55 DAYS AT PEKING(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1963年のアメリカ映画「北京の55日」である。最近はこういう一大スペクタクル作品が無いが、当時は結構大々的に製作されていた大作の一つであって、大規模なセットを使った撮影は'60'sならではのスケールを感じられる作品である。また、ここで描かれているのは1900年の北京で起こった義和団の乱である。
作品データを記しておくと、時間は150分、監督はニコラス・レイ、脚本はフィリップ・ヨーダンとバーナード・ゴードンの2人、撮影はジャック・ヒルデヤード、音楽はディミトリ・ティオムキンである。そして出演は、チャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、デヴィッド・ニーヴン、伊丹十三、ジョン・アイアランド、フローラ・ロブソン、ハリー・アンドリュース、ウォルター・ゴテル、レオ・ゲン、ロバート・ヘルプマン、カート・カズナー、たちである。
1900年、山東省で蜂起した義和団は、清国に進出した西欧勢力とキリスト教徒たちを本土から追放しようと勢力を増していた。そのため、北京城にいた外国人たちの不安は高まることになる。そんな時期、梅理科海兵隊のルイス少佐が北京城にやって来た。紫禁城の奥では、清朝の西太后が側近の端郡王、寵臣栄緑将軍たちと密議をしていて、義和団の力を利用して外国勢力を国外に追放することを決め、義和団を陰で支援する古都を決定した。ルイスはロバートソン卿の主催する舞踏会でロシア男爵未亡人のナタリーに出会い、2人は互いに惹かれあった。しかし、ナタリーはロシアに帰ることになっていた。そんな中、ドイツ公使が路上で義和団に殺されるという事件が起こった。ルイスは偶然、その様子をホテルから見ていて、その指揮官端郡王を西太后に報告して抗議をした。しかし西太后は、各国外交団の北京城退去を警告した。そして、義和団はこの日、外国人居住地に対する攻撃を開始した。ということで、外国人たちは篭城することを余儀なくされた。城には11ヵ国の外国人たちが集うことになり、彼らは一体となって何とか防衛していた。ナタリーも野戦病院の看護婦として働くことを惜しまず、みんなが勝利を信じて頑張っていた。そしてルイスが天津の救援軍に連絡をするために北京城を脱出する。しかし彼の雑種津は失敗し、やむを得ず、敵中を潜行してようやく城に戻ってくる。が、彼を待っていたのはナタリーの死だった。更に連合国は籠城を続け、必死の抵抗を続け、55日間の籠城を耐え抜き、援軍がやってきた。ルイスは新たな任地に、この戦いで孤児となった混血の娘を連れて旅立っていった。
史実を元にした作品であるのだが、どう見てもデフォルメされて描かれていると感じられる所があるのと、義和団の兵士たちが中国人に見えないというネタとしか思えない所があるのだが、人海戦術での撮影を行っている所はスケールを感じるところである。
映画としては、'50'sから'60'sには本作の用に物量投入による大々的なロケを行った作品というのは色々とあるが、そういった作品の流れはしっかりと受け継いでいる。(が、ストーリー的には今一つ盛り上がりがないのが残念で...)
また、そんな作品であるが、やはりこういう作品では音楽の重要性も感じられることになる。映画としては今ひとつという作品でも、音楽によって救われる作品というのは意外と多い。(逆に、映像はよい野良音楽がダメという作品は意外と少ない。)本作も映画がいま一つという所を音楽が救っているようになっている。
ということで、本作はサントラ盤の内容は実に良い。(本作のような大作はアカデミー賞ではたくさんの部門にノミネートされるのが当たり前なのに、本作では作曲賞と歌曲賞の2部門しかノミネートされなかったことも、本作の音楽は素晴らしいが、映画としては今一つということを証明している。尚、譜部門ともノミネートはされたが受賞とはならなかった。)
ということで、本サントラ盤は一聴の価値のあるアルバムに仕上がっている。ということで、映画はともかく、サントラ盤はの方はBGMにするのも良しということで、堪能しましょう!
最後に、サントラ盤の収録曲を記しておく。収録曲は以下の全14曲である。『Overture』『Main Title』『Welcome Marines』『Hotel Blanc』『Explosion Of The Arsenal』『Natasha's Waltz』『Peking Theme (So Little Time)』『Peking Theme (So Little Time)(Vocal Varsion)』『Children's Corner』『Moon Fire』『Attack Of The French Legation』『Death Of Natasha』『Help Arrives』『End Title』。
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ケータイ刑事銭形海2話[裏ネタ編]PART 8 [ケータイ刑事]
「銭形海」の第2話「波間の焼死体! ~海のレストラン殺人事件」の裏ネタ編の増補は今回限りとなります。で、高村さんが劇中で口にした「クールダウン」について、「シャーベット」について、「フラッペ」について、鑑識メモ」で柴田さんがこれを手にしていたことから「オール」について、「ここに冒険に行きたい」と言っていたことから「大海原」について記します。
また、この物語について過去に記した記事(MBS放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。BS-i(当時)での本放送時に記した記事へのリンクもあります。また、この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/4/13付です。
「クールダウン」:「クーリング・ダウン」または「整理運動」と言うこともある。主運動が終わった後、徐々に安静時に戻していくために行われる運動の一種、またはその行いのことである。また、そこから派生して、本番が終わった後、肉体だけでなく、頭を休めたり、精神的に休む状態に入るために行うもの、また、熱くなったものを冷やす行為のことも指す。
これは、身体の手入れの一つでもあって、熱くなったままでは何かと問題が生じるため、それを回避するために行うものである。具体的なものとしては、運動後のアイシングなどはこれの典型的なものということになる。
