DEEP PURPLE『MADE IN JAPAN』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1972年にリリースされたライヴ・アルバムである。タイトルが示すように、日本ツアーを収録したもので、1972年8月の大阪と東京公演を収録したものである。ジャケットは日本武道館となっているが、収録されているものの中心は大阪フェスティバルホールでの演奏である。
本アルバムはロック史上に残る名ライヴ盤として知られるアルバムであり、同時に日本武道館の名前を世界に広く知らしめることにもなった。チャート成績も、本国イギリスでは最高位16位を記録、アメリカでもBillboardのアルバム・チャートで最高位6位、1973年の年間アルバム・チャートで26位にランクインしている。
また、1998年にリマスターされた時に3曲が追加されたことも有名である。今回は、そのリマスター盤の方で述べることにする。(25周年記念盤がこれに当たります。)
それ以前のCD盤は、LPでは2枚組だったが1枚組となり、CDの収録上限時間に近いものとなっていたが、リマスター盤は追加の3曲(22分弱)が独立した形となって、DISC 2に「The Encores」という形で収録されたことによって2枚組になった。
DISC 1の収録曲は従来盤と同じであり、『Highway Star』『Child In Time』『Smoke On The Water』『Mule (Drum Solo)』『Strange Kind Of Woman』『Lazy』『Space Truckin'』の7曲である。そしてDISC 2の方が『Black Night』『Speed King』『Lucillet』の3曲である。
いずれの曲も演奏時間が長く、10分を越える曲が3曲、2曲は9分台、最も短い曲でも6分半を超えているとか、20分弱という『Space Truckin'』は伝説のパフォーマンスの一曲として、ハードロック・ファンであれば誰もが知っていることである。
尚、1972年の日本公演の模様は、ライヴ盤としてリリースされて、ハードロックの世界では伝説のライヴとして知られているが、このライヴの3日間(大阪2公演、東京1公演)を1日1枚、合計3枚となるライヴ盤「LIVE IN JAPAN」としてリリースされているが、本アルバムはその中から選ばれたベスト・パフォーマンスの曲が収録されているということで、DEEP PUEPLEのコアなファンでなければ、本アルバムの方がよい選択である。
いずれにしても、そのライヴから36年という歳月が流れたが、こうしてライヴ盤がリリースされている(リマスターによって、音質の方も向上している)のだから、本当に嬉しいところである。たっぷりと迫力或る彼らのパフォーマンスを楽しみましょう!!
Made In Japan: 25th Anniversary Edition
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Warner Bros.
- 発売日: 1998/06/30
- メディア: CD
↓こちらは1枚組(DISC 1のみの7曲です。)
THE RING TWO(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は、2005年の映画「ザ・リング2」である。日本版の「リング」は1998年の作品である2002年の「ザ・リング」の続編である。が、日本版「リング2」のリメイクではなく、ハリウッドのオリジナル・ストーリーである。
作品データを記しておくと、時間は110分、原作は鈴木光司、監督は中田秀夫、オリジナル脚本は高橋洋、脚本はアーレン・クルーガー、撮影はガブリエル・ベリスタイン、音楽はハンス・ジマー、ヘニング・ローナー、マーティン・ティルマンの3人である。そして出演は、ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、デヴィッド・ドーフマン、エミリー・ヴァンキャンプ、シシー・スペイセク、エリザベス・パーキンス、ゲイリー・コール、ライアン・メリマン、ケリー・オーヴァートン、ジェームズ・レジャー、デイヴィー・チェイス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、たちである。
あれから半年、おぞましい記憶から逃れるために、レイチェルとエイダンの親子は海辺の小さな田舎町へと引っ越した。レイチェルは地元紙の記者として働くようになり、新たな生活が始まる。が、平穏な日々は長く続かなかった。その田舎町で数十年ぶりという怪死事件が発生した。犠牲者の10代の少年の顔は異様にゆがめられていたということで、レイチェルにはあのビデオテープの恐怖が蘇る。事件を調べ始めたレイチェルは、再びサマラの呪いの力が働き始めたと確信した。そうしていると、エイダンの様子に異変が起き始め...
