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「無宿人御子神」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第45弾として取り上げる作品は「無宿人御子神(むしゅくにん・みこがみ)」シリーズです。この作品は、「木枯らし紋次郎」の原作で知られている笹沢左保の原作を元にした時代劇アクションシリーズであって、東宝が制作した作品である。(テレビドラマとなった「木枯らし紋次郎」のヒットによって、笹沢作品を映像化しようとしたものである。)

主人公の無宿人御子神の丈吉は、元渡世人であったが、妻子のために足を洗っていた。が、妻子を国定忠次に殺されたことで、妻子の仇を取るために国定忠次を追って旅に出て、その旅先で起こった出来事を描くという展開の物語である。→連続TV時代劇の方が映画シリーズにするよりも向いているような物語でもある。

主演は原田芳雄であって、スタートしたのは1972年である。結局、1973年までに3本が製作されただけでシリーズに幕を下ろすこととなってしまった。「木枯らし紋次郎」は「股旅もの」というところが受けてヒットを記録したが、その再来というようなブームを呼ぶことは出来なかった。

日本映画全盛の昭和30年代であれば、シリーズ作品として大きく化けた可能性も考えられるが、既にTV時代となっていた'70's初頭の作品であったため、苦戦することになってしまったのは残念であった。しかし、内容的には時間の制約がより厳しくなるものの、1時間の連続TVドラマにしたほうが良かったと感じられる作品でもある。

また、ソフト化という点でも恵まれていないのだが、本シリーズの全3作はアメリカ版のDVDがリリースされているということで、思いも掛けないところ存在している。そのため、カルト的なシリーズとしても知られている作品でもある。

今回は初回ということで、各シリーズ作品のおさらいということで、各シリーズ作品のタイトルを記しておく。
シリーズ第1作「無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた」(1972年)、シリーズ第2作「無宿人御子神の丈吉 川風に過去は流れた」(1972年)、シリーズ第3作「無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ」(1973年)。

次回からは、年代順に、それぞれの作品について記していくことにします。

 

↓原作小説

無宿人 御子神の丈吉〈1〉 (徳間文庫)

  • 作者: 笹沢 左保
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1987/10
  • メディア: 文庫

無宿人 御子神(みこがみ)の丈吉〈2〉 (徳間文庫)

  • 作者: 笹沢 左保
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1987/11
  • メディア: 文庫

無宿人 御子神の丈吉〈3〉 (徳間文庫)

  • 作者: 笹沢 左保
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1987/12
  • メディア: 文庫

無宿人 御子神の丈吉〈4〉 (徳間文庫)

  • 作者: 笹沢 左保
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1988/01
  • メディア: 文庫
↓US版のDVDはこちら

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GLASS TIGER『THIN RED LINE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1986年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。カナダ出身のロック・バンドである彼らの結成は1983年であるが、レコードデビューとなったのが1986年ということで、本アルバムは彼らのデビュー・アルバムである。また、本国カナダでは1位を獲得し、全米シングル・チャートでも2位まで上昇したヒット曲『Don't Forget Me (When I'm Gone)』をフューチャーしたアルバムでもある。尚、本アルバムのチャート成績はBillboardで最高位27位を記録していて、1987年の年間アルバム・チャートでは55位にランクインしていることから、デビュー・アルバムと言うことでは成功したと言うことが出来る。

収録曲は以下の全11曲である。『Thin Red Line』『Don't Forget Me (When I'm Gone)』『Closer To You』『Vanishing Tribe』『Looking At A Picture』『The Secret』『Ancient Evenings』『Ecstacy』『Someday』『I Will Be There』『You're What I Look For』。

この中からシングル・カットされたのは全部で5曲になる。デビュー・シングルである『Don't Forget Me (When I'm Gone)』がカナダで1位、アメリカで2位を記録し、1986年のBillboard年間シングル・チャートでも34位にランクインしている。また、イギリスでも最高位29位を記録した。続く2nd.シングルの『Thin Red Line』はカナダで最高位19位に留まったが、『Someday』はカナダで最高位14位だったが、アメリカではBillboardで最高位7位を記録して1987年のBillboard年間シングル・チャートでは69位にランクインし、イギリスでも最高位66位を記録している。その後のシングルとなった『You're What I Look For』はカナダで11位、そして『I Will Be There』はカナダでは最高位29位、アメリカでは最高位34位を記録している。

お薦め曲は、彼らの最大のヒット曲である『Don't Forget Me (When I'm Gone)』と大ヒットとなった『Someday』のシングル2曲と、シングル曲であり、かつアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Thin Red Line』、そして『Closer To You』をピックアップしておく。

彼らはBRYAN ADAMSのバックバンドをしていたメンバーが集まって結成されたバンドである。そのため、バンドマンとしての実力の方もしっかりとしたものを持っている。で、BOZ SCAGGSのバックバンドだったメンバーが集まって結成され、大ヒット曲を次々と生み出したTOTOを思い出させてくれるところでもある。そんな彼らが'80'sのアメリカン・ロックの王道を行くサウンドを聴かせてくれているということで、安心して聴いていることが出来るアルバムとなっている。また、捨て曲もなく、各楽曲のクオリティも高いため、アルバムとしても完成度の高いものであり、ミュージシャンとしてのキャリアが出ているところでもある。

ということで、'80'sのアメリカン・ロックの王道を行くアルバムであるだけに、じっくりと聴いておきたい所である。ただ、1988年に発表される2nd.アルバムは、本作が良かっただけに期待外れになってしまい、残念なことななるだけに、本アルバムの価値はより高くなる。'80'sサウンドがお好きな方であれば、チェックしておくべきアルバムである。

 

Thin Red Line

Thin Red Line

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Emd Int'l
  • 発売日: 2000/01/25
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形雷11話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第11話「虹は知っていた! ~写真家アシスタント殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の3回目となる今回は、レインボー万作がこれを付けていたことから「ターバン」について、虹を撮影することがこれだと言っていたことから「ライフワーク」について、そしてこれの疑惑があったことから「盗作」について記します。尚、「ライフワーク」については「・1話[裏ネタ編]PART 5」で、「盗作」については「・17話(2nd.4話)[裏ネタ編]PART 6」で記したものをベースにして加筆しました。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/3/13付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

ターバン」:イスラム教徒、シーク教徒、中近東諸国やインドの男性が頭に巻く帯状の長い布のことである。これは、身分、階級、宗派、部族などによって巻き方が決まっているものであって、ファッションではない。特にイスラム教徒の間では宗教的敬虔さの象徴でもある。

イメージとしては「白い布」というのがあるが、身分や階級を表しているため、他の色の布も用いられると同時に、柄のある布も用いられる。(単色ではなく、鮮やかな色と柄の布というものも一部にはある。)尚、ターバンとして使用される布の長さに関しては、特に何mという規定はない。(シーク教徒が使用する大人用のシークターバンは長さ8m、幅1mというのが標準的らしい。)頭を1、2回巻くものはそれほど長くないが、6回巻きが標準となっている宗派ではそれだけ長いものが必要になるのは言うまでもない。→「雷・1st.18話」では長いことをネタにして遊んでいましたね...