英語では「Cooldown」または「Cooling Down」、ドイツ語では「Kühle-Daune」、フランス語では「Refroidit-en Bas」、イタリア語では「Rinfresca-in Giù」、スペイン語では「Refresca-abajo」、ポルトガル語では「Esfriar-abaixo」、中国語では「酷下降」と言う。
「シャーベット」:氷菓子の一つであって、果汁や洋酒に香料と甘味料を加え、それ凍らせた氷菓である。「ソルベ」という言い方もある。
尚、アイスクリームとの違いは、果汁を凍らせているということで、これは脂肪成分の含有量が低いということになる。(アイスクリームは牛乳を使うため、乳脂肪分が含まれている。)また、「ジュース」は(日本では)果汁100%の液体であるが、「シャーベット」は果汁100%ではない果汁を凍らせたものでも構わないので、「ジュースを凍らせたもの」ではないものも存在することになる。
尚、国によっては多少の(法的な)違いがあるものの、氷菓子であるということは変わらない。また、国によってはミルク成分を含んでいなければならないというところもあったり、シャーベットとソルベとは完全に区別されていると殺し、同一のものとされている所もある。
英語では「Sherbet」、ドイツ語では「Fruchteis」、フランス語では「Limonade en Poudre」、イタリア語では「Sorbetto」、スペイン語では「Sorbete」、ポルトガル語では「Sorvete de Frutas」、中国語では「果汁露冰激凌」と言う。
「フラッペ」:氷菓子の一つであって、かき氷にリキュール類やシロップなどを注いだ飲み物のこと、またはかき氷、果物、アイスクリームなどを盛り合わせた氷菓子のことである。(前者は「菓子」ではなくて飲み物ということになる。)元々はフランス語であって、「氷で冷やしたもの」と言う意味であって、飲料のことを指すのだが、日本では氷菓子のことも指すようになった。
日本では「かき氷」と同一視されることもあるが、「かき氷」は砕いたり削ったりした氷にシロップを掛けたものであるが、「フラッペ」はかき氷に果物(果肉)や餡を添えたもの、アイスクリームを乗せたもの、というように、「かき氷+α」というように認識されている。→日本語の「フラッペ」は和製語(和製フランス語)と言って良いですね。
フランス語では「Frappé」、英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では「Frap」(発音は一部で同じであるが、アクセントまで含めると違っている。)、中国語では「刨冰冷飲」と言う。
「オール」:船具の一つであって、「櫂(かい)」のことである。船を薦めるために人力で漕ぐ時に使用するものである。棒の一端の半分から上の部分を丸く、下側の部分平たく削ったものであって、他端は普通の棒状をしている。加工した部分を水面に入れて、反対側を握り、水を櫂で小船を進めるために使用するものである。
昔は、動力機関がなかったため、大きな船も小さな船も、全て人力で漕ぐということが基本であった。(帆の利用はありましたけど...)その代表的なものが「ガレー船」(軍艦である。)と呼ばれる船であって、ある程度の人数の漕ぎ手(主に奴隷)によって進むという船が知られている。
また、小さな船でも、公演にあるようなボート、カヌーなどではこれを用いて船を進めることになる。
但し、「オール」と言うと船縁に支点を設けて用いるものを指し、船縁に支点を設けないでしわ得するものは「パドル」と呼んで区別する。(パドルは両端に水をかく部位が設けられているものと、片側しかないものとがある。)
また、日本をはじめ、東南アジアの小舟では、船頭が船の後ろで、舵としての機能と推進力を与える機能として用いる「練り櫂」、そこから発展した「艪(ろ)」というものがあるが、「櫂」はそれらとも区別される。(「艪」は英語では「Scull」と言って、やはりオール(櫂)とは別物とされている。)
英語では「Oar」、ドイツ語では「Ruder」、フランス語では「Aviron」、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では「Remo」、中国語では「槳」と言う。
「大海原」:「おおうなばら」と読む。広々とした海のこと、大きく広がっている海のこと、大海のことを言う。尚、どの程度の大きさから上になると「大海原」と言って「海」と区別するのかという明確な基準は無いが、「大海原」と言う際は、基本的に水平線までの範囲に障害物が無くて海が広がっていることを言うのが一般的である。
英語では「The Ocean」、ドイツ語では「Der Ozean」、フランス語では「L'océan」、イタリア語では「L'oceano」、スペイン語では「El océano」、ポルトガル語では「O oceano」、中国語では「汪洋大海」と言う。
尚、人名として苗字となった場合、「おおみはら」と読む場合、「わだのはら」と読む場合もある。→人名となると読み方は非常に難しくなります。但し、人名となった場合は「海」という漢字は「み」と読むことは結構ありますね。
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WINGS『BAND ON THE RUN』(DELUXE EDITION) [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1973年12月に発表された彼らの3rd.アルバムであり、かつ、彼らの最高傑作と言われているアルバムである。(チャート成績、セールスのいずれもがWINGSとして再興を記録している。)そう言うこともあって、1999年には25周年記念盤がリリースされ、2010年にはDVD付きのデラックス・エディションがリリースされている。
チャート成績は、英米豪とノルウェーで1位を獲得、ニュージーランドで4位、オランダで5位、日本で11位、(西)ドイツで15位を記録している。また、1974年のBillboard年間アルバム・チャートでは3位にランクインしている。
収録曲は以下の通りである。まず、DISC 1であるが、これは'73年に発表されたオリジナル盤そのままという内容であって、収録曲は以下の全9曲である。『Band On The Run』『Jet』『Bluebird』『Mrs Vandebilt』『Let Me Roll It』『Mamunia』『No Words』『Picasso's Last Words (Drink To Me)』『Nineteen Hundred And Eighty Five』。尚、US版には『Helen Wheels』が8曲目に収録されていたが、デラックス・エディションはUK盤をベースにしているため、DISC 1には収録されていない。(DISC 2に収録されていますけど...)