本作は完全オリジナル・ストーリーであるが、どうしても日本版の「リング」の貞子が頭から離れず、つい比較してしまうことになる。そしてジャパニーズ・ホラーとアメリカン・ホラーの根底にある者の違いを感じることになる。
で、本作は一応「ホラー映画」ということになっているが、謎を解いていくサスペンス作品のようなものになっていて、「ホラー」という感じがあんまりしなくなっている。これはこれで、別の恐怖を味あわせてくれるのだが、日本版の「リング」や前作「ザ・リング」の事があるので、どうしても本作にはホラー映画としての恐怖があることを期待してしまう。よって、裏切られたという印象を持ってしまい、これがズッコケた原因である。
が、「ザ・リング」を忘れてサスペンス作品という認識に頭を切り換えたら、それなりの作品になっている。これはやっぱり音楽による所があろう。本作の音楽は、ホラー映画の音楽としたら疑問符が付くが、サスペンスの音楽としたら、これがなかなかどうして、出来がよいものになっている。ということで、本作の製作意図とは異なることになるが、サスペンスという認識で本作品のサントラ盤をピックアップする。→この辺りは、ハンス・ジマーの力量が発揮されていると言えるが、作風自体がサスペンスということを考えたら、流石はH.ジマーということになる。
最後にサントラ盤の収録曲を記しておく。サントラ盤の収録曲は以下の全12曲である。『The Well』『Before You Die You See The Ring』『This Is Going To Hurt』『Burning Tree』『Not Your Mommy』『Shelter Mountain』『The Ferry』『I’ll Follow Your Voice』『She Never Sleeps』『Let The Dead Get In』『Seven Days』『Television』。
The Ring 2 [Original Motion Picture Soundtracks]
- アーティスト: Anthony Pleeth,Martin Tillman,Hans / Lohner, Henning / Tillman, Martin Zimmer,Fiachra Trench,Gavin Greenaway,Gina Segall
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2005/03/15
- メディア: CD
↓映画DVDはこちら
↓一応、第1作を...
「THE REINCARNATION OF PETER PROUD」 [映画(洋画)]
表題の作品は1975年のアメリカ映画「リーインカネーション」である。輪廻転生をテーマにしたスリラー作品である。後に香港映画「ジョイ・ウォンのリインカネーション/輪廻転生」や韓国映画「輪廻 リ・インカネーション」などでも扱われているテーマであるが、それらはホラー系の作品ではないが、本作はホラー系の作品であり、自分の前世の姿を見出していく男の恐怖が描かれている。また、M.キダーこの後に「スーパーマン」のヒロインであるロイス・レインを演じることになるが、それ以前の出演作ということで、注目が集まるようになった頃の作品である。
作品データを記しておくと、ジスかは105分、原作と脚本はマックス・エーリッヒ、監督はJ・リー・トンプソン、撮影はヴィクター・J・ケンパー、音楽はジェリー・ゴールドスミスである。そして出演は、マイケル・サラザン、マーゴット・キダー、ジェニファー・オニール、ポール・ヘクト、トニー・ステファノ、コーネリア・シャープ、たちである。
大学教授のピーターは、暗闇の湖で泳いでいる所を妻に殴り殺される夢を毎日見ていたことで魘されていた。そんな中、彼はTVで見た風景に驚いた。というのは、その風景は悪夢に出てくる町だった。で、ピーターはその町・ブラッドリー・フィールドを訪れた。そして新聞社に行って、過去の殺人事件のファイルを探る。すると、1946年9月27日に、銀行の頭取の養子・ジェフが水泳中に溺死した記事を見つけた。また、ジェフの妻・マーシャと娘・アンが今も生きていると知り、訪ねることにした。で、美しく成長したアンと知り合い、更にマーシャとも会った。その席で、マーシャは、ピーターがグラスを指で弾くのを目にして驚いた。それは亡き夫・ジェフと全く同じ癖だった。更に、アンが養老院にいる祖母の見舞いにピーターと共に行くと、今では口を聞くことが出来ない祖母がピーターに「ジェフ」の名前を叫んだ。ジェフとピーターの容貌は誰が見ても別人であり、初対面なのにである。数日後、ピーターを訪ねたマーシャは驚愕の言葉を告げられた。「僕はその現場にいたんだ」ということで、マーシャは、ピーターがジェフの生まれ変わりと考えるようになった。数日後、夜の闇に包まれた湖でピーターが泳いでいると、マーシャの乗ったモーターボートが近づいてきて...
