実際、今回は殆どの登場人物が空気のようになっていて、存在感がなかったですね。その筆頭はお志賀でしょう。最近は一段と貫禄が出てきた幾島も存在感がなく、その他大勢の一人になっちゃいました。結局、篤姫・家定の愛の強さを確認したのと、本寿院の妬みの深さが全てという物語でした。

次回からは完全に後半に突入ということになる。が、もう暫くはホームドラマが続きそうです。斉彬の一橋派の反撃ということでまたも、ということになるが、本寿院もまた次の手を打っていたということで、「嫁姑バトル」から「お世継ぎバトル」ですかね。

尚、来週6/29のBS-hiの放送はいつもの18時からに戻るが、BS-2は1時間繰り下がって23時からの放送です。(従姉妹・ちゃんの「怪談新耳袋SP」と被ります。妹・ちゃんの「名曲探偵アマデウス」はお休みです。)それ以外にも6/29は録画したいものがたくさんあり過ぎる一日です。でも、優先順位が高いのは、本作と「怪談新耳袋SP」です。

 

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫 (み9-7))

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫 (み9-7))

  • 作者: 宮尾 登美子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03/15
  • メディア: 文庫

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫 み 9-8)

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫 み 9-8)

  • 作者: 宮尾 登美子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03/15
  • メディア: 文庫
↓これも発売になります。

篤姫後編

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2008/06/30
  • メディア: 単行本
↓その他いくつか
「篤姫」オリジナルサウンドトラック

「篤姫」オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト: TVサントラ,吉俣良
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: CD
NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

  • 作者: 宮尾 登美子
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/12/20
  • メディア: ムック
篤姫と大奥―幕末騒擾を生き抜いた御台所 (歴史群像シリーズ)

篤姫と大奥―幕末騒擾を生き抜いた御台所 (歴史群像シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本
歴史街道 2008年 06月号 [雑誌]

歴史街道 2008年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/05/07
  • メディア: 雑誌
↓マリバロンはこちら
仮面ライダーBLACK RX VOL.1

仮面ライダーBLACK RX VOL.1

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: DVD
↓愛ちゃんはこちら
ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

TwellV・神宮前名画座「SANDS OF IWO JIMA」 [映画(洋画)]

今週の神宮前名画座は、1949年のアメリカ映画「硫黄島の砂」でした。5/31に放送された「フライングタイガー」と同様にJ・ウェイン主演の戦争映画であるが、「フライングタイガー」は完全なプロパガンダ映画であるが「硫黄島の砂」は鬼軍曹ものであるが、ドラマとして見せてくれる作品である。(現在、「フライングタイガー」と「硫黄島の砂」の2作品が一緒になったDVDソフトがリリースされている。主演は共にJ・ウェインであり、戦争映画であるが、余りにも毛色が違うと思うんですけど...)

作品データを記しておくと、時間は109分、白黒作品である。原作はハリー・ブラウン、監督はアラン・ドワン、脚本はハリー・ブラウンとジェームズ・エドワード・グラントの2人、撮影はレジー・ラニング、楽:はヴィクター・ヤングである。そして出演は、ジョン・ウェイン、ジョン・エイガー、アデル・マーラ、フォレスト・タッカー、ジュリー・ビショップ、ジェームズ・ブラウン、アーサー・フランツ、ウォーリー・カッセル、リチャード・ウェッブ、リチャード・ジャッケル、ジョン・マクガイア、マーティン・ミルナー、ウィリアム・セルフ、たちである。

アメリカ海兵隊のジョン・ストライカー軍曹し鬼軍曹として部下から反感を買っている厳しい男である。時は1943年、ニュージーランドの基地で彼は戦争訓練を行なっていた。そんな所に、彼が父と慕うコンウェイ大佐の息子・ピーターが新兵としてやってきた。ピーターは父と同じ根っからの軍人であるジョンを毛嫌いしていたが、次第に軟化していく。(ここは定石の展開である。)やがて、隊はタラワ上陸作戦に加わることとなる。この戦闘で失態を演じて数名の部下を失うことになる。更に隊は硫黄島作戦に参加することになり、戦いが始まる。