また、イスラム圏では、ターキーヤと呼ばれる頭にピッタリとした丸帽を先に被り、その上から長い布(ターバン)を巻くのが一般的であるのだが、このスタイルを真似た女性用の帽子(見た目にはターバンに見える)のこともターバンと呼ぶ。(よって、女性用のターバンも存在していることになる。)また、女性用だけでなく、男性用の帽子もある。

役割としては、機能的には帽子としての役割であるが、発汗の抑止、頭部の暑さや寒さの抑止、砂漠での砂よけという役割もある。それに加えて、宗教的には身分や地位階級を表していて、装身具と身分証の双方の役割を果たしている。(身分を表すという意味では、冠の役割を果たしていると言うことになる。)しかし、現在では、イスラム教徒やシーク教徒という宗教信者、または特定民族の間では積極的に用いられているが、大衆の間では日常的に使われるものという地位からは後退しているが、この様子は、大正から昭和初期にかけての日本での着物(和服)のポジションに似ているということにもなる。(ちょっと乱暴な言い方ですが...)

ちなみに、日本では「ターバン」と言うと「インド人」のイメージが「イスラム教徒」「中近東の人」というイメージよりも上回っていて、インドの街中ではターバンをしている人が多数というようなイメージがあるが、実際にはインド人はヒンドゥー教徒の方が多く、ヒンドゥー教徒はターバンを用いることはないので、インド国内(特に都市部ょではその割りにターバン姿の人を目にするのは少ない。(インドよりも、中近東、特にアラブのイスラム諸国の方がターバン姿の人が多い。)

英語、ドイツ語、フランス語では「Turban」、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では「Turbante」、オランダ語では「Tulband」、トルコ語では「Türban」と言って、世界的に統一されてはいないのだが、言語の違いによる名称の差がその割りに少ない。

ライフワーク」:一生を掛けてする仕事のことを言う。特に、学者が研究に対して打ち込んだり、芸術家や音楽家などが人生を捧げたような一大芸術作品を作ることに打ち込む場合について呼ばれることが多い。命を賭けてまでやり遂げようという強い意志が見られるため、一流の芸術作品に於いては作者の気迫などがありありつ表現されているものが多い。歴史に名を残している芸術作品の大半はそういう作品である。尚、英語では「Lifework」と言う。

「ケータイ刑事」に於いては、スタッフが「ケータイ刑事はライフワーク」と発言している人が多いのだが、脚本家の渡邉睦月さんもそういう一人であるのだが、「」と「」では脚本を1本も書いていないのはどうしてなのでしょうか?→「ライフワーク」と言うからには、金銭的なことは度外視して「やらせてくれ」と言うべきであるだけに...

また、劇中でも「ケータイ刑事」では「ライフワーク」という言葉を口にする人が多いという傾向がある。特に宝積さん演じるクイーンは、新しい作品になればなるほどその傾向が強い。が、「ライフワーク」という言葉が出るのと反比例して、単に「クイーン」という肩書きに拘っているだけの小物というイメージが強くなっているのもまた事実でして...

盗作」:「剽窃(ひょうせつ)」とも言うこともある。(論文などでは「盗作」と言うよりも「剽窃」と言う方が多く、芸術作品などでは「剽窃」と言うよりも「盗作」と言うことの方が多い。)他人の著作物の全部、またはその一部分のアイデアや表現方法などを、その権利者に無断で使って自分が生み出したものとして新たな著作物を生み出す行為のこと、若しくはそのようにして生み出された作品そのもののことを言う。→著作権侵害行為となり、これは犯罪行為である。(特に、ネット時代になってからは、「著作権侵害」という犯罪行為は急増している。但し、その殆どが立件されない(現行法では、著作権侵害を立件するというのも結構難しいことでもあって...)というのが現状である。)

尚、よく誤解されるのだが、「パロディ」や「オマージュ」は「盗作(剽窃)」ではない。「パロディ」は先人の生んだ芸術作品などを揶揄したり、風刺したり、批判したりする目的があって滑稽化して模倣したものであり、「オマージュ」とは先人の作品に影響を受けたことから尊敬の気持ちがあって、敬意を示して行われるものである。ということで、盗作逃れのために「パロディだ」、「オマージュだ」と言う言い訳を耳にすることがあるが、そういう輩に限って「パロディ」や「オマージュ」の意味を知らないものである。(単に言葉逃れの言い訳をしているだけであって、「パロディ」や「オマージュ」になっていないものが山のようにある。)要するに、「滑稽化されていないパロディ」、表面だけ真似た「敬意のないオマージュ」などがあるということで、これらは単なる「パクリ」でしかなく、歴とした「盗作」であると断言できるものである。

とは言っても、「盗作」かどうかを判断するのは、最終的には裁判で決着を付けることになる。(裁判にならない限りは「盗作」というものは存在せず、全て「盗作疑惑」ということになり、この時点では「白でもなければ黒でも無い。)尚、裁判で「盗作」を立証するには、当然のことながら客観的な証拠が必要であって、なかなか難しいことでもある。(この辺りは、更なる法改正も必要であろうが、余りにも緩くしてしまうと、「オマージュ」までも「盗作」と判断されてしまう可能性が高くなってしまうこともあって、難しいところである。)

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

チェチェン大戦争の真実―イスラムのターバンと剣

チェチェン大戦争の真実―イスラムのターバンと剣

  • 作者: 植田 樹
  • 出版社/メーカー: 日新報道
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本
フェルメール 青いターバンの少女 6号 額 A ゴールド

フェルメール 青いターバンの少女 6号 額 A ゴールド

  • 出版社/メーカー: プリハード株式会社
  • メディア:
DX ターバン ピンク

DX ターバン ピンク

  • 出版社/メーカー: アイコ
  • メディア: おもちゃ&ホビー
雑貨 怪しいインド人胸像【赤ターバン】

雑貨 怪しいインド人胸像【赤ターバン】

  • 出版社/メーカー: tirakita
  • メディア: おもちゃ&ホビー
「ライフワーク」で豊かに生きる (サンマーク文庫)

「ライフワーク」で豊かに生きる (サンマーク文庫)

  • 作者: 本田 健
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2006/09/16
  • メディア: 文庫
人生設計・ライフワークの原理・原則―人生は自分でつくりあげる (原理原則シリーズ)

人生設計・ライフワークの原理・原則―人生は自分でつくりあげる (原理原則シリーズ)

  • 作者: 井上 富雄
  • 出版社/メーカー: 総合法令
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 単行本
盗作の文学史

盗作の文学史

  • 作者: 栗原裕一郎
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: 単行本
パクリ・盗作 スキャンダル事件史 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-83)

パクリ・盗作 スキャンダル事件史 (宝島SUGOI文庫 A へ 1-83)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/12/18
  • メディア: 文庫
現代日本文学「盗作疑惑」の研究―「禁断の木の実」を食べた文豪たち

現代日本文学「盗作疑惑」の研究―「禁断の木の実」を食べた文豪たち

  • 作者: 竹山 哲
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 単行本

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名曲探偵アマデウス#74 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死」 [ドラマ]

今月最後の新作となった今回は、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死」ということで、前回に続いてまたもオペラの曲が取り上げられました。ただ、前回とは全く違う構成としていて、オペラの物語についてはより簡単にということになっていて、曲の説明が中心になっていました。→全3幕のオペラは約4時間に達する大作であり、中世イギリスの歴史などの予備知識も必要となるだけに、この説明だけでも随分と時間を取ってしまうので、出来るだけ簡単にということですね。