主人公が大学教授ということもあってか、自分で原因を推測して、それを確かめていこうとするという展開ということで、設定を上手く活かした物語となっている。冷静になって考えると、専門家に相談する(この場合は夢相談ということになるので、やはり精神科医にということになるのでしょうね。)特に、アメリカでは日本よりも精神科医はより日常に近いものであるだけに、大学教授という職業柄が物語の展開にしっかりと活かされているということにもなる。
ということで、なかなか良くできた作品である。もっと陽の目が当たっても良い作品である。
↓ビデオ(輸入盤)です。
The Reincarnation of Peter Proud
- 出版社/メーカー:
- メディア: VHS
↓やっぱりこちらの方が有名です。
↓2004年の韓国映画
ケータイ刑事銭形泪6話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
まずは、物語の中に散りばめられたネタの中から、サブタイトルにもある「動物奇想天外」と、劇中に出てきた「動物の名前が入った苗字」について簡単に記すことにします。
尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「動物奇想天外」:TBS系で放送されている番組名は正しくは「どうぶつ奇想天外!」である。(一応、系列局ということになる。)現在も放送されている長寿番組である。
スタートしたのは1993年10月ということで、この物語が放送された時(2004/2/8)では既に11年目に突入していた。尚、2000年3月までは毎週土曜日20:00からの放送であったが、2000年4月以降は毎週日曜日の20:00に放送されている。(当初は、大河ドラマはともかく、他局のライバル番組を終了に追い込むというように好調だったが、最近では、長寿番組によく見られるような低迷ぶりとなっていて...)尚、この番組は、「親が子どもに見せたい番組」の上位に毎年ランクインしている。
尚、内容の方は、動物に関する話題で進めるクイズ・バラエティである。
劇中で確認できた動物名が入った苗字:犬飼、鷹見沢、鷲沼、鳥野、猿山、牛沢、鼠取、猿谷、鮫島、亀井、羊飼、亀田、馬場、馬見塚、鳥山、海老名、鶴川、大虎、熊谷、鮭山。また、「雀」もあるが、上の感じが確認できませんでした。
これらの中から、物語においてそれなりのポジションが与えられたのは、犬飼、牛沢、熊谷、鮭山である。これら4つについては、捜査会議において、普通は被害者、容疑者は顔写真が使われるのだが、動物のイラストが描かれていた。但し、鮭山については魚の鮭ではなく、切り身の鮭のイラストだった。→泪ちゃんもなかなか楽しい所があります。
また、犬飼専務の奥さんの名前は「犬飼猿江」ということで、これは苗字だけでなくて名前の方にまで動物の名前が入っている。→「犬猿の仲」ということを言うが、実に遊び心に満ちた名前です。
以下、それぞれの動物について、一言ずつ記しておくことにする。(これ以外にもあといくつか出てきているが、字がはっきり確認できなかったので、これだけにしておきます。また、「鳥」としている漢字の中には「烏」があるのかもしれないが、完全に確認できないので省略します。)
犬:食肉目イヌ科の哺乳類である。家畜動物としても歴史が古く、旧石器時代後期、つまり数万年ということになる。
牛:偶蹄目ウシ科の哺乳類である。家畜動物として最も広く飼育されている動物であり、新石器時代から家畜として飼育されているといわれている。
熊:食肉目クマ科の哺乳類である。雑食性であるが、時には人畜を襲う場合もある。また、冬眠をする動物として有名である。
鮭:サケ科の魚である。産卵のために川を上ってくることで有名である。尚、孵化した稚魚は川を下って海に入り、2~5年で成魚となって戻って来る。
鷹:ワシタカ科の鳥の中の中型または小型のものの総称である。
鷲:ワシタカ科の鳥の中の大型(おおむね、翼長が50cm以上)のものの総称である。
尚、鷲と鷹の分類は大きさによるものであって、分類上の区別はない。
鳥:鳥類の総称ということで、動物のある種類の名前ではない。
鼠:齧歯目ネズミ科と近縁科の哺乳類の総称である。