展開はよくある鬼軍曹の物語であるが、登場人物をしっかりと捕らえて、部下の教育、自身の離婚という問題をうまく絡めていて、人間味のあるドラマとして旨くまとめられている。そのため、鬼軍曹に対しても、特に拒否反応を起こさずに入って行くことが出来る。

また、途中のエピソードは、人間ドラマに偏ろうとしている物語が「戦争中」ということを忘れさせているのを、はっきりと思い出させて、脳裏に焼き付けてくれることになる。戦場ということを冷静に考えれば、オマヌケなこととして片付けられそうだが、時節を忘れてはならないという教訓ということではよく考えられている。そして、何だかんだでクライマックスの硫黄島上陸作戦は迫力があって、しっかりと見せてくれる。
戦争映画であるが、人間ドラマとしてもしっかりと描かれている作品であるので、見ておきたい1本である。

尚、次回の神宮前名画座は6/29(日)となり(土曜の方はお休みです)、I・バーグマン主演の1948年作品「ジャンヌ・ダーク」です。

 

硫黄島の砂

硫黄島の砂

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • メディア: DVD

硫黄島の砂

硫黄島の砂

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • メディア: DVD
硫黄島の砂

硫黄島の砂

  • 出版社/メーカー: GPミュージアムソフト
  • メディア: DVD

↓「フライングタイガー」と本作のセットです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

久しぶりの「警視庁から入電中」 [ケータイ刑事]

本日、実に久しぶりの「警視庁から入電中」というテレメールの配信がありました。しかも、最初の配信から10分後に「再び警視庁から入電中」という続報までありました。(携帯では、この送信アドレスからのメールは、着信音をマヤヤの「警視庁から入電中」という着ボイスに設定しているだけに、気分は銭形になれます。)

最初の方は、6/27に発売になる「銭形海」のDVD-BOX1のお知らせだったが、やっぱりこの告知が配信されました。(今までもそうだったので、そろそろ届くのではないかと思っていました。)ただ、その中で1つだけツッコミを。価格に関して「4枚組11,400円(税抜・販売ハピネット)」と記されてあったのだが、現在は税込の総額表示方式とするのが一般的である。確かに「税抜」と記されているので、これはこれで問題はないのだが、総額表示方式は国の方針でもあるだけに、「警視庁から入電中」としていることを思えば、やはり総額表示方式で記すべきだったと思います。→「ケータイ刑事」らしいツッコミを入れさせるためのネタを仕込んでいる、ということも言えますが...

続く、「再び…」の方は、これまでずっと明かされていなかったCDドラマ(「ドルフィンガールズショー」)に関しての情報でした。「・DVD-BOX1」と同じ6/27に発売になる。

最近は、発売情報は何処かから漏れているのが普通であり、発売日の情報を隠すということはほぼ不可能である。それが発売1週間を切った時まで隠されていて、急に発表されるなんて、情報化社会である現代では考えられないことである。が、こういうところも「ケータイ刑事」らしいことでもあります。

ところで、2通の「警視庁から入電中」に、日曜の再放送「銭形海」のお知らせが入っているのは良いのだが、来週はいよいよ1st.13話ということで、高村さんとの最後の物語である。6月のTV雑誌でもそうだったが、EPGで来週の放送再放送の番組タイトルの中に「」マークがやっぱり入っている。「1st.シリーズ」ということでは確かに「終」であるが、ここで一旦終了、7月からは2nd.ではない別のものが放送されるという危惧が...

(6/23追記)
上記「ドルフィンガールズショー」ですが、楽天やamazonではヒットしませんが、セブン&Yならばヒットします。(http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32092456)早く入手したい方は注文されては如何。(27日以降、本屋さんで購入という手もありますけど...)