尚、次の新作まで、間に3週あるということから来るサービスとしては、黒川芽以さんのカノンさん以外の姿の登場ということと、シブガキ隊の『NAI・NAI 16』を使ったということですかね。そのため、難しく感じられる「トリスタンとイゾルデ」の(オペラ)の物語を優しくしていたように感じました。

冒頭、ラジオの修理をしているカノンさんだったが、「新しいの、買って下さいよ」と言うが「ラジオぐらい直せないと一人で生きていけないぞ」と言う所長。これに「何で一人で生きて行かなきゃなんないんですか?」と言ってスイッチを壊してしまったカノンさん。その表情の変化が楽しい所です。(が、昔のラジオだったら、それぐらいでは壊れたとは言えず、ちゃんと動作するものです。)

そんな所に「失礼します」と言って依頼人がやってきた。「いらっしゃい」と直ぐに対応するカノンさんの変化は、やはり客商売ということを分かっていますね。が、「あなたも取れちゃったの?」と言うカノンさん。というのは依頼人は手に車のハンドルを持っていたためだった。で、「これはマイ・ハンドルです」と言って、運転感覚を保つために持ち歩いている、自分はドライバーだ、と言った。するとカノンさんは手にしていたドライバー(ねじ回し)に目をやって笑顔で「ラジオ、直せます?」これに「そっちのドライバーじゃないんですよね、当然ながら...」と、ベタなコントで楽しませてくれました。(この後に、カラスの鳴き声が入ったらもっと面白かったのですが...)

依頼人に事情を聴く所長。依頼人はある大企業の創業者一族の屋敷で長年専属運転手をしていた。(元々はタクシー運転手(所長もこれをやっていましたね。)だったが、たまたま乗った社長が運転を気に入ってスカウトされ、かれこれ20年になるということだった。)安全運転第一で務めてきたが、最近、自分の運転がおかしくなってきた。(突然、アクセルをベタ踏みしたくなったり、急ハンドルを切ってみたくなったりする。)それは先日、社長夫人を乗せて買い物に出掛けた夜のことで、雨の夜。大渋滞の車内でのことで、ラジオからその曲が流れてきた。(黒川さんが若い社長夫人というセレブになっていて、カノンさんとは随分と違う姿を魅せてくれました。)カノンさんが「その曲の題名は?」と尋ねるが「何とかとなんとか、と言っていた気がします」と答える。「そんなんじゃ分かりませんよ」と言うカノンさんだったが、スイッチが入った所長は立ち上がり、「もしかして、それは…」と言って「トリスタンとイゾルデ」と口にした。「それです」ということで、所長は依頼を受けた。

所長は「歌はありましたか?」と尋ね、「ない」という返事を受けると「第1幕への前奏曲、でしょう」と言って、曲を絞り込んだ。で、この曲はオープニングテーマのようなものです、と説明したが、実に分かりやすい説明でした。

で、「最初から聴いてみましょう」ということで、いつものように曲に突入していく。で、いつものように表情豊かなカノンさんの反応があって、まずは「トリスタン和音」についての説明へ。主和音がないというこの独特の和音が不思議な世界を構築していくが、時代背景を含めて実に画期的だったことがよく分かりました。

で、「無意識の思い」と言うことを口にした所長。カノンさんは「何なんです?安善(あんぜん)さん(=依頼人)の無意識の思いって?」と尋ねるが、「無意識って、自分で意識できないから無意識って言う訳で...何だってと言われも何だろう」と返され「そりゃそうだ」と一人納得する楽しいカノンさんでした。

続いては「ライトモチーフ」についての説明へ。ワーグナーが生み出したものであるこの説明が、人の気持ちを表しているという説明に留まらず、「トリスタンとイゾルデ」の物語の骨組みが語られる。(4時間のオペラの物語を簡単に説明するには、こういうことにならざるを得ないでしょうが...)更に、語られるライトモチーフについては、オペラでのシーンを含めての説明がある。そして、依頼人は社長夫人と恋に落ちたのではと言う展開から、所長が「それは100%、恋かも」と言うと、『NAI・NAI 16』が流れる。すかさず「古っ」とカノンさん。こういう所の反応は実に早かったですね。

カノンさんは「音楽を聴くだけでそんなに変わっちゃうことってあるのかなぁ?」と漏らすが、所長が「媚薬だよ」と、カノンさんに負けずに素早く口にしていた。(やっぱり、良いコンビですね。)で、物語に登場する「媚薬」についての説明で、ワーグナーが音楽的な媚薬を仕込んでいるという説明へ。

依頼人は全ては音楽に惑わされたせい、気の迷いだ、と判断し、理性を取り戻せるとして、結論を出し、お礼を言って帰ろうとする。カノンさんが「奥さんとはどうするんですか?」と尋ねるが「何もございませんから」と依頼人。しかし所長は「本当にそうですか?」と言って、この曲を聴く前から奥様を愛していたのでは?と問う。否定する依頼人だったが、所長は「トリスタンとイゾルデ」の物語は中世から伝承されてきた物語であるがワーグナーが改編している、ということの説明へ。

ここでは「トリスタンとイゾルデ」の物語での愛と、ワーグナーが改変した愛、そしてワーグナーの愛についてを重ねて説明される。ワーグナーの愛は今風に言うと不倫の愛であって叶わなかったが、これって、「経験者は語る」「体験者ならでは」ということでもあって、それと願望を含めた心の内面が重ね合わされているって、スゴイですね。ただ、こういう書き方は、現在でも当たり前と考えられているが、その手法というのは昔から、更には色んな世界であったということですね。

依頼人は、奥様の社長との結婚は本意ではなかった、と語り、その説明をする。奥様の父親の会社の救済の見返りとして結婚を望まれ、恋人がいたが父に土下座までされて仕方なく結婚を受けたのだった。(この展開って、昼ドラでは当たり前に出てくる筋書きですね...)そして、奥様の不機嫌な横顔を見ていて、あの日の夜、見つめ合った目の中に深い哀しみを見てしまった。で、以前から奥様のことを愛しく思う気持ちがあったのかも知れない、と所長の言葉を認めた。が、手にしているハンドルを強く握って「しかし、一体私に何が出来ると言うんですか?」と言った。するとカノンさんがハンドルを奪い取り「こうなったら、アクセル全開!駆け落ちするしかないでしょ~う!!」と言ってハンドルを左右に切った。(このカノンさんのノリはいつものとおりですね。)が依頼人は急ブレーキを踏み「私は社長を裏切ることは出来ません」と言った。(急ブレーキでカノンさんは前につんのめるという所は芸が細かい...)