DISC 2はボーナス・ディスクという位置づけで、以下の9曲が収録されている。『Helen Wheels』『Country Dreamer』『Bluebird [from One Hand Clapping]』『Jet [from One Hand Clapping]』『Let Me Roll It [from One Hand Clapping]』『Band On The Run [from One Hand Clapping]』『Nineteen Hundred And Eighty Five [from One Hand Clapping]』『Country Dreamer [from One Hand Clapping]』『Zoo Gang』。
更に、DISC 3は、1999年にリリースされた25周年記念盤に収録されていたコメンタリーを含む映像集となっている。収録曲は以下の7曲である。(但し、ラスト・トラックは15曲を聴くことが出来る。)『Band on the Run(Music Video)』『Mamunia(Music Video)』『Album Promo』『Helen Wheels(Music Video)』『Wings In Lagos』『Osterley Park』『One Hand Clapping』。
オリジナル盤からのシングル・カットは都合3曲である。1st.シングルの『Jet』ニュージーランドで2位、英米では7位、日本でも39位を記録する大ヒットになった。続く『Mrs Vandebilt』は英米ではシングル・カットされていないが、オランダで屋位、ニュージーランドで9位、豪州で41位を記録している。そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Band On The Run』はBillboardで1週だけとはいうもののNo.1の座を獲得し、1974年の年間シングル・チャートでも22位にランクインしている。また、カナダとニュージーランドでも1位、イギリスで3位、オランダで7位、日本では58位を記録している。また、UK盤には未収録であるがUS盤に収録されている『Helen Wheels』もシングルとしてリリースされていて、カナダで4位、アメリカで10位、イギリスで12位、日本では56位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Band On The Run』『Jet』『Mrs Vandebilt』は当然であるが、それ以外はあえてピックアップしないことにする。というのは、結局「全部」となってしまうのは目に見えていますから...
本アルバムはWINGSの代表作であるため、これまでにも色々と特典が付いたものがリリースされている。が、デラックス・エディションはその名前の通り、内容的にも充実しており、特にDISC 1がオリジナルであるUKと同じ収録曲になっているという所がミソである。
25周年記念盤を持っている方も、改めてデラックス・エディションを入手されることをお薦めしておく。また、ファンであれば完全限定生産のハードカバー本付きの方をというのは当たり前であるが、DISCの方は通常盤でも変わらないので、通常盤でも宜しいかと...
バンド・オン・ザ・ラン デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)
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- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/11/17
- メディア: CD
バンド・オン・ザ・ラン スーパー・デラックス・エディション(完全限定生産盤)(DVD付)
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- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2010/11/03
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その222) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「カメラマンの失敗」です。尚、テーマに「失敗」という言葉を含めて条件付けているのは、単に「カメラマン」というのであれば、両作とも色々と登場しているため、収拾が付かなくなるためです。で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「海・3rd.2話」、「007」からは「ドクター・ノオ」です。
「ケータイ刑事」:「海・3rd.2話」。「吸われる魂! ~血を吸うカメラ殺人事件」。松山さんがTVシリーズに初登場したが、前話はお約束も色々あったため、この物語から松山さんの力量が問われることになった物語である。が、心配することなく、海ちゃんとの3人のコンビを組んだ相棒の中では、最も波長があったコンビになったが、そのナイス・コンビぶりが色々と出ている物語である。
写真家の浜地ノブヨシ(通称:ハマーチ)から松山さんに撮影会の招待状が届き、海ちゃんと共にハマーチの所に行った。ハマーチは「血を吸うカメラ」と言われている曰く付きのカメラ(このカメラで写真を撮られた人間は必ず死ぬと言われている)を使って、セクシー女優のキンメダイ・オブ・チョイトイの撮影を行った。(チョイトイも、そういうカメラだと言うことを承知の上で、同意してモデルを務めた。また、チョイトイは落ち目であったことから、話題になって第一戦に復帰することを考えていた。)
撮影が終了し、楽屋に戻ったチョイトイは、最初はどうもなかったが、暫くしてメイクを落としていると、突然苦しみだして謎の死を遂げた。
捜査を開始した海ちゃん。遺体からは青酸カリと、口紅からは松脂の成分が検出された。松山さんはカメラから氷の毒針を飛ばした、サブリミナル効果で毒水を飲ませた、というような珍推理を語っていた。(いずれも海ちゃんにあっさりと否定された。)
そんな中、ハマーチはちょっとしたことからキンメダイのマネージャーの間黒との間でちょっとした諍いがあり、血を吸うカメラで間黒を撮影使用とする。が、松山さんがそれを止めるが、誤って松山さんが血を吸うカメラのシャッターを切ってしまい、間黒を撮影することになった。それすら直ぐに間黒は苦しみだし、死亡してしまった。松山さんは、自分が間黒を殺してしまったと言ってぶっ壊れる。
まもなく、間黒の死因が青酸カリ中毒と言うことが判明すると、松山さんは立ち直って、「俺は犯人じゃない」と天国に昇ったように豹変した。が、捜査は振り出しに戻ったと海ちゃん。
そんな海ちゃんの表情を、ハマーチは別のコンパクトカメラで撮影した。が、この時、室内での撮影なのにフラッシュが光らなかったことで、海ちゃんは疑問を持ち、ハマーチーがチョイトイを殺害したトリックに気づいた。