 

いよいよ発売です。

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

↓amazonでもようやく発見しました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

ゴルゴ13#11 [アニメ]

今回の物語は、コンピュータの計算でも不可能と判断されたアングルから狙撃を行うゴルゴの超人的な腕を見せつけた物語でした。ただ、CIAにしても国務省にしても、自分たちの利益だけというエゴ丸出しで、それぞれの思惑でゴルゴを利用するというのは、ちょっと怖いですね。

ヨルダン国王特使の狙撃をゴルゴに依頼したCIA。が、狙撃場所は空港内という条件を付ける。一方、国務省はその情報を掴み、ゴルゴを暗殺するために天才スナイパー・カッツ・ドーベルを雇う。舞台はJ・F・ケネディ国際空港で、特使が飛行機からヘリコプターに乗り換えるために移動する1分しかチャンスはない。ということで、カッツはコンピュータを使ってゴルゴの計画を分析する。そして狙撃可能ポイントは2箇所だと割り出し、そこから逆にゴルゴを狙撃する作戦を用意した。そして特使が到着、カッツはゴルゴが現れるのをひたすら待った。が、ゴルゴはコンピュータでも狙撃不可能と判断した場所(格納庫)から現れた。その情報から応戦の準備を整えたカッツ。が、ゴルゴはカッツを仕留めると、特使を乗せて離陸したヘリコプターを僅かな隙間から狙撃した。で、ヘリは爆発炎上、依頼された仕事を終えた。

物語のタイトル通り、まさに「死角」を利用したゴルゴの計画がコンピュータの計算をも上回っていたと言うことになるが、よくよく考えたら、コンピュータに計算させるプログラムはあくまでも人間が作ったものであり、「狙撃可能/不可能」という最終判断は人間が行ったものである。(プログラム上、コンピュータが判断していても、そのプログラムは人間が作ったものである。)よって、結局は人間同士の読みあいということになる。仕事を依頼された時に、自分が狙われることまで計算していて、それをも打ち破るだけの計画を立て、実行するゴルゴ13の洞察力と計画力、実行力にはしびれる所です。が、特使の狙撃を依頼された時、胡散臭さがあると感じ取っていたというのもまた事実ですよね。やはり、バックに国があると、自分たちのエゴのためというのは、この世界の常識と言ったところですかね...

 

↓この物語の原作はこちらに収録

ゴルゴ13 (66) (SPコミックス)

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 1988/01
  • メディア: コミック

 

↓いくつか

リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13

リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 単行本

さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selection

さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selection

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/11/13
  • メディア: 単行本
各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13

各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

東京少女・桜庭ななみ#3「おウチに帰れない」 [ドラマ]

20日の「キ・ニ・ナ・ル!」に桜庭ななみがゲスト出演して、そこで見せていた部分が物語に出ていて、なかなか面白い作品でした。ただ、魅力は出ていたが、これぞというものが無く、ここはダメというものも無く、纏まり過ぎていたように感じられる物語でもありました。一応、メルヘンチックなコミカルな物語ということになるが、ベースに「オズの魔法使」があり、これを知っているかどうか出楽しみ方が変わる物語でもありました。(今回のななみの苗字は「小津」だったが、これも「オズの魔法使」を意識していた証拠です。)また、小中和哉監督ということでは「星空のむこうの国」(1986年作品、主演は有森也実さん)のファンタジックな所を何となく思い出させてくれたが、ファンタジックさが全開というものでもなく、小中監督作品としたら小さく纏まりすぎていたような感じでした。(「星空のむこうの国」には本作のようなコミカルな所はなく、もっとファンタジックな作品です。)

また、今回は主題歌の持っている雰囲気が物語に妙にマッチしていました。ただ、コミカル編としたら爆笑という笑いの要素は少なく、コミカル・タッチのメルヘンと言った所が良いですね。(少なくとも前回と前々回とは全く違ったユーモアに満ちた世界の物語でした。)でも、「東京」という所は全く関係なく、これに関しては完全に忘れ去られている。もはや、「主演が4つの異なる役を演じる」ということだけがポイントになっていて、「68FILMS」「Bitter Sweet」「セピアの想ひ出(セピア編)」とはタイトルに共通のものがあるが、内容的には完全に別シリーズとなっちっている。これはこれでちょっと考え物です。(苦言も記しておきます。)