雀:ハタオドリ科の鳥で、翼長が数戦地という小さな鳥である。日本では留鳥として何処にでも見られるポピュラーな鳥である。
猿:哺乳類霊長目に属する動物の中で人類を覗いた動物の総称で、原猿類、メガネザル科、広鼻猿類、狭鼻猿類、類人猿類に分けられる。または、ニホンザルのことをいう場合もある。
鮫:軟骨魚綱板鰓類で、エイ目以外のものの総称である。地域によっては「フカ」「ワニ」と呼ばれることもある。
亀:爬虫綱カメ目のの総称で、オオガメ科とスッポン科がある。
羊:偶蹄目ウシ科の哺乳類である。牛と共に家畜として古くから(約8000年前からとされている)飼育されている動物である。
馬:奇蹄目ウマ科の哺乳類である。5000年ほど昔に家畜化され、最も重要な動物として人間と関わってきた動物である。
海老:甲殻綱十脚目長尾類の総称である。また「蝦」と記されることもある。
鶴:ツル目ツル科の鳥の総称である。古来から長寿の鳥として尊ばれている鳥である。
虎:食肉目ネコ科の哺乳類。「人喰い虎」ということを耳にすることがあるが、老獣になるとその蛍光があるとされている。
↓参考まで
TBS発!どうぶつ奇想天外!DVDシリーズ 不思議がいっぱい!うみの生き物編
- 出版社/メーカー: リバプール
- メディア: DVD
「どうぶつ奇想天外!」presents南極大陸・アデリーペンギン子育て物語
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- メディア: DVD
TBS発!どうぶつ奇想天外!DVDシリーズ かわいい!愉快!いぬタップリ満載編
- 出版社/メーカー: リバプール
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TBS発!どうぶつ奇想天外!DVDシリーズ びっくり!笑撃のいぬ・ねこ編
- 出版社/メーカー: リバプール
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どうぶつ奇想天外!海外体験記―出演者8人の驚きと感動の物語。
- 作者:
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「昭和残侠伝」(その3) [映画(邦画)]
今回は、1966年に製作されたシリーズ第2作と第3作の2本についてです。
シリーズ第2作「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」(1966年)
作品データを記しておくと、1966年の東映東京の作品で、時間は90分である。監督は佐伯清、脚本は山本英明、撮影は林七郎、美術は藤田博、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、高倉健、池部良、三田佳子、菅原謙二、津川雅彦、芦田伸介、水島道太郎、三島ゆり子、保積ペペ、城野ゆき、岡崎二朗、清水まゆみ、赤木春恵、花澤徳衛、松方弘樹、田中春男、河津清三郎、山本麟一、関山耕司、今井健二、沢彰謙、織本順吉、北山達也、たちである。
昭和初期、大谷石で知られる宇都宮の石切場は、榊組筆頭に、複数の組が仕切っていた。そこに新興勢力の左右田組が、榊組を潰して縄張りを拡大させようと割り込んでくる。更に、左右田組組長の息子・弥市が花田秀次郎の弟分・清川周平の婚約者・くみに横恋慕してくる。左右田組は秀次郎の弱味につけ込んで、周平とくみの縁結びを条件に榊組三代目・秋山幸太郎を秀次郎に斬らせた。それから7年、刑務所に入っていた秀次郎が出所してくる。罪の償いの為に榊組の力になる秀次郎だったが、今では石切場は左右田組が中心になっていて、榊組は未亡人・八重が仕切っていたが、かつての面影は無かった。そんな中、榊組には、山の持主・田代の口ききで陸軍省から石1000トンの注文が入る。が、これに左右田組が妨害する。また、秀次郎は八重に、幸太郎殺しを告白、幸太郎と八重を結ばせるため身を引いて満州に渡っていた榊組の元幹部・畑中が戻ってくる。畑中と秀次郎は決闘となるが、八重が2人を止める。そんな2人はそれぞれが左右田組に殴り込みを掛ける。途中で出会った2人は互いに詫びると手を組んで左右田組に殴り込んだ...