やはり、ハマーチの犯行であって、キンメダイ殺しはクレンジングペーパーに青酸カリを仕込んでおき、口紅に松脂を含ませたことで、それを落とすために念入りにクレンジングペーパーを使い、唇から青酸カリが体内に入ったのだった。また、間黒は爪楊枝を銜える癖があり、一悶着したときに青酸カリを塗った爪楊枝を間黒のポケットに入れた。その爪楊枝を間黒は口に入れたため、死んでしまった。そして、毒物はコンパクトカメラの電池ボックスの所に隠したと説明した海ちゃんは、カメラの提出を求めた。これを拒んだハマーチだったが、抵抗したことからもみ合いとなってしまい、カメラを落としてしまった。床に落ちたカメラは電池ボックス部の蓋が開いてしまい、その中から口紅のついたクレンジングペーパーと爪楊枝が出てきた。
ということで、ハマーチはコンパクトカメラの提出を拒み、自ら落としてしまうという失敗をして、犯行の証拠を提供してしまった。また、本来あるはずの電池は植木鉢に突き刺してあったと柴田さんが報告すると、「電池を育てるご趣味でもおありですか?」とトドメを刺した。するとハマーチは観念し、その場に腰を下ろして犯行を認めたのだった。
尚、「血を吸うカメラ」は何の言われもないごく普通のカメラだったということが判明した。
「007」:「ドクター・ノオ」。1962年の記念すべきシリーズ第1作である。(当然のことながら、初代ボンドの第1作である。)シリーズの中で、唯一の低予算作品であるが、そういうことを感じさせない作りは流石である。尚、本作の世界的なヒットによって、自作からは製作費が1桁多くなったということも、現在では「007」シリーズの人気を語る上での伝説の一つとなっている。
ジャマイカ支部からの連絡が途絶えたことでボンドが現地に派遣された。一方、ドクター・ノオは色んな人材を雇っていて、そのなかに情報を集めるカメラマンの女がいた。(原作小説では「アナベル・チャン」という名前があるが、映画では名前は語られていない。)ボンドがジャマイカにやってくるという情報は漏れていて、彼女はフランスのジャーナリストに扮して、ボンドの様子を探るという任務を与えられていた。で、空港でボンドを待ち受けていた。
到着したボンドが空港から出てくるところを、女は写真を撮ろうとした。が、ボンドはカメラがあることに気づき、手にしていた帽子で顔を描くし、女に写真を撮らせなかった。で、ボンドはタクシーを拾おうとするが、そこに「迎え」と言った男が声を掛けてきた。で、荷物を預け、ホテルの予約を確認すると言ったボンドは、総督に電話して確認をする。その時、カメラマンの女はボンドを迎えに来た男と接触して、何か語っていた。電話を掛けながらもボンドはそのことをチェックしていた。
ボンドを迎えに来た男はドクター・ノオの配下の男で、ボンドを始末しに来たのだったが、もともと秘密裏のジャマイカ来訪ということで、迎えが来ること事態がおかしいということで、ボンドは運転手の男に運転させて、途中で始末した。
更に、調査を進めたボンドは、夜、ナイトクラブデCIAのフィリックス、仲間のクォレルたちと情報交換を行っていた。そんな所に女がフラッシュを焚いてボンドの写真を撮った。すかさずボンドはクォレルに「女を捕まえろ」と指示を出した。で、クォレルは女を捕まえてボンドの元に連れて来た。
「何故写真を撮るのか?」とボンドが問うと、「空港では帽子しか撮れなかった」と答えた女。続けて「何処の社だ?」とボンドが塔と、「デイリー・グリーナー」と答えた。で、ボンドはデイリー・グリーナーに女の子とを確かさせるように指示をした。すると女は「フリーだ」と言った。ボンドは更に「雇い主は?」と問うが、それには答えなかった。
また、女は使用済みのフラッシュバルブを割り、それデクォレルの顔に傷を付けたが、クォレルは動じることなかった。ボンドは女のカメラを開いてフィルムを引っ張り出すことで感光させて、写真をダメにした。で、ボンドは女を解放したが、「後悔するわよ」と捨て台詞を女は吐いて消えた。
尚、この物語は1962年の作品であるため、現在のようにデジタルカメラというものは存在しておらず、カメラというと、言うまでもなくフィルム・カメラである。また、フラッシュもかなり大きなものであって、フラッシュバルブを使うということであり、カメラ本体もかなりの大きさのものである。ボンドが(昼間の空港での)カメラに気づくというのも当然である。
また、現在だったら、フィルムカメラではなく、デジカメということになるであろうが、その場合はフラッシュメモリを(物理的に)破壊するということになるのでしょうね...
尚、女カメラマンは、空港でボンドの写真を撮り損ねたが、余りにもまともな位置にいたということで、立ち位置のミスをしており、更に、ボンドを迎えに来た男と接触したことがボンドに不審者と気づかせてしまったという失敗をしていて、顔を覚えられてしまったという墓穴を掘ってしまった。
共通点は、大きくないミス(「ケータイ刑事」ではフラッシュを焚かなかったこと、「007」では安易に仲間と接触したこと)をしたことが墓穴を掘ることになり、主人公(銭形/ボンド)に見破られてしまったということである。また、そのカメラマンは他人を傷つけるという行動(「ケータイ刑事」では2人を殺害し、「007」ではクォレルの顔を傷つけている。)をしているというところも共通している。
一方相違点は、「ケータイ刑事」では殺人を認めることになったため、逮捕されることになったが、「007」では解放されている。(但し、カメラマンの女については、ナイトクラブを出た後については劇中では全く描かれていない。よって、ボンドの写真を撮ることに失敗したことで、ドクター・ノオに消されているかも知れないし、逃げ延びているかも知れない。→消息、安否不明ということです。)
次回からは18クール目に突入です。ボチボチ「M3」を取り上げようかとも思いますが、作品としてはいま一つであったこともあって、あまり印象に残っている所が無いだけに...まあ、TVシリーズからのネタがあるので、今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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「4 FOR TEXAS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1963年のアメリカ映画「テキサスの4人」である。日本では1963年12月に劇場公開されている。アルドリッチ監督によるシナトラ一家の西部劇であるが、シナトラ一家の作品ということで、コミカルな所もある作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は123分、監督はロバート・アルドリッチ、脚本はロバート・アルドリッチとテディ・シャーマンの2人、撮影はアーネスト・ラズロ、音楽はサミー・カーンとジミー・ヴァン・ヒューゼンの2人である。そして出演は、フランク・シナトラ、ディーン・マーチン、アニタ・エクバーグ、ウルスラ・アンドレス、チャールズ・ブロンソン、ヴィクター・ブオノ、ジャック・イーラム、マイク・マザーキ、ニック・デニス、たちである。