依頼人は「トリスタンとイゾルデ」の物語の結末を所長に問う。所長は「二人とも命を落とします」と言うと「そんなぁ」とカノンさんの反応と、「心中しろとでも言うんですか?」というオーバーな依頼人のリアクションが面白い所でした。所長は「ワーグナーがこの音楽で成し遂げた底に快傑のヒントがあるはずです」と冷静に答え、「トリスタンとイゾルデ」の物語の終幕部分への説明へ。

ここでは「救い」があるということで、それについての説明へ。ワーグナーは2人の魂の救済を音楽で表現し、それをこれまで使われなかった主和音を登場させることで表現した。ここで興味深いのは、ワーグナーは総合芸術を目指していたということで、だからこそ映画監督などに通じていると説明されている所ですね。「20世紀の扉を開いた」と言う言葉が印象に残りました。

所長は依頼人に「あなたはどういう選択をしますか?」と尋ねた。依頼人は少しだけ考えて「社長にお暇を頂こうと思います」と答えた。カノンさんは「じゃあ、駆け落ちするんですね」と尋ねるが、間髪入れずに「いえ」と依頼人。そして「奥様とはもう会いません」と言った。カノンさんは「それでいいの?」と尋ねるが、依頼人は、あの時愛を躱したが、それは魔法の中の出来事で、その余韻に浸っていたのだ、と言って、吹っ切れた様子だった。所長が「これからどうするのですか?」と問う。するとハンドルを握りしめて「私にはこれしか、いや、これがありますから、何とかやってみます」と答えた。で、頭を下げて帰って行った。

今回は、ドラマ部分は約36分半強、曲が6分半強、ラストのオチの所が40秒弱という構成であって、ドラマ部分がやや長く、オチを短くなっていました。尚、曲の所は、全編では4時間近い長大な作品であるので、紹介された部分(3ヶ所)のダイジェスト的な構成でした。(当然と言えば当然ですが...)

ラストのオチは、カノンさんはラジオの修理をしていたが上手く行かない。で、「こうなったら」と言ってラジオにチョップを入れた。(叩けば直るという考えがあるのですね、流石はカノンさんです。)するとラジオから声が流れてきた。それは依頼人がトラック野郎になっていて、「野菜から精密機械まで、確かな運転で運ばせて頂きます。夜露四苦!」という無線の声だった。カノンさんは軽くラジオを叩くと、その声は聞こえなくなり、『NAI・NAI 16』が流れてくる。で「何だ、混線か...」と漏らしたカノンさん。所長はイビキをかいて寝ていた。

カノンさんがいじっていたラジオであるが、以前の物語にも登場してたものですね。その時も同じようなことがあっただけに、かなり草臥れているようですね。そんなかなり年代物のラジオに対して、叩いて直そうという考えがあるというカノンさんの考えといい、叩いて直るというところは完全に昭和のテイストでした。(最新の機器の中には、叩いたら壊れてしまうようなものもあるぐらいだから、どっちが良いのか?と考えてしまうことにもなる。)ということで、今回は昭和のテイストというのがスパイスになっていて、楽しい所でした。

また、カノンさんも何だかんだで修理して使おうとしているということで、人に頼もうとしている所はあるものの、物を大切にするという所は良いところです。

オチに関しては、タクシー運転手に戻ったと予想したが、トラック野郎というのはやってくれました。これって、カノンさんのハイテンションに影響されたということですかね。しかし、ここもやはり昭和のイメージのものなんですよね。

それを思うと、全体的に昭和テイストの物語であったが、唯一、社長夫人が携帯電話を手にしていて、これだけが昭和ではないものとなっていて、昭和風のテイストのものとのミスマッチが何とも言えない独特の雰囲気を醸し出していたのが面白い所でした。また、シブガキ隊の『NAI・NAI 16』も昭和風の曲であり、所長の言葉を代弁しているようで、音楽が説明しているという今回の曲の説明にも合わせた上手い所でした。
黒川芽以さんのセレブ姿については、社長夫人には見えない(社長令嬢にも見えない。)のだが、父の会社の救済のための政略結婚で嫁いだ若奥さんというのだったらば、十分納得できました。その社長夫人と、テンションの高いカノンさんとのギャップで魅せていたというのが、3週間間があるというお休みに対する視聴者サービスだと解釈しておきます。

来週(9/27)は、ファイルNo.070のムソルグスキー「交響詩『はげ山の一夜』」の再放送です。その後も同様で、3週間が空き、次の新作となるファイルNo.075のショパン「ピアノ協奏曲第2番」は10/18までオアズケです。また、10/25のファイルNo.076もショパンで、「舟歌」の登場ですが、ショパンが2曲続くことで、取り上げられた曲でショパンが、ベートベンとシャーベルトを一気に抜き去って、単独1位になります。今年はショパンの生誕200年という年でもあるだけに、秋に再びショパン特集ということですね。(こうなると、地上波で再びショパン特集の集中放送をやるかのも...?)

 

ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

  • アーティスト: ワーグナー,クライバー(カルロス),ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: CD

ワーグナー : 楽劇<トリスタンとイゾルデ> (全曲)

ワーグナー : 楽劇<トリスタンとイゾルデ> (全曲)

  • アーティスト: ワーグナー,ベーム(カール),ピッツ(ヴィルヘルム),バイロイト祝祭劇場管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/05/13
  • メディア: CD

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」

  • アーティスト: ワーグナー,クライバー(カルロス),ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1994/02/02
  • メディア: CD

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲(フラグスタート/フルトヴェングラー)(1952)

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲(フラグスタート/フルトヴェングラー)(1952)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2004/06/01
  • メディア: CD

ワーグナー:トリスタンとイゾルデ

ワーグナー:トリスタンとイゾルデ

  • アーティスト: ワーグナー,カルロス・クライバー,シュトゥットガルト国立歌劇場管弦楽団,Catarina Ligendza,Wolfgang Windgassen,Grace Hoffman,Gustav Neidlinger,Gottlob Frick
  • 出版社/メーカー: GOLDEN MELODRAM
  • 発売日: 2007/07/27
  • メディア: CD

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 (3CD) [Import]

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 (3CD) [Import]

  • アーティスト: ワーグナー,ヘルベルト・フォン・カラヤン,バイロイト祝祭管弦楽団,合唱団,ラモン・ヴィナイ(トリスタン),マルタ・メードル(イゾルデ),ハンス・ホッター(クルヴェナール),イーラ・マラニウク(ブランゲーネ),ルートヴィヒ・ウェーバー(マルケ王),ヘルマン・ウーデ(メロート)
  • 出版社/メーカー: ORFEO
  • 発売日: 2003/10/16
  • メディア: CD

↓オペラはこちら

楽劇《トリスタンとイゾルデ》全曲 [DVD]

楽劇《トリスタンとイゾルデ》全曲 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD

ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》 [DVD]

ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD

↓これはオペラではなくて映画です。

トリスタンとイゾルデ [DVD]

トリスタンとイゾルデ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

トリスタンとイゾルデ [Blu-ray]

トリスタンとイゾルデ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray

 


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「不良番長」(その13) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第44弾として記してきた「不良番長」シリーズも今回で最終回となりました。で、残っている1972年のシリーズ最終作について記します。

シリーズ第16作不良番長 骨までしゃぶれ
作品データを記しておくと、1972年の東映東京の作品で、時間は88分、監督は野田幸男、脚本は山本英明と松本功の2人、撮影は山沢義一、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、梅宮辰夫、藤竜也、渡辺文雄、由利徹、太田美鈴、ひし美ゆり子、山城新伍、安岡力也、鈴木ヤスシ、藤山律子、久保浩、八名信夫、中田博久、大下哲矢、小林千枝、大泉滉、丹下キヨ子、ベラ・シムス、車英二、黄錦英、大下哲也、花田達、松下麻美子、亀井和子、団巌、木村修、谷本小夜子、植田灯孝、たちである。