任侠映画の基本的な所を抑えていて、安心してみることが出来る作品である。見所は、やっぱり秀次郎の背中の唐獅子である。
シリーズ第3作「昭和残侠伝 一匹狼」(1966年)
作品データを記しておくと、1966年の東映東京の作品で、時間は90分である。監督は佐伯清、脚本は松本功と山本英明の2人、撮影は星島一郎、美術は藤田博、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、高倉健、池部良、藤純子、島田正吾、扇千景、潮健児、佐藤晟也、御木本伸介、山浦栄、菅原壮男、土山登志幸、山之内修、沢彰謙、松平峯夫、藤山竜一、小島慶四郎、北山達也、雪代敬子、加賀屋玉之助、中村竹弥、河津清三郎、佐藤京一、北川恵一、大前釣、ミスター珍、河合絃司、佐川二郎、高木二朗、志摩栄、久保一、杉義一、北峯有二、日尾孝司、水城一狼、伊達弘、片山滉、伊藤慶子、曽根晴美、たちである。
昭和の初期。銚子に近いある漁村では、他の網元を潰して鮪を独占することを考えた網元・川銀一家が暴れていて、網子を次々と配下に加えていった。老舗の網元・浜徳の浜田勇吉や、浜徳を助ける潮政一家の貸元・秋津政太郎も、川銀一家に手を焼いていて、子分たちを抑えるのが精一杯だった。そんな頃、元関東島津組の幹部だった武井繁次郎が政太郎の家にやってくる。彼は昔の親分を暗殺した刺客・桂木竜三が川銀一家にわらじを脱いだと聞いて、親分の仇を取ろうとしていた。川銀の貸元・銀五郎は仲買人を買収しようとして、それを邪魔する政太郎を殺した。これによって潮政一家は仇を討とうとするが、繁次郎は子分たちを宥め、自分に任せてくれと説得する。が、川銀一家は繁次郎を狙い、更には浜徳の漁船の焼打ちに出る。遂に繁次郎は立ち上がり、川銀一家に殴り込みを掛けた...
本作の主人公は前作とは別キャラの物語であるが、任侠映画のパターンに添った内容であり、特に違和感は無い。ただ、背中の唐獅子が、少しだけ小さく見えてしまうのだが、特に取り立てて言うような問題ではない。「任侠映画」ということでは普通の作品である。
西島三重子『ENCORE ベストセレクション16』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1994年にリリースされたベスト盤である。'70'sの歌姫として現在でも広く支持されており、名曲『池上線』は多くのアーティストたちがカバーしていることで知られる彼女であるが、そんな彼女の初期作品(ワーナ時代)から選曲されたベスト盤である。ただ、残念なのは、曲の収録順が発表順になっていないという所である。が、デビュー曲の『のんだくれ』からしっかりとフォローされているのはうれしい所である。
収録曲は以下の全16曲である。『池上線』『ジンライム』『のんだくれ』『かもめより白い心で』『黄昏の街でさよなら』『星めぐり』『愛の行先』『想い出をふりかえらずに』『想い出づくり』『仮縫い』『千登勢橋』『びしょぬれワルツ』『1460日』『シベールの日曜日』『冬のかもめ』『水色の季節の風』。
本アルバムには'70'sの名曲『池上線』をはじめ、現在にはない切口の歌が詰まっていて、それが時代を感じると共に、若さ故の輝きをもったものでもあり、心に届くメッセージとなる'70'sサウンドらしいところとなる。
筆者のお薦め曲(というよりお気に入りの曲)は『池上線』『ジンライム』『のんだくれ』『星めぐり』『愛の行先』『千登勢橋』『シベールの日曜日』『冬のかもめ』という所であり、レコード会社移籍後の者はまた別ということで、ワーナ時代の曲は一応ポイントを押さえてあるので、資料としての価値も高く、手元に置いておきたいベスト盤である。
尚、2005年に「究極のベスト!西島三重子」というベスト盤がリリースされたが、これはタイトルに偽りがある詐欺のようなベスト盤である。何せ、「究極の」とタイトルに謳っているが、収録曲は全9曲であり、その全ての曲が本ベスト盤には収録されている。よって、彼女のベスト盤を探す場合は、本ベスト盤か2枚組の「TWIN VERY BEST COLLECTION~Spell(呪文)~」をチョイスして、「究極のベスト!」というのは無視しましょう。兎に角、全く意味のないベスト盤でしかなく、ゴミでありますから...