銀行の用心棒であり、とばく師でもあるザックとジョーは、偶然にも駅馬車に乗り合わせる。その駅馬車は銀行家に大金を運んでいた。その駅馬車がマトソン率いる強盗団に襲われる。しかし、ザックとジョーの奮戦で撃退した。一味は、ザックを殺し、輸送中の大金を奪うように銀行のバーデンに命じられていたのだった。しかし、その計画は失敗に終わった。が、どさくさに紛れてジョーはその金を奪うと、逃げていった。それから数日後、町にジョーが現れたことを知ったザックは、ジョーを攻撃することを考え、腹心たちを連れてジョーと会おうとする。で、指定場所のレストランで落ち合った。が、暗闇からザックを狙っているマトソンの銃口に気づいたジョーがマトソンを撃った。で、ザックとジョーはそのまま別れた。そんな中、川船でとばく場を開くための出社を探していた未亡人のマクシンにジョーは出資することを引き受けた。一方、バーデンはザックを使って川船を乗っ取る計画を進めていたが、ザックの副業である仲買いの綿の陸上げ作業をしている時に船を沈没させて、全ての罪をザックに押しつけようとした。ジョーはバーデンの櫻美の証拠を掴み、それを盾にして船着き場を借りることに成功した。そして川船が就航する日がやってきた。ザックは殴りこみをかけ、様子を見に来たジョーと殴り合いが始まる。が、2人は船内の倉庫に転落し、そこに沈没した綿を発見した。これによってバーデンの悪企みに気づくことになった。そんな所にバーデンの一味も殴り込みを掛けてきた。で、ザックとジョーは手を結んで応戦し、バーデンを倒し、悪事を晒すことに成功した。
コメディ・タッチで描かれているものの、娯楽作品ということをよく分かっているシナトラ・ファミリーの作品であることを考えると、こういう作品もまあいいんじゃないかと感じられる。ただ、本格的な西部劇を求める方には色々と不満があることは否めない。まあ、娯楽作品と割り切って楽しむのが一番ですね。
「20TH CENTURY」 [映画(洋画)]
表題の作品は1934年のアメリカ映画「特急二十世紀」である。日本での劇場公開は1934年(昭和9年)11月であった。H・ホークス監督のスクリューボール・コメディ作品トシテ知られている作品である。また、元々舞台作品であり、後にもサイド舞台化されたことでも知られる作品である。
作品データを記しておくと、時間は91分、原作はチャールズ・B・ミルホランド、製作と監督はハワード・ホークス、脚本はチャールズ・マッカーサーとベン・ヘクトの2人、撮影はジョセフ・オーガストである。そして出演は、ジョン・バリモア、キャロル・ロンバード、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、エチエンヌ・ジラルド、ラルフ・フォーブス、チャールズ・レヴィンソン、エドガー・ケネディ、デール・フラー、ビリー・シューワード、クリフォード・トンプソン、ジェームズ・P・バーティス、ギギ・パリッシュ、エドワード・ガーガン、ハーマン・ビング、リー・コールマー、たちである。
ブロードウェーのプロデューサであるオスカー・ジャフィは演出家としては異端の才能を発揮していた。そんな彼は、モデル上がりの新人女優のリリー・ガーランドを見出し、彼女を起用してスター女優へと育て上げた。で、ジャフィの演出、リリーの主演というコンビは次々とヒット作を放っていく。そんな中、ジャフィは女優のリリーに恋をしてしまった。で、ジャフィは公私ともにリリーを拘束し、リリーから人間的な生活を全て奪ってしまった。流石のリリーも、そんな生活に嫌気を差して、ジャフィには無断で、映画出演の契約を行ってハリウッドへ去ってしまった。リリーは単にジャフィの前から姿を消しただけでなく、ジャフィの運気をも持ち去ってしまったようで、以後、ジャフィが手掛けた公演は散々な結果となって、シカゴで行った公演は小屋代すら支払うことが出来ないというような大コケとなってしまった。で、ジャフィは逃げるように二十世紀特急に乗ってニューヨークへと舞い戻った。が、その途中で彼は、列車に乗り込んできたリリーの姿を見た。恋人のジョージと共にいたリリーは、ニューヨークで、かつてジャフィの元にいたジェーコブスの招きに応じて、ジェーコブスの芝居に出演するためにニューヨークに向かっていたのだった。で、ジャフィは、リリーに自分の作品に出演してもらおうと考えた。ジャフィは手の込んだことを考えて、まずはリリーとジョージとの仲を裂いた。また、大会社というスポンサーを見つけだして資金も得る。とかと、その会社の社長は、実は狂人だと知る。更に、一度は出演を受けたリリーも、再びジャフィの申し出を拒否した。もはやこれまでと、ジャフィは大時代的に自殺を計った。そんな所にあの社長が現れ、ジャフィは擦り傷を負った。が、彼はその傷を致命傷のように装い、大芝居を打って、死出の旅の贈物としてリリーに出演の署名をさせることに成功した。で、めでたくジェフィはリリーを使った舞台公演の準備を進めていった。
80年近い昔の作品ということになるが、テンポもノリも良く、なかなか面白い作品である。また、ジョン・バリモアもキャロル・ロンバードも、それぞれが持ち味を発揮している。特に、第二次大戦が始まってまもなく、飛行機事故によって33歳で帰らぬ人になってしまったC・ロンバードにとっては、出世作になった作品でもあって、彼女の魅力をたっぷりと堪能出来る。(C・ロンバードは、彼女の半生を映画化した1973年の「面影」も有名ですね。)
ただ、物語の舞台となっている時代が現代と比べるとのんびりとした所があるため、スピード感がもう少し欲しいかな、と感じるところもある。が、古き良きのんびりとした時代を味わうということで、それもスパイスの一つと思えば宜しいかと。
伝説の映画監督 ハワード・ホークス傑作選 特急二十世紀 [DVD]
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WEIRD AL YANKOVIC『UHF』(SOUNDTRACK) [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年に発表された彼の6枚目のスタジオ・アルバムであり、かつ、自ら主演し、共同脚本も書いた映画「パロディ放送局 UHF」のサントラ盤でもある。(彼らしい、パロディ映画であるが、日本では劇場未公開である。)彼らしい所がたっぷりと出ているのだが、アルバムとしては伸び悩み、Billboardでは最高位146位を記録しただけであった。
収録曲は以下の全13曲である。『Money For Nothing/Beverly Hillbillies』『Gandhi II』『Attack Of The Radioactive Hamsters From A Planet Near Mars』『Isle Thing』『The Hot Rocks Polka』『UHF』『Let Me Be Your Hog』『She Drives Like Crazy』『Generic Blues』『Spatula City』『Fun Zone』『Spam』『The Biggest Ball Of Twine In Minnesota』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。『UHF』『Money For Nothing/Beverly Hillbillies』『Isle Thing』の順にリリースされたが、いずれもがチャートインすることはなかった。
お薦め曲は、本アルバムの代表曲である『UHF』、彼らしさの出ているパロディ曲である『Money For Nothing/Beverly Hillbillies』『Isle Thing』『She Drives Like Crazy』、そして彼のもう一つの顔であるポルカである『The Hot Rocks Polka』をピックアップしておく。