カポネ団の神坂は、暴力団大東睦会の会長・大竹の妾である人気タレントを恐喝し、殺された仲間のリーチの復讐と供養のために3億円のダイヤモンドを横領することに成功した。が、ダイヤを手に入れたことから神坂たちは大東睦会からだけではなく、ビーバー、バンビ、お蝶の女番長三人娘、そして謎の女・奈美からも追われることになる。で、カポネ団は新宿を捨てて九州に逃げた。そして熊本に住む天草五郎の旧友・鉄男にダイヤを売る交渉をするが、断られてしまう。一方、大東睦会は熊本に入り、カポネ団を執拗に追い、カポネ団は窮地に追い込まれる。そんなカポネ団を救ったのは、以前に知り合ったバスガイド・月子の父であって槍術の名人でもある太郎左衛門だった。また、月子は鉄男の恋人であって、神坂たちを天草へと逃がした。追っ手を撒いたはずだったが、謎の女・奈美だけは、それでも神坂の前に現れる。神坂は力ずくで奈美の口を割らせようとするが、奈美は柔道の業を使って神坂を投げ飛ばした。更に、大東睦会は賢明になって神坂たちの行方を追っていたが、その網に神坂たちが掛かってしまい、ダイヤを奪われて磔にされてしまう。そんな神坂たちを助けたのは奈美だった。神坂たちはダイヤを取り返そうとして大東睦会を追い、阿蘇のハイウェイで追いつき、ダイヤを取り返した。で、逃げるカポネ団と、それを追う大東睦会。誌第にカポネ団の仲間が倒れていく。神坂は何とか阿蘇の噴火口に辿り着くが、底には大勢の部下を従えた婦警姿の奈美がいた。

シリーズ最終作ということで、結末が今までの作品とは少し違ったものになっている。「シリーズ最終作」ということを考えると、これはこれで悪くはないのだが、その分、これまでの作品とは完全に違っているということで、これに違和感を感じてしまう。これは、それだけパターンに従った物語が展開されたシリーズということの証でもあるだけに、ちょっと複雑に感じてしまう所である。物語としては、正体が分からないままで(ただ、途中で何となく予感させていますけど...)物語に絡む奈美の存在は面白い。これをもう少し捻って、端役登場させていたら、本シリーズもまた変わったものになったと思えば、残念な所であった。

型にはまったシリーズ作品というのは、飽きられてしまうということもあるが、逆に、パターンを楽しむという作品でもある。それを考えると、本作はシリーズものの楽しみが十分に出来ないということになる。が、シリーズの完結編と言うことで、これはこれでよろしいかと...

 

不良番長 骨までしゃぶれ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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GLORIA ESTEFAN AND THE MIAMI SOUND MACHINE『LET IT LOOSE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、1987年に発表された「MIAMI SOUND MACHINE」としては10枚目となるアルバムであると同時に、デビュー10周年となるアルバムである。また、これまでの9枚のアルバムでは「MIAMI SOUND MACHINE」名義としていたが、本アルバムではG.ESTEFANの名前を前面に出すことになった。(次のアルバムからは彼女のソロ名義となるため、彼女とバンドの名前が並ぶ形では唯一のアルバムである。)また、本アルバムからは全米No.1ヒットとなる曲も生まれている。

特にイギリスとオランダでは大ヒットとなって、この両国ではNo.1の座を獲得している。また、アメリカではBillboardで最高位6位を記録していて、1987年の年間アルバム・チャートでは88位に、1988年の年間アルバム・チャートでは13位にランクインしている。

収録曲は以下の全10曲である。『Betcha Say That』『Let It Loose』『Can't Stay Away From You』『Give It Up』『Surrender』『Rhythm Is Gonna Get You』『Love Toy』『I Want You So Bad』『1-2-3』『Anything For You』。

この中からシングル・カットされたのは全部で5曲である。リリース順に『Rhythm Is Gonna Get You』(US最高位5位、UK最高位16位)、『Betcha Say That』(US最高位36位)、『Can't Stay Away From You』(US最高位6位、UK最高位7位、オランダ最高位1位)、『Anything For You』(US最高位1位(2週連続1位)、UK最高位10位)、『1-2-3』(US最高位3位、UK最高位9位)である。尚、全米No.1ソングとなった『Anything For You』は1988年のBillboard年間シングル・チャートでも13位にランクインしている。また、この曲が全米No.1ヒットとなったことで、欧州ではこの曲名を本アルバム・タイトルにしている。

お薦め曲は、「MIAMI SOUND MACHINE」の名前のある曲の中では最大のヒット曲となった『Anything For You』をはじめとする『Rhythm Is Gonna Get You』『Betcha Say That』『Can't Stay Away From You』『1-2-3』という一連のヒット曲と、アルバム・タイトル・ナンバーである『Let It Loose』をピックアップしておく。

サウンドの方はラテンノ香りに満ちたものであり、ポップでダンサブルで聴きやすいものである。(ラテン・ポップスと言う言葉を生みました。)'80's後半にはワールド・ミュージックの台頭で様々なサウンドがヒットすることになったが、ラテン系ミュージックのヒットは、'80's前半から頑張ってきた彼女たちの功績が大きいのは言うに及ばない。(それ以前にも、ラテン系サウンドは何度かのブームがありましたけど...)それだけに、彼女たちの集大成と言うべき本アルバムは、80's終盤のラテン系サウンドを代表するものである。

確かに、当時としても先端を言っていない所もあるのだが、時代の先端を行くということが全てではなく、その妙なアンバランスさもスパイスと思えば楽しくなってくる所である。('90'sに入ってからのサウンドは洗練されすぎてしまった感も否めないだけに...)ということで、'80'sサウンドらしいラテン・サウンドを味わうことの出来るアルバムでもあって、'80's終盤を語る上では忘れられないアルバムの1枚である。

 

Let It Loose

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  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

レット・イット・ルース(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/07/08
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形泪39話(2nd.26話・AS4話)[裏ネタ編]PART 13 [ケータイ刑事]

銭形泪・裏ネタ編」もようやく最終話(通算では39話)となる2nd.26話(アナザーストーリー4話)の「最終決戦!ケー刑事VSシベ超 ~水野晴郎を迎撃せよ!」に辿り着きました。この物語の「裏ネタ編」は過去にはPART 12まで記している(2009/12/22、27、28、29、31、2010/1/3、4、5、6、9、10、11日付けで記しています。)ので、PART 13からということになります。今回はサブタイトルにある言葉から「最終」について、「決戦」について、「シベ超」について、「水野晴郎」についてを記します。尚、「最終」以外の3つは「・39話(2nd.26話・AS4話)[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])の前編は「ここをクリック」、後編は「こちらをクリック」してご覧下さい。

最終」:一番終わり、終い、最後、という意味である。尚、「最後」と「最終」の意味の違いは、「最後」は順番から見て最も後にくるものであり、「最終」というと時間的に最も後という意味がある。よって、電車ではその日の最も遅い時間に出る最後の電車を「最終電車」(終電)と言って「最後電車」とは言わないのは、時間的に最も遅い電車であるためである。

決戦」:重大な勝敗を決する戦いのこと、または最後の勝敗を決めるための戦いのことである。いずれにしても、戦いの大勢を決める勝負になるため、とても重要なものと位置づけられる。で、大勢が決まってしまうことから、表向きでは無いが、後者の「最後の」という意味が含まれることが多い。→この物語のサブタイトルでは「最終決戦」という言葉が使われているが、「決戦」に「最後の」というニュアンスがあるため、「最終決戦」と言うと「最後」という意味が二重にあることになる。しかし、これは同義語を重ねることでよりその意味を強調するという使い方であって、言葉上ではおかしいものではない。(「馬から落馬した」と言うような言い方までは行かない。)

それだけに、「傑作」となった「銭形泪」の最後の物語のオーラスを飾る物語と言う意味をサブタイトルにも反映しているということで、これはこれで宜しいかと...