「行ってきます」と言って元気に家を飛び出していく少女・小津ななみ。自分で「とっても時間にルーズなダメ子ちゃん」と言っている。20日以上も延滞しているDVDを返しに行こうとして家を出たのだった。午後4時までに返却しないと、更に1日伸びることになる。お母さんからも「DVDの延滞は何度目?」と小言を言われていた。(が、お母さんが延滞料として5000円をななみに渡していた。)また、お母さんはななみに、5時までに郵便局に行って下関のおばあちゃん宛の小包を出してくること、6時にお父さんがバス停に到着するから、傘を持って迎えに行くように、ということも頼んでいた。

が、ななみは途中で道畑に咲いている花を摘んでいた。で「今何時だろう?」と思い、携帯を出そうとするが携帯を玄関に置き忘れていたことを思い出す。で、腕時計で時間を見た。3:42ということで「まだ時間あるじゃん」と安心する。

そんな所に、川原で虫の網を持った姉妹の声を耳にした。その時、雷鳴が轟き、逃げる姉妹。ななみは傘を開こうとするが、突風によって不思議な世界に吹き飛ばされてしまった。(「オズの魔法使」の世界です。)

気がついたななみは川原にいた。そして、男が泣いている声を耳にした。で、声のするガード下にやってくると段ボールに入った男がいた。ななみは声を掛ける。男は強面と言って恥ずかしい、と言う。(一応、ブリキ男がモデルと言ったところでしょうか。)更に箱男は失恋したこと言う。毎日、決まった時間にここを通る女性に声を掛けたが、気づいてくれなかった、と話す。「それ、失恋と言わないよ」と突っ込むななみ。が、箱男は失恋したと思い込んでいて、成り行きを語る。(それに対して色々と突っ込むななみ。)で、箱男はある雨の日に、その女性がエナメルの真っ赤なコートを掛けてくれて、それによって段ボールが崩れなかった。で、その女性は5:30に通のでお礼を言って欲しい、と頼む。

ななみは4時までにDVDを返しに行かなければならない、といって断るが「もうすぐ5時ですよ」と言う箱男。時計を見たななみは「まだ4時前ですよ」と言うが、時計は止まっていて、確かに5時前だった。で、ななみはDVDの延滞料24日分4800円が5000円になると言う。(延滞24日って、あまりにもルーズすぎますね。しかも5000円って、借りるより買った方が安いでしょう。)更に、小包を5時までに郵便局に持っていかなければ、とも言うが、箱男が「5時を過ぎちゃいました」と言い「明日送ればいいじゃないですか」と言って「明日」と言うのだった。明日の予定が埋まっていくということで落ち込むななみに、「今大事なことは5時半に訪れる彼女を待つこと」言う。

更にななみはもう1つ大事なことがあると言うが、それが何かを忘れていた。箱男は「気のせいですよ。そんな忘れちゃうこと大したことじゃないでしょう」と言い、少し考えたななみは「それもそうね」と納得してしまう。で、5時半に通女性にコートを返すことを引き受けた。

で、5:29、彼女の足音が聞こえてきて、ミニスカの女性が現れた。で、ななみはその女性に近づいていって声を掛けようとした。が、ななみの前におばあちゃんが現れ「桃、いりませんか?」と言って桃を売ろうとする。で、それを断るななみ。が、その間にミニスカの女性は通り過ぎてしまった。

箱男は文句を言い、ななみは謝る。しかしおばあちゃんは5:40が食べ頃と言って桃を売り込む。箱男が介入して、女性に声を掛けるのは明日の朝8:30と言うが、更におばあちゃんはしつこく桃を売ろうとする。で、何だかんだと言って必死で桃を売ろうとして、ななみは買うことにした。が「5000円」とおばあちゃん。ななみは手持ちの5000円を出そうかと迷う。おばあちゃんは「あと2分」と言って急かす。で「持ってけ泥棒!」と言ってななみは5000円を出し「まいど!」で桃1つがななみの手に。(1個5000円の桃って、余りにも暴利ですね...)