4曲のオリジナル曲が含まれているものの、基本的にはパロディ曲である。そのためにはオリジナル曲が何かということが分かっているのといないのとでは、楽しめる深さが大きく違ってしまう。が、本アルバムでねパロディは、基本的に'80'sソングであって、いずれもがある程度のヒットを記録したものばかりである。(『Eat It』や『Fat』の元ネタまでのヒットにはなっていないものの、十分なヒットになった曲である。)よって、'80'sの洋楽ヒット曲に対して、ある程度の知識があれば、本アルバムはたっぷりと楽しめるのは、これまでの彼のパロディ・アルバムと同じである。
ということで、'80'sサウンドがお好きな方は、何処まで知っているかを試してみるというのも面白いでしょうね。また、'80'sのヒット曲を知らない方は、ここからオリジナル曲を探し、それを聴いて'80'sサウンドを聴いていく、というのも面白いでしょう。ということで、色んな楽しみ方が出来る楽しいアルバムである。
ケータイ刑事銭形零22話(2nd.9話)[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第22話(2nd.9話)「ケータイ刑事百回記念特別企画・ウマと呼ばれた男! ~織田信長殺人事件(前編)」の「裏ネタ編」の3回目の増補となる今回は、この物語の冒頭部から、五代さんはここからの帰りだったことから「銭湯」について、ここを通っていたことから「雑木林」について、追いつけずに漏らした言葉から「逃げ足」について、零ちゃんはコンビニでこれで支払っていたことから「おサイフケータイ」について、零ちゃんはこのことを心配してぼやいていたので「無断欠勤」について記します。尚、「銭湯」は「愛・15話[裏ネタ編]PART 3」で「風呂屋」として記したものを、「雑木林」は「零・14話(2nd.1話)[裏ネタ編]PART 6」で、「無断欠勤」は「命・13話[裏ネタ編]PART 6」で記したものをベースにして、それぞれ加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/4/24付です。)
「銭湯」:料金を取って客を入浴させる施設である。一般的には「お風呂屋さん」という言い方がされることもある。(但し、「風呂屋」と言うと、昔は「風呂桶」を売る店(入浴施設は無い店である。)のこともこのように呼んでいた。)また、「公衆浴場」という言い方もある。
その歴史は古く、中世には既にあったことが分かっている。しかし、普及したのは安土桃山時代である。また、その当時は男女混浴というのが一般的であった。(男女混浴はその後も続くが、天保年間になると男女混浴が禁止された。)また、江戸時代になると、茶菓子の接待をする所や、湯女をおく所が登場するというように、サービスも多様化していき、今日のスーパー銭湯に繋がるような銭湯も登場している。近年は各家庭に内風呂があるのが当たり前になっていることから、全国的に減少の一途を辿っている。また、料金は各都道府県の知事が上限を定めるため、都道府県によって料金が異なることになる。
尚、現在でも銭湯を利用する人は、2日に1回という人が多いとされているが、これは天保年間に男女混浴が禁止されたことで、男湯と女湯のように2つの浴場を持っていなかった銭湯が男女の客の両方に対応するために、時間を区切ったり、一日おきに男湯/女湯とするなどの工夫をして営業するようになった名残とされている。(そのため、銭湯に通うのは2日に1回と言うのが当たり前になった。)尚、天保年間以後は、男湯と女湯という2つの浴場を持った銭湯が作られていき、現在でも男湯と女湯の2つがある。
尚、銭湯というと、富士山の絵が壁に書かれているというイメージがあるが、これは大正時代になって登場したものである。(時代劇で、江戸時代の銭湯で富士山の絵が出てくるというのは、歴史的にはおかしいことである。)但し、関東の銭湯では当たり前であるが、西日本の銭湯では殆ど無い。(浴場の浴槽の位置の違いがその理由とされている。)
銭湯の魅力は、やはり広い浴槽である。家に風呂があっても、時には広い浴槽のある銭湯(スーパー銭湯なども含む)に行くというのも、またよろしいんじゃないですか...
英語では「Public Bath」、ドイツ語では「Öffentliches Bad」、フランス語では「Bain Public」、イタリア語では「Bagno Pubblico」、スペイン語では「Baño Público」、ポルトガル語では「Banho Público」、中国語では「澡堂」と言う。
「雑木林」:一般的に使う場合と専門用語として使う場合で、読み方、及び意味が変わる言葉である。(但し、一般的に読む場合は「難読漢字」の一つとして知られているが、専門用語の場合は意外と簡単に読めるかも知れませんね。)
一般的には「ぞうきばやし」と読む。(難読漢字の一つとなっていて、中学入試などでは出題の多い漢字でもある。)意味は、種々の雑木が混じって生えている林のことである。この場所にある樹木は良材にはなることはなく、せいぜい薪として利用する程度である。そのため、「高価な(質の良い)木材を得ることの出来ない林」という意味でも使われる。(早い話、どこにでもあるような普通の林のことである。)
英語では「Copse」または「Brush」といい、ドイツ語では「Verschiedener Bäume」、フランス語では「Bosquet de Divers Arbres」、イタリア語では「Boschetto di alberi miscellanei」、スペイン語では「Bosquecillo de Árboles Misceláneos」、ポルトガル語では「Arvoredo de Árvores Diversas」、中国語では「雑木林」と言う。
一方、専門用語としては「ざつぼくりん」と読む。これは林業産業の世界に於ける専門用語である。(一般的には使わない言葉であって、この読み方も専門家の間でしか行われない。)林野庁が主に昭和30年代(1955年から1964年の間)に行った有用樹種を植えて作った人工林に対して、自然のままの林のことを指す言葉として定義された言葉である。(人工的に植林していない林は、単一の原生林であっても、多種多様な木々が生えていても、全て「雑木林(ざつぼくりん)」と呼ばれた。→人工的に植えられていない林は全てこれに含まれることになる。)
当然のことながら、「ざつぼくりん」と読むのは役所を含む林業関係者であり、その数は多くない。よって、一般的にはこの意味は知らなくても問題はない。
「ぞうきばやし」という読みは難読漢字の代表的なものの一つとして知られていて、漢字の読み方テストへの出題が非常に多い。一方、「ざつぼくりん」という読み方は、「ぞうきばやし」という一般的な読み方を知らない場合、素直な読み方であるということが出来る。また、「雑木林」の読みの際、不正解の回答としては一般的なものである。→学校のテストで出た場合、「ざつぼくりん」と回答して、専門用語である、として先生に食いついたが、先生がその専門用語を知らず、専門書まで引っ張り出して「ざつぼくりん」という読み方が間違いではないということを主張した知り合いが過去にいました。その父親は林業関係者だったことから、お父さんに教えて貰ったのでしょうね。(が、そこまでして点数を稼がなくても...と思いましたけど...)