英語では「Decisive Battle」と言うが、「Final Battle」と言う場合もあって、やはり「最後の」という意味が含まれていることになる。

ちなみに、「決戦」と同じ読みをする「血戦」と言う言葉は、血みどろになって力の限り戦うこと、若しくはその戦いのことを言い、「最後の」という意味は無い。(しかし、死力を尽くして戦って、勝っても負けてもそれ以降の戦いに加われなくなって...、ということで、その人にとっては「血戦」が「最後の戦い」になるということはあり得ますが...)

シベ超」:「シベリア超特急」の略称である。「シベリア超特急」は映画評論家で2008年6月に亡くなった水野晴郎による映画、および舞台作品のシリーズである。(映画は5本、舞台は2作がある。)尚、監督の名義はMIKE MOZNOとなっているが、これは水野晴郎のことである。低予算の作品であるのだが、アイデアで見せるという作り方は「ケータイ刑事」シリーズと繋がる所がある。また、キャストの方も一癖も二癖もある顔ぶれがキャスティングされていて、やはり「ケータイ刑事」シリーズに繋がる所がある。

コンセプトはアルフレッド・ヒッチコック監督作品をモチーフにした密室劇であり、サスペンス映画と言うことになっている。また「シベリア超特急」というタイトルはヒッチコック監督の1938年の作品である映画「バルカン超特急」(原題:THE LADY VANISHES)のもじりである、と水野先生は言っていました。

一応「バルカン超特急」の作品データを記しておくと、1938年のイギリス映画であり、時間は95分、白黒作品である。原作はエセル・リナ・ホワイト、監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はシドニー・ギリアット、撮影はジャック・コックス、音楽はルイス・レヴィ、出演は、マーガレット・ロックウッド、マイケル・レッドグレーヴ、ポール・ルーカス、グーギー・ウィザース、リンデン・トラヴァース、メイ・ウィッティ、たちである。

この作品は、イギリス時代のヒッチコック監督の代表作として知られている有名なサスペンス作品であり、1979年に「レディ・バニッシュ/暗号を歌う女」(原題:LADY VANISHES)としてリメイクもされた作品でもある。(リメイク作もイギリス映画であり、アンソニー・ペイジ監督、出演はエリオット・グールド、シビル・シェパード、ハーバート・ロム、アンジェラ・ランズベリー、たち、99分のカラー作品である。)列車の中で1人の老婦人の姿が消え失せてしまう。老婦人の行方を捜す主人公だったが、老婦人のいた痕跡も消えていまい... 列車内を舞台にしたサスペンス作品の原点でもあり、ヒッチコックの手腕が発揮された大傑作である。

「シベリア超特急」シリーズは全部で6作があるが、映画は5作あり、2作は舞台劇として上演された。尚、舞台の第1作を収録したビデオは後に映画(第4作目)として劇場公開されているため、合計は6作となる。

映画の第1作は1996年の作品で「シベリア超特急」、第2作は2000年の作品で「シベリア超特急2」、第3作は2002年の作品で「シベリア超特急3」、第4作は2003年の舞台公演を収録したビデオであって「シベリア超特急4」、第5作は2004年作品の「シベリア超特急5」である。

舞台は第1作が2003年の「シベリア超特急4」、第2作が2003年の「シベリア超特急00・7」であり、2バージョンがある。(言うまでもなく「00・7」というのは映画「007」シリーズのパロディということでこのタイトルが付けられた。)また、「シベリア超特急6」は映画製作が進められていたが、制作されていない。また、シリーズ最終作が制作される予定となっていて、その準備が進んでいて、水野晴郎逝去の時点で台本は完成していたが、製作に関しては宙に浮いた状態になってしまった。水野の弟子・西田和昭(「泪・アナザーストーリー」では佐伯大尉役で出演しているが、「シベ超」シリーズでも佐伯大尉を演じているお馴染みの1人である。)が何らかの形で完成させたいという意向を示したが、水野の死から2年ちょっとが過ぎたが、現時点では具体化されていない状態が続いている。→最近、舞台付いている丹羽Pがこういう所に進出したらいいのに...

映画の第1作は走行中のシベリア超特急の車内で殺人事件が起こり、山下大将がその事件の謎を解くという物語である。かたせ梨乃、菊池孝典、アガタ・モレシャン、シェリー・スェニー、たちが出演している。走る列車内での事件と言うことで、モチーフとした「バルカン超特急」や、やはり列車内で事件が起こったA・クリスティの「オリエント急行殺人事件」を思い出させてくれる作品である。

映画第2作は、爆破事件でシベリア超特急が止まってしまい、乗客たちは菊富士ホテルに宿泊することになる。で、そこで起きた殺人事件を解くという物語である。淡島千景、草笛光子、寺島しのぶ、二宮さよ子、加茂さくら、中村福助、たちが出演している。また寺島しのぶと須藤温子のデビュー作でもある。この作品の方が第1作よりも「バルカン超特急」により近い内容である。

映画第3作は、現代の客船内で起きた事件と61年前にシベリア超特急内で起きた事件との接点を探っていく謎解きという内容となり、三田佳子、宇津井健、内藤武敏、真柄佳奈子、江成大輝、久永さとみ、たちが出演している。

映画第4作は舞台収録ビデオを劇場公開したものであり、その舞台は2003/1/18に新宿シアターアプルで上演されたものである。映画「シベリア超特急4」の制作開始直前に監督の水野晴郎が殺される。その謎を解くために関係者たちは台本通りに「シベ超4」を演じるていく、という物語である。三田佳子、宇津井健、内藤武敏、丹波哲郎というビッグネームが出演しているというのも注目点の一つである。また、この物語の本放送時には、「シベ超」シリーズで公開になっていたのはこの作品までである。

映画第5作は、ヒットラー、ムッソリーニ、スターリンとの会合を終えた山下大将がモスクワからシベリア超特急に乗り込むが、源義経が隠したとされる秘宝が記された地図を確保せよという司令が届く。で、シベリア超特急にはその地図を狙う様々な男女が乗り合わせていて、という物語である。片岡愛之助、片岡進之介、西條三恵、中野良子、岡田眞澄、ガッツ石松、佐藤允、淡島千景、太刀が出演している。(この物語の本放送時には未公開であり、正にこの物語で描かれていた上映前のイベントが色々と企画されていた時期でもありました。)