で、ななみは桃の皮を剥いて食べようとするが、箱男に時間を確認し、5:40までカウントダウンしてからパク付いた。「美味しい!」と声を出したななみだったが、ななみはおばあちゃんが1個50円で桃を箱男に売っていたのを目にした。文句を言おうとしたななみだったが「旬を過ぎた桃はサービス価格で提供せざるを得ないのよ」とおばあちゃん。その頃箱男は桃を食べていて「美味い、限りなく旬に近い味だ」と言っていた。それを聴いたななみは「欺された...」と漏らしていた。(ここでAパート終了。経過時間は14分半に僅かに足りない所でした。よってBパートは11分半ちょっとになります。)

夜になり、家に帰ろうとするななみ。箱男は明日の朝の約束を口にするが「朝起きられますか?」と言ってななみを信用しなかった。でも、無理矢理帰ろうとするななみ。そんなななみはミニスカの女性が泣きながら歩いているのを目にした。「何かただ事じゃない様子」と言ってミニスカの女性の所に駆け寄り、事情を聴く。すると女性は、自分は毎日9時5時で働くOLで無遅刻無欠勤、定時ワークが揺るぎない行動原理だが、明日から会社の勤務形態がフレックスになり、勤務時間を自分で決めなければならないなんて自分には出来ない、ということで荒れていたのだった。で、ちょっとしたやりとりがあった後、ななみは傘を見て、お父さんを迎えに行かなければならなかったことを思いだし、走ってバス停に向かった。

バス停(ワンダーランドバス「西の国」、エメラルドの国行きって、やっぱり「オズの魔法使」です。)に着いたななみだったがお父さんはいなかった。が、雨は降っていない、降っていないならとっくに家に帰っている、ということに気づいたななみは、家に向かって走り出した。が、「ウチがない。ここ何処?」

そんなななみは花火を手にした少女、更にはバースデーケーキを前にしたおばあちゃんを目にした。おばあちゃんは「明日は私の80回目以上の誕生日」「東京の娘がプレゼントを送ったと言うが届かない」とぼやいていた。それを聞いたななみは小包を見ておばあちゃんのことを思い出した。

目の前のおばあちゃんは日が変わるということで時計を見ながらカウントダウンをして、日付が変わるとケーキの蝋燭の炎を吹き消した。

ななみは箱男の所に走って戻って来た。「家がない」と言うが、箱男は、明日の朝ミニスカの女性にコートを届けない限り家はずっと無い、と言い、コートの事を念を押すように言う。ななみは、明日からフレックス・タイムで何時に通るか分からない、と言うが、これに箱男は激怒、噴火しそうになる。それを見たななみは慌ててコートを手にすると「直ぐに届けてきます」と言うが、「アバウトで言ってるんじゃないよ、何分だよ?」と問う。勢いに押されて「じゃあ2分」と言ってしまったななみは、走ってミニスカの女性にコートを届けると、手を引いて引っ張って箱男の所に連れて行こうとする。女性はエナメルのコートのことをボロクソに言って「何処かに脱ぎ捨てて来ちゃった」と言ってコートのことを思い出した。が、時間がないということで、ななみは女性の手を掴んで走って箱男の所に連れて行く。カウントダウンしている箱男。何とか2分に間に合った。

箱男は花束を出した。それを見たミニスカの女性は「綺麗なお花」と言ってそれを受け取る。で、一気に恋愛モードのテンションが上がり、箱男のダンボール箱が破け、男とミニスカの女性は恋人モードに突入する。また、花火を持っていた少女がそれにスポットライトを当てる演出をしていた。それを見たななみは、またも飛ばされた。

気づいた時、ななみは自宅の居間にいた。で、自宅と分かったななみ。少女は妹で、箱男はお父さん、ミニスカの女性はお母さんだった。ななみは「DVD、また延滞しちゃった...」