「逃げ足」:逃げようとする足つきのこと、逃げる足取りのこと、逃げ去るときの様子のこと、または「逃げること」そのものを指す。特に、追っ手の立場から、追いつけずに逃げられた場合、「逃げ足が速い」と言うが、実際に逃げようとする速度が速いとは限らない。則ち、「逃げ足が速い」という言い方は慣用句になっていて、「逃げられた」ということを「逃げ足が速い」と言うこともある。(逃げる方は単に隠れていて、追っ手が見失っただけという場合もありますし...)
英語、ポルトガル語では「Getaway」(但し、発音は異なる。)、ドイツ語では「Flucht」、フランス語では「Fuite」、イタリア語では「Partenza」、スペイン語では「Partida」、中国語では「逃跑」と言う。
「おサイフケータイ」:携帯電話の端末に埋め込まれたICチップ(FeliCaチップ)を使ったサービス、またはそのサービスに対応したモバイルFeliCaチップを内蔵した携帯電話端末の総称である。「おサイフケータイ」は、このサービスを最初に開始したNTT DoCoMoの登録商標になっているが、現在ではau、SoftBankの携帯電話、ウィルコムのPHS端末でも(全ての端末ではないものの、一部の端末では)このサービスに対応している。
尚、「サイフ」という名前は言うまでもなく「財布」のことであって、携帯電話端末で決済を行うということから来ているが、現在では決済以外のサービス(例えば会員証、電子チケット、鍵としての利用など)もある。
尚、現在では多岐にわたるサービスが行われているが、一部のサービスでは既にサービス終了となったものもある。
サービスは2004年6月に発売された端末から対応するようになったものの、本格的にサービスが広がるようになったのは2005年になってからである。この物語の本放送は2005/2/27であったが、サービスの拡充時期に差し掛かっていた時期でもあって、スポンサーに対しての配慮ということも含めて、その宣伝ということになりますね。(「ケータイ刑事」では過去にも、また「雷」以降の作品でも、今回と同様に新サービスの宣伝ということを行っている。)
「無断欠勤」:断り無しに(職場を)休むことを言う。あくまでも「勤務」を無断で休むことであって、学生の場合は「無断欠席」と言う。(→英語では「無断欠勤」と同じ言い方になる。)
職場を休む場合はは予め連絡を入れるのが当たり前であり、「欠勤願(休暇願)」を提出するのが基本である。但し、風邪を引いていて、朝起きると熱があるなどの場合は、予めそれを届け出ることは実質的に不可能である。が、その旨を当日の朝に電話連絡するのが当然である。(連絡を入れると「無断欠勤」にはならないことになる。→有給休暇を消化するということになる。)また、出勤途中で(例えば)事故に遭って出勤できなくなった場合も、直ちに連絡を入れるのが常識である。(連絡が遅れることになる場合もあり得るが、連絡することが重要であるのは言うまでも無い。)
「無断欠勤」は連絡を入れず、断り無しに休むことであり、その場合は何らかの処分の対象になる。(時には解雇される場合もある。)普通に考えると、何らかの事情があるからということが推測されるが、あくまでも本人(またはその家族)から連絡を入れることで対応する。→五代さんは独身で一人暮らしと言うことになっているので、家族から連絡というのは無理で、しかも現代にいないのだから、連絡を入れることは不可能であるが、連絡が入っていないことから「無断欠勤」という扱いになってしまう。
英語では「Absence without Leave」または「Absence without Permission」、ドイツ語では「Unautorisierte Abwesenheit」、フランス語では「Absence non Autorisée」、イタリア語では「Assenza non Autorizzata」、スペイン語では「Ausencia Desautorizado」、ポルトガル語では「Ausência sem Autorização」、中国語では「无故缺勤」と言う。
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「姿三四郎」(1970) [映画(邦画)]
今度は竹脇無我さんの訃報が届いたということで、追悼の意味で彼の主演した作品を取り上げます。ただ、彼というと、映画ではなくてドラマの「大岡越前」や「おやじのひげ」でのバイプレーヤーというイメージが強く、失礼ながら、主演作ってあったっけ?と思ってしまいました。(主演作は余り多くないが、'60年代後半から'70's初頭は主演格として活躍しています。)謹んで、ご冥福をお祈り致します。
で、取り上げる作品は、何度か映画化されている「姿三四郎」です。(やはり、何度も映画化されている「人生劇場」もあるが、そちらは別の形で取り上げようと思っていたので、またと言うことにします。)
「姿三四郎」は、言うまでもなく富田常雄の小節の映画化作品であって、1943年の黒澤明監督作品が余りにも有名である。(黒澤監督の初監督作品でもある。)以後、1955年、1965年、本作の1970年、1977年と映画化されていて、それ以外にもTVドラマ化もされている作品である。(主だった映画会社がそれぞれ映画化している。)
今回取り上げる1970年の作品は松竹の作品であって、5回の映画化作品の中では、尺という点ではもっと短い作品となっている。(長ければ良いというものでもないが、短ければそれはそれでまた色々と言われるところもありますが...)尚、劇場公開は1970年7月であった。
作品データを記しておくと、1970年の松竹作品で、時間は88分である。原作は富田常雄、監督と脚本は渡辺邦男、撮影は西前弘、美術は木村晃麿、音楽は牧野由多加である。そして出演は、竹脇無我、高橋幸治、尾崎奈々、森次浩司、高城丈二、堀雄二、曽我廼家明蝶、小沢忠臣、大下哲矢、加賀邦男、榊原史子、白木マリ、たちである。