シリーズで水野晴郎が演じている山下奉文陸軍大将は、実在の人物であって、第二次大戦の時に「マレーの虎」と呼ばれた軍人である。その山下大将が事件を解決に導くというものであるが、安楽椅子探偵(椅子に腰掛けたまま、人から事件に関する話を聞き、それに基づいて推理をしていき、事件の謎を解くという探偵のことであり、推理小説の世界では何人かの有名な名探偵も存在している。)という形で事件を解決する物語である。

また、それぞれの作品には、名作映画に対するオマージュやパロディが散りばめられていて、この辺りは映画評論家として数多くの英雅に接してきた水野先生らしい所でもある。また、ラストにはどんでん返しが用意されているというのも特徴である。と同時に、反戦メッセージが込められている。

作品の評価はB級作品としての評価とされているが、カルト的な人気もある作品もある。ラストのドンデン返しと冒頭に「ネタバレ厳禁」というテロップがあるという所など、マニア層を意識した作になっているのも特徴で、「ケータイ刑事」の作風にも繋がる所がある。

現在ではDVD-BOXがリリースされているので、舞台劇を含めた全作品を楽しむことが出来る。ただ、ハリウッドの大作映画信仰者は見ない方が宜しいかと...一方、「ケータイ刑事」ファンであれば、ノリが共通している所があるだけに、たっぷりと楽しむことが出来るでしょう。(まだ、B級作品がお好きな方にもお勧めです。)

水野晴郎」:みずのはるお。1931/7/19、岡山県生まれ、2008/6/10没。享年76歳。映画評論家であり、映画監督、倉敷芸術科学大学教授、大阪芸術大学客員教授という肩書きも持っていた。また、警察マニアとしても知られた存在であった。

2008年に亡くなった歳、BS-i(当時)は追悼番組ということで、「・5話」と「・アナザーストーリー」全4話の5話を追悼放送として放送したが、このことからも「ケー刑事ファミリー」の一員という証である。(それだけに、「シベ超・最終作」に丹羽Pは何らかの力になるべきだと思います。)

本名は水野和夫であったが、山下奉文陸軍大将への尊敬の念と「シベリア超特急」シリーズに対する愛情から、戸籍上の本名を山下奉大に改名したことでも知られている。愛称はマイク・ミズノ(MIKE MIZNO)で、この名前で「シベリア超特急」シリーズの監督を務めている。

岡山県高梁市出身、2歳の時からは満州に移り、そちらで育つが、戦後、日本に引き揚げてきて岡山に戻る。慶応大学の通信教育課程を7年かけて卒業し、郵便局員となる。その後、映画と出会ったことでその道に進むことにして上京する。1956年に20世紀フォックス映画にアルバイトとして採用され、後に正社員となった。その後に日本ユナイト映画に移り、宣伝総支配人となる。ユナイトでは、「007危機一発」(後に「007/ロシアより愛をこめて」に改題される。)の誤字(本当は「危機一髪」が正しい。)を使った邦題は彼のアイデアによるものであって、当時、日本でも大ヒットを記録することになったとして余りにも有名な逸話である。

1972年に独立をして、この時から「水野晴郎」の名前を使うようになる。同年10月から日本テレビ系の「水曜ロードショー」(後に金曜日に移動して「金曜ロードショー」になる。)の解説を担当するようになり、解説の最後で「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」という台詞を語ることになり、彼の代名詞となった。尚、これはテレ朝系の日曜洋画劇場で解説を担当していた淀川長治の「さよなら、さよなら、さよなら」と共に、映画解説者のお馴染みの台詞として有名となった。(金曜ロードショーの解説は1997年まで、四半世紀にわたって担当していた。)また、映画雑誌での連載も行っていた。

それまでは映画に関して、宣伝担当、支配人、評論家という立場で接していたが、1992年に「落陽」(日活映画)に山下奉文役で出演することになって、映画への初出演を果たした。そしてこれが後の「シベリア超特急」シリーズに繋がることになる。また、2004年の映画「下妻物語」と2007年の映画「0093 女王陛下の草刈正雄」には自身役としてカメオ出演し、「ケータイ刑事」の劇場版にも「M1」「M2」にそれぞれカメオ出演している。役者としては2008年の映画「ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発」に出演しているが、この作品が公開される直前に亡くなったため、これが遺作となった。

晩年には、骨粗鬆症になっていたことが原因で、転倒したことから骨折し、それが重症に繋がったことを何度か繰り返している。「・アナザーストーリー」に出演した時も、骨折をしていたため、登場シーンは基本的に座っている姿となっている。また、「シベ超・最終作」も2007年秋にクランクインする予定だったが、骨折のために延期されている。そして「ケータイ刑事・銭形海」の舞台にも出演することになっていたが、骨折のために降板している。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

シベリア超特急ファンブック

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 単行本
シベリア超特急連続殺人事件

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  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 七賢出版
  • 発売日: 1996/11
  • メディア: 単行本
シベリア超特急 コンプリート DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
シベリア超特急 特別編集版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • メディア: DVD
裏・シベリア超特急BOX(通称:うらシベBOX)通常版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: イーエス・エンターテインメント
  • メディア: DVD
prints (プリンツ) 21 2007年冬号 特集・水野晴郎 [雑誌]

prints (プリンツ) 21 2007年冬号 特集・水野晴郎 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: プリンツ21
  • 発売日: 2007/09/26
  • メディア: 雑誌

ザ・お巡りさん〈続〉 (1981年)

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 渓声社
  • 発売日: 1981/09
  • メディア: -

母の愛、そして映画あればこそ…―夢と希望を追い続けたわが60年

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 近代映画社
  • 発売日: 1991/06
  • メディア: 単行本

水野晴郎のわが映画人生

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 近代文芸社
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

いやあ!映画って本当にいいもんですね (1977年)

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 渓声社
  • 発売日: 1977/01
  • メディア: -

いやあ!映画って本当にいいもんですね〈続〉 (1977年)

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 渓声社
  • 発売日: 1977/08
  • メディア: -

アメリカン・ポリス体験旅行 (1981年)

  • 作者: 水野 晴郎
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1981/11
  • メディア: -

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はしだのりひこ『はしだのりひこメモリアル・ベスト』 [音楽(特撮/邦楽)]

表題のアルバムは2002年にリリースされたベストと版である。はしだのりひこと言うと、フォーク・クルセダーズのメンバーであって、解散後は、はしだのりひことシューベルツ、はしだのりひことクライマックス、はしだのりひことエンドレス、を経てソロとなった。本ベスト盤は、シューベルツ、クライマックス、エンドレス時代のヒット曲を含んでいて、更にソロの曲も収録されているため、オールタイム・ベストということになっている。

収録曲は以下の全18曲である。『』『花嫁』『時は魔法使い(シングルVer.)』『何のために』『さすらい人の子守唄』『海はきらいさ』『さよなら』『北緯15度』『ひとりぼっちの旅』『この道』『ふたりだけの旅』『嫁ぐ日』『祗園の鳥居』『嫁っこはいねえか』『町の灯』『若い旅人』『たとえば光』『風の行方』。