翌日、ななみはDVDと小包を持って家を出て行った。で、携帯でおばあちゃんに電話を入れた。(桃売りのおばあちゃんが下関のおばあちゃんだった。)で、誕生日プレゼントを贈ることを伝えた。家のベランダには、あの赤いエナメルのコートが干されていた。

エンドロールは川辺の道を歩いていくななみの映像をバックに、『恋はみぢかい』が流てテロップが流れていく。(歌詞が前回までと違っているので、2番なんでしょう。)

次回は、桜庭ななみ主演作では最後となる「小さな恋」という物語です。脚本が中江有里さんというのは、「東京少女」では珍しくないが、監督がホラー映画で有名な清水崇監督という所がポイントです。(話によると、清水監督がラブ・ストーリーというのは初めてということです。)また、次回予告では、制服のブレザーは別物でしたが、ちゃんとちゃんの緑リボンを付けていましたね。今度は恋を成就させようと頑張る女子高生の物語のようです。

「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせの映像は、標準の高速と東京タワーを中心とした夕景でした。が、今回の物語は「東京」とは全く関係なかったので、妥当な所でしょう。

また、今月からモバイル応募のプレゼントだが、毎週更新されなくなっている。モバイルで応募という形になってから、「恋日・3rd.」や「銭形海」、そして「東京少女・山下リオ/水沢エレナ」は毎週応募出来たが、「桜庭ななみ」になってからはチャンスは月に1回に変わったようですね。(応募の空メールのメアド番号を見たら分かります。)尚、毎週応募することは勿論可能であるが「2回以上の応募は無効」となります。

そして、今回の物語では、モバイルの次回予告ムービーが結局UPされないままでした。(「ページが存在しません」となってDL出来ません。)→これはモバイルサイトのHTMLファイルにミスがあったものと思われる。→こういうミス出るというのは、ちょっと気の緩みがあるということです。スタッフさん、初心忘れるべからずですよ。

尚、今回の本編終了と次回予告の間に真希ちゃんのdocomo CMが流れたが、これはこれでサービスになりましたが、だからと言って、モバイルサイトのミスが許されるということにはなりません。

今回のななみは、「キ・ニ・ナ・ル!」で見せていた天然系というところが出ていて、これはこれで楽しい物語でした。また、ベースに「オズの魔法使」があり、何箇所かはオマージュもありました。ただ、コメディという所までは言っていなくて、コミカル調のちょっと不思議な物語ということで、これはこれで楽しいものになってました。でも、完全なコメディでもなく、「星空のむこうの国」や「夢を追いかけて」(これも小中監督作品で1993年作品、主演は水沢蛍さん)のようなファンタジックな所が前面に出ていた訳でもなく、両者の良いとこ取りをしようとして、まさにその両者の中間に位置するどっちつかずというような物語でもありました。

今回の桜庭ななみはコミカルな所が出ていたが、コメディエンヌとしてもやって行けそうですね。(シリアスな芝居も難しいが、コメディエンヌとして認められるには更に難しいだけに、今後に期待できますね。)

PS.世の中には「オズの魔法使い」と書いている映画無知が大勢いるが、「オズの魔法使い」という作品はこの世には存在しない。「オズの魔法使」と表記するのが正しいのである。そういう無知をさらけ出す輩、何処かにいるのでしょうね...

 

↓原作ノベライズ

恋より大切なこと (リンダブックス 東京少女 3)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 泰文堂
  • 発売日: 2008/06
  • メディア: 文庫

 

↓今回はこれを抜きには語れません。

オズの魔法使 特別版

オズの魔法使 特別版

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

オズの魔法使 コレクターズ・エディション

オズの魔法使 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

星空のむこうの国/夢を追いかけて

星空のむこうの国/夢を追いかけて

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • メディア: DVD

↓「オズの魔法使」を見る場合はこれも一緒に...

オズの魔法使 (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)

オズの魔法使 (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: スクリーンプレイ出版
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。