柔術が注目されるようになった明治の時代、紘道館を開き、従来の柔術に新理論を加えた柔術を広めようとしていた矢野正五郎は、ある日、彼の志を潰そうとしていた門馬一味に襲われる。その時、現場に車夫として居合わせていた姿三四郎は、正五郎の毅然とした態度に惚れ込んで紘道館へ入門する。そして熱心に稽古を重ねる。正五郎は、柔術だけでなく、人間としてのあり方も三四郎に教えるが、三四郎は師の言葉に反発して、寺の蓮池に飛び込み、一本の杭に身を任せて一昼夜、水の中で過すということもあった。三四郎はやがて心眼を開き、才能を開花させることになる。で、警視庁武術大会に出場することになった三四郎。対戦者は柔術界の雄・村井半助で、得意の山嵐で勝利を掴んだ三四郎。村井は負けて勝者を讃え、それと、賭の娘・早乙美との純愛に挟まれることになる三四郎。更に、村井の高弟である桧垣源之助は、三四郎を倒そうとして立ち塞がる。手段を選ばない桧垣は、三四郎のことを憎み、早乙美との恋も賭けて決闘をすることを狙っていた。で、決闘は右京ケ原で行うことになり、遂にその対決の日がやってきた。生死を賭けたその戦いは、互に秘術をつくし、激闘を続けることになる。壮絶な戦いは、桧垣の一瞬の隙をついた三四郎が勝った。しかし、紘道館では他流試合を禁じていたため、三四郎はそのまま右京ケ原をあとにして、一人で旅立って行った。
「姿三四郎」というと、結構重さを感じるような作品が多いのだが、本作では三四郎の青春物語という要素を出しているため、爽やかなイメージがする作品になっている。また、ヒロインの早乙美を演じる尾崎奈々が爽やかな所を出しているのも大きい。
作品としたら、時間的には見やすいものに纏まっているが、「姿三四郎」の物語からすると、本当に骨格部分に絞って描いたということで、これはこれで悪くはない。何せ、長尺作品となると、それはそれで、色々とだれてしまう所も出てくるものであるが、そういう冗長度の高い部分が無いのですから...また、本作でも「姿三四郎」という物語の粗筋は分かりますからね。それだけに、更にね三四郎の姿も描いて貰いたかったと思う所である。
何作かある「姿三四郎」の映画化作品の中ではお子様ランチ的な所が強い作品になっているものの、「姿三四郎」の物語を知らないという方が初めて見るには良い作品ですね。
※黒澤監督作品ならば色々とソフトもありますが、本作のソフトは見当たりません...
↓原作小説はこちら
スターウォーズ・クローンウォーズ(3rd.)#22[Fin] [アニメ]
シーズン3の最後の物語は前回の続きの後編となる物語である。が、シーズン1、2の時と同様に、特にキリになるような物語でもなく、更に次のエピソードが待っている、というような、いつもと変わらない物語のエンディングでもありました。
アソーカたちは反撃に出るために作戦を考える。一方、息子のダーを殺されたガーナクはアソーカに対して憎しみを集め、息子の復讐を果たそうと躍起になった。
トランドーシャンたちは今まで以上に厳しく執拗な追跡を行う。一方、アソーカたちは、定期的に囚人が運ばれてくることから、次に囚人輸送船がやってきたら、それを奪い、この星を脱出するという計画を立てた。で、囚人輸送船がやってきて、それを攻撃するアソーカたち。輸送船の乗員を倒し、船を奪ったものの、攻撃で損傷を受けた船は墜落のピンチに陥る。何とか、運ばれていた囚人たちを解放したが、輸送船は墜落してしまい、それで脱出することは不可能になってしまった。そんな中、運ばれてきた囚人たちの生き残りを助けたが、それはチューバッカだった。
チューバッカはアソーカたちの仲間になり、墜落した輸送船のパーツから通信機を作り、キャ迂遠を求めようとする。墜落現場に潜り込んだが、トランドーシャンもそれを見張っていて、スナイパーの銃がアソーカを狙っていた。が、アソーカの仲間がそれに気づき、アソーカの狙撃は失敗し、捕虜とされる。そして、捕虜にスピーダーで迎えに来て貰うように操り、それを奪い、トランドーシャンの要塞に攻撃するという作戦を立て、実行に移した。
計画通り、スピーダーを奪い、奇襲を掛けたアソーカたち。途中までは上手くいったものの、それに失敗し、アソーカたちもいよいよ最期と思われた時、チューバッカからの連絡を受けて現れたウーキーたちが応援に駆けつけ、形勢は逆転、アソーカたちはトランドーシャンたちを全滅させた。
そして、ウーキーたちにコルサントまで送ってもらったアソーカは、アナキンと再会した。一人の時もアナキンの教えのことを思い出していたというアソーカはアナキンに改めてお礼を言っていたが、アナキンはアナキンで、自分が未熟な師匠であったことを詫びていた。
何だかんだで、あの師匠にこの弟子、という所を見せる形で締めくくられたシーズン3であったが、全体的には低調な物語が多かったですね。それなりに「スターウォーズ」らしさが出ているものの、いくつかのパターンにハマった物語が殆どであって、単にエピソードを重ねているだけで、これという物語がなく、マンネリ感に満ちていたシリーズでした。
NHKは4月からBSのチャンネル再編成によってチャンネル数が減り、放送される番組数も減ることになったが、シーズン3がBSプレミアムで毎週放送されなくなったのは、内容的に低調だったから、と言って良いですね。(「次が楽しみだ」という物語が殆どなく、マンネリ感の方が支配していましたし...せめて半分ぐらいは、「次が気になる...」という物語にしてくれないと...)こうなると、アメリカではこの秋から始まるシーズン4も、NHKでは来年の夏に、今回のような一挙放送ということになるのでしょ~ね。
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