はしだのりひことシューベルツ、クライマックス、エンドレスのそれぞれの代表的な曲が収録されていて、年代順に並んでいるため、資料性も高いアルバムとなっている。で、'60's終盤から'70'sではお馴染みの曲でもあるだけに、日本のフォークを知るにはもってこいのアルバムでもある。

尚、お薦め曲としては特にピックアップする必要はないですよね。何せ、ここには日本のフォークを代表する曲が幾つも収録されており、本アルバムを聴こうという方は、その曲のタイトルはご存知でしょうし...('60's、'70'sのフォーク・サウンドの入門者向けとしては、オムニバス・アルバムがあるだけに、初心者向けでは無いですし...)ということで、かつて、リアルタイムで彼らのサウンドを聴いたという方や、フォークの音楽史について興味がある方は、手元に置いておくべきアルバムである。

 

はしだのりひこメモリアル・ベスト

はしだのりひこメモリアル・ベスト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/10/09
  • メディア: CD


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FLEETWOOD MAC『FLEETWOOD MAC』(1975) [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1975年に発表された彼らの10枚目のスタジオ・アルバムである。と同時に、本作からS・ニックスとL・バッキンガムがメンバーとして加わり、新生FLEETWOOD MACとなった初のアルバムでもある。表題に「(1975)」と記しているのは、1968年のデビュー・アルバムと同じタイトルのアルバムだからである。しかし、デビュー・アルバムとは比べものにならない大ヒットを記録して、ここから彼らの快進撃が行われることになる。)尚、邦題は「ファンタスティック・マック」と付けられていた。

チャート成績も、これまでのアルバムは全米TOP 40入りがやっとというところであったが、本アルバムは初登場から58週目に遂に全米No.1の座を獲得「長期No.1到達アルバム」の記録を更新したことでも知られている。(1位はその1週だけである。)また、1976年のBillboard年間アルバム・チャートでは2位に、1977年では10位(この年1位が彼らの「RUMOURS」である。)にランクインして、ロング・ヒットになったことをチャートでも証明している。また、イギリスでは最高位23位、オーストラリアでは最高位3位、カナダでは最高位15位を記録している。

収録曲は、オリジナル版では全11曲であったが、2004年にリマスターされたものには5曲のボーナス・トラックが追加されて全16曲となっている。収録曲は以下の通りである。『Monday Morning』『Warm Ways』『Blue Letter』『Rhiannon』『Over My Head』『Crystal』『Say You Love Me』『Landslide』『World Turning』『Sugar Daddy』『I'm So Afraid』。(以下、ボーナス・トラック)『Jam #2』『Say You Love Me (Single Version)』『Rhiannon (Will You Ever Win) (Single Version)』『Over My Head (Single Version)』『Blue Letter (Single Version)』。

この中からシングル・カットされたのは都合4曲である。リリース順に、『Warm Ways』(チャートインせず)、『Over My Head』(US最高位20位)、『Rhiannon』(US最高位11位、UKは1976年はチャートインせず、1978年に再発された時に最高位46位を記録した。)、『Say You Love Me』(US最高位11位、UK最高位40位)ということで、アルバムのヒットと比べると、シングル・ヒットは地味な範囲に留まっている。(が、派手な曲が無いものの、秀曲が多いということでもある。)

お薦め曲は「全部」と言いたくなるのが当然というほど充実した内容であるのだが、飛び抜けている曲は無く、捨て曲が無くいずれもがクオリティが高いというのが特徴である。(平均点が高く、標準偏差が小さいということになる。)そんな中、シングル・カットされている曲に関してはいずれもが聴いておいて当然という曲であるということだけを記しておくことにする。

本アルバムは、彼らのキャリアに於いても重要な転換期のアルバムとなり、本アルバムから彼らの快進撃が始まることになった(但し、ギアが入るまでには時間がかかりましたけど...)だけに、彼らを聴く上では絶対に外せないアルバムである。但し、かつてのマックのブルース・ロックがお好きな方にとっては、サウンドが変わったことで寂しく感じる所でもあって、複雑な感じがするでしょうね。が、バッキンガム・ニックスの加入はバンド名こそ同じであるものの、別バンドへの脱皮でもあるだけに...

いずれにしても、'70'sのロック史に残る傑作アルバムであり、彼らの快進撃のスタートとなった記念すべきアルバムであるため、必聴のアルバムである。

 

Fleetwood Mac

Fleetwood Mac

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rhino / Wea
  • 発売日: 2004/03/22
  • メディア: CD

ファンタスティック・マック(リマスター&ボーナス・トラック・エディション)

ファンタスティック・マック(リマスター&ボーナス・トラック・エディション)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2010/05/26
  • メディア: CD

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メジャー(6th.)#24 [アニメ]

最終回の1つ前の物語。前シリーズでも同様であったが、最終回とその1つ前となると、クライマックスを迎えるはずなのに、本シリーズでは最終回の1つ前か1つ前がクライマックスを迎え、その後は次のシーズンに向けた繋ぎとなっていた。それだけに、前回でホーネッツの地区優勝が決まり、吾郎が故障でリタイアというところで、物語としたら幕を下ろした方が良かったのに、無理矢理続けていると言った内容で、どうでも良いような内容でした。

一応、ギブソンとジュニアのワールドシリーズ出場を賭けた対決があるものの、他にも色々とエピソードを詰め込んでいるため、「あっそう」というような薄っぺらいだけの展開では盛り上がりません。

どうせやるなら、じっくりと描くべきであって、原作漫画と同様に、野球の試合を描くために無理矢理詰め込んだという印象がそのままでした。

で、そういう対決のがありながら、清水のヤキモチに関しては単にギャグにしか成っておらず、今回の物語には不要な要素でした。

ワールドシリーズ出場を賭けたプレーオフが始まるが、血行障害の手術を行った吾郎は入院中であった。また、ワッツも入院中だった。吾郎は故障があることをチームに隠していたとして、徹底的に管理されることになり、ソフィアが吾郎の食事の世話を含めて監視することになった。

プレーオフでは、ホーネッツは勝ち進んでいて、もう一方ではギブソン親子がワールドシリーズ出場を賭けた試合を迎え。タイで最終試合を迎えていた。父・ギブソンを打てないジュニアだったが、最終回の逆転スリーランで勝利して、ジュニアのいるレイダースがワールドシリーズ出場を決めた。

一方、清水は吾郎の手術が終わったことから電話を入れるが、電話越しに女(ソフィア)の声を聞き、誤解をして...

話を詰め込みすぎていて、纏まりのない穴埋め的な物語になっただけで、次回が最終回でなければ「打ち切り」の声が出ても良いような酷い内容でした。

次回は最終回。まあ、原作漫画と同様に適当にという悪い予感がしますね...

 

↓最新巻

MAJOR(メジャー) 77 (少年サンデーコミックス)

MAJOR(メジャー) 77 (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 満田 拓也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/17
  • メディア: コミック

MAJOR(メジャー)/ 77 特別版 イラスト集付 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)

MAJOR(メジャー)/ 77 特別版 イラスト集付 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)

  • 作者: 満田 拓也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/17
  • メディア: コミック
↓この辺りの物語です。
MAJOR(メジャー) 74 (少年サンデーコミックス)

MAJOR(メジャー) 74 (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 満田 拓也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: コミック

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