- アーティスト: 西島三重子,門谷憲二,麻生香太郎,康珍化,佐藤順英,竜真知子,青木望,戸塚修,林哲司,徳武弘文,若草恵
- 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
- 発売日: 1994/04/25
- メディア: CD
DEAD OR ALIVE『YOUTHQUAKE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの2nd.アルバムである。突如全英No.1ヒットとなった『You Spin Round (Like A Record)』で注目を集めることになった彼らであるが、'80'sのダンス・ビート全開で、C.クラブのボーイ・ジョージに続けとばかりのピート・バーンズのメイクとファッションが話題を集めたものでした。イギリスでは最高位9位、アメリカでもBillboardのアルバム・チャートで最高位31位を記録するスマッシュ・ヒットとなり、彼らの名前を広く浸透させたアルバムである。
収録曲は、オリジナル盤では全9曲であったが、1994年のリマスター盤で2曲のボーナス・トラックが追加されて全11曲となった。(ボーナス・トラックは6曲目と11曲目である。)収録曲(11曲)は以下の通りである。『You Spin Me Round (Like A Record)』『I Wanna Be A Toy』『Dj Hit That Button』『In Too Deep』『Big Daddy Of The Rhythm』『You Spin Me Round (Like A Record) (Performance Mix)』『Cake And Eat It』『Lover Come Back To Me』『My Heart Goes Bang (Get Me To The Doctor)』『It's Been A Long Time』『Lover Come Back To Me (Extended Mix)』。
この中からシングル・カットされたのは4曲(アメリカでは2曲)である。何と言っても、彼らの最大のヒット曲である『You Spin Me Round (Like A Record)』がイギリスでNo.1ヒットとなり、アメリカでもBillboardで最高位11位を獲得するヒットになった。(年間シングル・チャートのTOP 100には入っていない。)また、2006年に再発された際には、イギリスでは最高位5位を記録するリバイバル・ヒットとなった。続いて『Lover Come Back To Me』がイギリスで最高位11位、アメリカで最高位75位を記録、イギリスだけのシングル『In Too Deep』は最高位14位、『My Heart Goes Bang (Get Me To The Doctor)』は最高位23位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、彼らの代表曲『You Spin Me Round (Like A Record)』は当然である。これ以外でもシングル・ヒットを記録した『Lover Come Back To Me』『In Too Deep』『My Heart Goes Bang (Get Me To The Doctor)』、8分弱という大作の『It's Been A Long Time』、『Dj Hit That Button』というところはノリノリのサウンドで、ダンス・ビート全開で、身体が自然と動き出すような曲であり、彼ららしいサウンドであって、お薦め曲としてピックアップしておく。
悪く言えば、どの曲も同じようなダンス・ビートに聞こえる所があるのだが、これはアルバム全体に彼らのダンス・ビートが一貫して貫かれているということであって、捨て曲が無く、最初から最後までたっぷりとダンス・ビートを楽しむことが出来ると言うことである。'80'sのブリティッシュ・ダンス・サウンド(ユーロ・ビート)に満ちあふれた本アルバムは、'80'sのダンス・シーンを語る上では忘れることの出来ないアルバムの一つであり、身体を動かしながら、たっぷりと堪能しましょう!
ところで、彼らのこの後のアルバムは、日本でこそそれなりにヒットしたものの、英米ではさっぱりと言うことになったこともあって、DEAD OR ALIVEというと、『You Spin Me Round』の一発屋であり、本アルバムが全てという印象があるが、彼らは決して一発屋ではありません。が、2006年に再発されたこの曲がイギリスで最高位5位を記録したことで、奇しくも『You Spin Me Round』の一発屋という印象がまた強くなってしまったのも事実です...
篤姫#34 [ドラマ]
いよいよ、愛お姉ちゃまと舞ちゃんのバトルが始まることになる今回の物語。何処かに泪ちゃんや従姉妹の雷ちゃんに登場してもらいたいと思った所でもありました。
尚、武家と公家の対立ということだが、見た感じだと、しきたりを重んじる策士たちと、身分を重んじる妖怪たちの対立という様でもあって、これがまた面白い。ただ一つ言えることは、ごく普通の庶民感覚を持った人間が誰もいないということである。天璋院は事を荒立てないようにという穏健派であり、従う部下がたくさんいるが、和宮は妖怪・庭田嗣子の操り人形であって、まずは相手を探っているという感じでした。
こうなると、幾島という強力な人材がいなくなったのが、ちょっと寂しい所でした。幾島に代わって怪物というキャラは庭田嗣子が受け継いでくれましたけど...
大奥での開戦ということで、第1ラウンドという内容であったが、一応、薩摩での動き、そして坂下門の変も描かれていたけど、これらは余計という感じでした。いつしかあの尚五郎改め小松帯刀がしっかりした人間になっていて、お転婆娘・於一も天璋院として貫禄十分になっていることと対応させているということでは、成長したということが伝わるが、そんなことはどうでも良く、銭形姉妹の嫁姑バトルを見せて貰いたい所です。
和宮の江戸入りが近づき、その準備が進んでいく。一人張り切っている天璋院の考えとは裏腹に、既に衝突は始まっている。
中仙道を通って江戸に入った和宮。まずは試合前の記者会見で話題作りの激突とでも言わんばかりに、挨拶代わりのジョブで揉める。(ここはあくまでも、妖怪・庭田と大奥からの使者の間での対立であって、まだまだ場外戦ですけど...)
江戸城に和宮が入り、両者が戦いのリングに登場した。いまや銭形愛チームの参謀であり、スパイ・滝山が色々と報告してくる。ボス・銭形愛・天璋院は波風が大きくならないように押さえる。
そして和宮と将軍・家茂のご対面。優しく、それでいて凛としている家茂に惹かれた和宮。とりあえずは妖怪・庭田の操り人形から脱出する伏線が出来ました。
続いて、天璋院と和宮の対面。(遂に実現した銭形愛と銭形舞の対面である。)武家のしきたりで上座に座る天璋院、敷物もなく下座に廻された和宮。真っ先に妖怪・庭田が噴火する。流石の銭形愛・天璋院も妖怪・庭田の迫力には怯んでいましたね。
更に、和宮から天璋院への土産には「天璋院へ」と呼び捨てにした添え状があったことから、今度は銭形愛・天璋院チームの幹部たちが噴火。→楽しくなってきます。やっぱり「M1」で愛ちゃんが「迎えに来て、お土産いっぱいあるよ」に対して「無視無視」と言った舞ちゃん。そういう所にもこのバトルの根っこがありますね...
天璋院は和宮と仲良くやりたいと願い、色々と頭を悩ませる。そんな中、和宮の帰京と将軍・家茂直筆の証文のことで噴火する天璋院。が、家茂の方がそれ以上に大人になっていた。
大奥への帰り道、天璋院は大奥・和宮の所に殴り込んだ。今度はその迫力の前に妖怪・庭田も撃沈でした。で、「姑として指南する」と宣言し、一本取りました。蛍ちゃんこと重野も「気が晴れた」と言っていただけに、押されていた銭形愛・天璋院チームも押し返して、とりあえずは一勝一敗ということになりました。
それにしても、銭形愛・天璋院チームといい、銭形舞・和宮・妖怪軍団といい、それぞれに面白い個性豊かなキャラクターがいるものですね。家茂と和宮の対面の時の、滝山と庭田の激突といい、従者たちのぶつかり合いで着物の裾を踏むということまで、色々と見せて楽しませてくれます。お陰で、坂下門の変とか、薩摩の誠忠組の部分、更には西鄕の復帰も完全に色褪せていました。
天璋院の口からはともかく、御所風のしきたりを通すという和宮に対して「和宮様は冷え性でございましょうか?」と、重野か滝山が言ってくれたら、更に面白かったんですけどね...(→「頑固な女性は冷え性だ」と五代さんや高村さん、更には岡野さんも言ってましたので...)
次回は、和宮の懐に光るものがあったということから起こる第2ラウンドです。幕末の色んな史実を描かず、たっぷりと見せて欲しい所です。
NHK大河ドラマ・ストーリー 篤姫 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー) (NHK大河ドラマ・ストーリー)
- 作者: 宮尾 登美子
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- 発売日: 2008/06/30
- メディア: ムック
日本妖怪大百科 VOL.9―DISCOVER妖怪 (9) (KODANSHA Official File Magazine)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05
- メディア: ムック
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
ゴルゴ13#20 [アニメ]
今回の物語は、五月蠅い依頼者と、プロとして自分に自信を持っているゴルゴとの姿勢の違いが分かる物語で、人間ドラマとしたら面白いものでした。でも、ここのところ出来が今ひとつということもあって、冴えないという巻はぬぐい去れませんでした。
イギリス情報部の部長から仕事の依頼を受けるゴルゴ、ターゲットはイギリスを裏切った男・アーノルド・グラストンであった。グラストンは警護が付かないハネムーンを利用して、マルタに行き、そこから消息不明になった。ゴルゴはグラストンの女・ステラのいるマルタに行き、ステラの行動を監視する。グラストンは逃亡する際に2人の男を殺していたため、ステラは殺人者の妻として虐げられた暮らしをしていたが、グラストンという夫がいつか迎えに来ることを信じていた。イギリス情報部は、グラストンは脱出のためにステラを利用しただけであり、マルタには現れない、と主張する。また、アメリカにいるらしいという情報を掴み、それをゴルゴに伝え、マルタを離れるように言うが、ゴルゴは受け入れず、ステラの監視を続ける。ステラの暮らしは厳しく、職もなく、アパートの家賃の支払いも苦しい状況だったが、他に行く場所もなく、なんとかいさせて欲しいと大家に言っていた。そんな中、ステラに花束が届き、メッセージ・カードが届いた。それを見たステラは、アパートを出て行くことを大家に伝え、家財道具を処分するように頼む。ゴルゴは待っていたとばかりに、ステラの後を追った。ある港、雨の中人を待っているステラ。ゴルゴは狙撃の準備を整えて、その時を待っていた。やがて、港に近づく一艘の船が現れた。ゴルゴのライフルが船に向けられる。船を操縦しているのがグラストンと確認すると、引き金を引いたゴルゴ。グラストンは一発で仕留められた。そんなことを知らないステラはただひたすら待っていた。そんなステラの前を、仕事を終えたゴルゴが通り過ぎて行った。
依頼者であるイギリス情報部も、独自に動いていて、あわよくば自分たちで片を付けようとしながら、一方ではゴルゴにターゲットの始末を依頼するという二枚腰というのは、国家に関係する組織らしい所である。(本音と建て前の使い分けということで、多く描かれていることでもある。)挙げ句の果てにはゴルゴに確認できていない情報を伝え、ターゲットから(意識していないとは言っても)遠ざけるような行動をさせようとしているのは、面白い所である。ゴルゴも国家がバックにある情報部の情報も信用しないというのも、これはこれでまた凄いことである。(普通、国家がバックに付いていたら、そこからの情報は信用してしまいますからね...)
そうさせるのは、ゴルゴの持っているプロとしての情報網、これまでの経験からくる勘、冷静な分析力、ということで、一匹狼、プロのスナイパーとしてのゴルゴのキャラがしっかりと描かれていた物語でした。(ここ暫くの中では、レベルの高い物語でした。このレベルをキープして欲しいところです。)
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TwellV・神宮前名画座「ROMAN HOLIDAY」 [映画(洋画)]
今週の神宮前名画座は、土曜夜だけの放送で、日曜の方は放送無しという形になり、1953年のA・ヘプバーン主演の「ローマの休日」でした。
この作品は118分の作品であるので、頭に3分のCMが入り、30秒の番組タイトルに続いて本編中にCMが入らない形で放送されるので、2時間枠では入らないことになり、30分放送枠を拡大しての放送になったが、2時間に約1分半で終了ということだったので、5分の拡大で十分なのに、30分の拡大というのは、先週の「市民ケーン」と同様にTwellVらしいところでした。
この作品は、A・ヘプバーンの人気を不動の物にした作品であり、誰もが知っている作品であり、製作から半世紀以上が経過した現在でも人気の高い作品なので、細かいことは語る必要はないでしょうね...
作品データを記しておくと、時間は118分、白黒作品である。原作はイアン・マクレラン・ハンター(ダルトン・トランボ)、製作と監督はウィリアム・ワイラー、脚本はイアン・マクレラン・ハンターとジョン・ダイトンの2人、撮影はフランク・Fプラナーとアンリ・アルカンの2人、音楽はジョルジュ・オーリックである。そして出演は、オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート、テュリオ・カルミナティ、パオロ・カルソーニ、ハートリー・パワー、マーガレット・ローリングス、たちである。本作でA.ヘプバーンは赤で身へ主演女優賞を獲得し、脚本(原案)賞と衣装デザイン賞(白黒)と共に3つのオスカーを獲得している。
物語の方は、余りに有名なものであるので、今更記す必要もないでしょう。これまでに何度か見ている作品であり、今回、久しぶりに見たことになりました。尚、日本語吹き替え(字幕スーパーなし)で見たのはかつて地上波で放送された時にカットありのものを見たことがあるが、ノーカットの日本語吹き替え版を見たのは初めてになったと思います。
やっぱり、A・ヘプバーンは永遠の妖精ですね、風格が全然違います。分かっているとはいうものの、改めてそれを感じた所でした。
次回は8/30が「黄昏」(1952年、30分拡大枠)、8/31「ジェーン・エア」(1944年)、そして9/6、7「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946年)と続きます。が、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の放送をもって、「神宮前名画座」は終了と言うことになってします...